現役ルンピニー王者がライト級王座挑戦へ=「グローリー22」結果
元王者を圧巻KOでタイトル挑戦権を獲得
トーナメントを制しグローリー王挑戦権を獲得した現役ルンピニー王者シッティチャイ 【(c)GLORY】
目玉はヘビー級タイトルマッチ。そしてルンピニー王者を交えたライト級トーナメント。ヘビー級のリコ・フェルフーフェンは序盤に危うい場面もあったが着実に流れを引き寄せ最後はきっちりと自分の試合に仕上げ見た目はかなり安定した王者となった。
ライト級トーナメントに登場した現役ルンピニー王者はさすが。まるで相手を寄せ付けず隙のない戦いでタイトル挑戦権を獲得。元王者キリアをKOであっさり下したのは圧巻。ロスマレンとのタイトルマッチはシッティチャイが奪う確率が高そうだ。ルンピニー王者がグローリー王者を兼任する時が来るか? 注目の一戦となる。
7.4K−1出場者同士の対戦が実現
7.4K-1に出場するグリゴリアンとアダムチャクの対戦も 【(c)GLORY】
微妙な結果は1ポイント差でリザーバーのセルゲイの判定勝利。この結果を聞いた日本のK−1サイドは、「メンバーの入れ替えは考えずにこのまま当初の予定通りで行います」、とのこと。K−1にどのような影響を与えるのか楽しみであるがグレゴリアンの気合が入り直ったことだけは間違いない。
「グローリー22」結果
判定でヘビー級王座を防衛したリコ・フェルフーフェンが 【(c)GLORY】
<ヘビー級タイトルマッチ>
[王者]○リコ・フェルフーフェン(オランダ)
(5R判定 3−0※49−4749−4650−45)
[挑戦者]●ベンジャミン・アデグバイ(ルーマニア)
※リコが王座防衛に成功
入場音楽に合わせ全身でリズムをとっていた両者は万全の様子。身長・体重・リーチともにほぼ同じ。年齢でベンジャミン(以下ベニー)が4つ上。王者リコはサイドとバックを刈り上げた新ヘアスタイル。ベニーはスーパーコンバットとグローリーの両大会中心に戦い13年以後今日まで無敗。リングサイドでボンヤスキーとシュルトが観戦している。
序盤、ガードを固め近距離で見合う両者。左ローで最初に探りを入れたリコはフックを放ちながら上中下の蹴りを散らす。一方のベニーは左ストレートを決めフォローのフックでリコをふらつかす。2Rは主導権争いをしつつリコの低い前蹴りが2度ベニーの下腹部に当たる。中盤にリコは小刻みな左ジャブを多用し始めフォローのローで削る。ベニーの動きが鈍くなり手数が減る。短期決戦の3R戦と長丁場の5R戦ではスタミナを含めて戦法は大きく変わる。
そして4Rの攻防は大きく結果を左右する。左右のローを叩き込むリコがベニーのバランスを奪う。リコの圧力の前にベニーは疲れた。試合の流れが見え出した。トータル打撃数でリコが大きくベニーを上回った。試合全体を大きく俯瞰(ふかん)すれば山場のない戦いでもあった。むしろ1Rのベニーの左ストレートと的確な左右のフックこそが一番の盛り上がりのようにも思えた。最終ラウンド、自分のリズムで戦うリコが自在に攻めて試合を終え万全の勝利でタイトルを防衛した。
<スーパーマッチ>
○ザック・ムエカッサ(コンゴ)
(1R1分58秒 KO※左フック)
●カーロス・ブロックス(米国)
始まりはお互いに慎重だったものの実力を見切ったムエカッサが左フックで8カウントのダウンを奪い、続けて左フックストレートでダウンを奪い勝負を決めた。汗一つかく間もなく試合を終えたムエカッサ。勝利コールを待つあいだ目を細めて遠くを見つめたその表情はまるで虚空仏のようだった。
<ライト級コンテンダートーナメント 準決勝第1試合>
○シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
(2R2分09秒 KO※ボディーへのヒザ)
●デビット・キリア(ジョージア)
半身に構えて右ストレートと左ミドルで攻めるシッティチャイは落ち着いたもの。対して、攻め込む糸口を探るキリアは得意の飛び道具ジャンピングバックスピンキックを繰り出すも簡単にブロックされる。相手の下腹部にヒザが当たってしまうキリアはレフェリーから注意を受ける。
2Rの出だしに速攻パンチで攻め込みシッティチャイをコーナーに追いつめ活路をひらこうとしたキリアだったが攻撃はそこまで。その後はミドルとヒザを何度ももらい、最後は左ストレートに続く左ヒザでボディーをえぐられ悶絶。ルンピニー現役王者があっさりとグローリー元王者をマットに葬った。
<ライト級コンテンダートーナメント 準決勝第2試合>
○ジョシュ・ジャウンシー(カナダ)
(3R2分59秒 TKO※2ダウン)
●クリバリ・ジメ(フランス)
グローリー初参戦のジメは少々緊張気味。オランダのサワージムでコーチを受けるジョシュはローの出し方、フックの繰り出し方にサワーの動きが見える。ローでダメージを受けたジメはスリップダウンを繰り返し、右ヒザを頭部に受けダウン。続いて左ローを受けてダウンを喫し2ダウンルールによりデビュー戦を敗北で終えた。
<ライト級コンテンダートーナメント決勝戦>
○シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
(3R判定 3−0※三者30−27)
●ジョシュ・ジャウンシー(カナダ)
1月に中国で行われたクンルンファイトでシッティチャイに敗れたサワーがジョシュのセコンドについていることは偶然にせよ因縁でもある。試合が始まってみるとシッティチャイはまるでジョシュを寄せ付けず強烈なミドルで淡々と追い込む。
序盤中盤とポイントを奪い終盤は流す形でシッティチャイは余裕の勝利。全く付け入る隙を与えないこの男がルンピニーの頂点でありラジャの3位でもある。ムエタイはもとよりK−1ルールでも不都合なく、さらにキリアのようなパワフルスタイルにもジョシュのようなテクニカルスタイルにも問題なく対応できるオールラウンド選手である。
リング上でロスマレンの印象を聞かれたシッティチャイは、「いや別にこれと言って特には。これが仕事なので僕はいつでも準備OKです」と笑顔で応じた。現役ルンピニートップがグローリーのトップになる可能性は極めて高い。次回タイトルマッチは注目の一戦である。
<スーパーファイト ヘビー級>
○ジャマル・ベンサディック(モロッコ)
(1R1分59秒 KO)
●マムドウ・ケタ(ドイツ)
<スーパーファイト ライトヘビー級>
○ムラド・ブジディ(チュニジア)
(3R判定 3−0)
●フィリップ・フェルリンデン(ベルギー)
<スーパーファイト ウェルター級>
○ヨアン・コンゴロ(スイス)
(3R判定 3−0)
●セドリック・ドゥンベ(フランス)
<スーパーファイト ライト級>
○セルゲイ・アダムチャク(ウクライナ)
(3R判定 3−0)
●マラト・グリゴリアン(アルメニア)
<スーパーファイト フェザー級>
○シェーン・オブロンスキー(米国)
(3R判定 3−0)
●トーマス・アダマンドポロス(フランス)
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