キックのあらし完勝!ライカMMA初勝利=ZONE × REAL第二章リポート

長谷川亮

あらし、狙い通りのKO勝ち

イタリア2冠王に宣言通りのKO勝利を見せた藤原あらし。過去惜敗しているムエタイ王座再挑戦を打ち上げた 【長谷川亮】

 キックボクシング「ZONE」と総合格闘技「REAL」がタッグを組んで行う第2回大会、「ZONE × REAL 第二章」が2日、神奈川・横浜文化体育館で開催された。

 まず12時からは第1部としてZONEが行われ、メインイベントには36歳にしてムエタイの頂点に挑み続ける藤原あらしが登場。イタリア2冠王として来日したカルロ・パウパッダと対戦した。

 自身より身長が低く、同じサウスポーのパウパッダを「パワーが固まっているような感じ」と警戒したあらしだが、試合が始まると得意の左ミドルをこの日は右ミドルへ切り替え、2Rには度々この蹴りを決めてパウパッダを追い回す。パウパッダが嫌がって組みついてもあらしは組み負けず優勢で、2Rにまずミドルでとらえてボディを、続いて3Rにはローを打ち込んで足を効かせ、最後は4Rにコーナーへ詰めてローの連打でノックアウト。前日に「相手のやりたいことをさせないで、心の折れたところでKOを狙いたい」と語った通りの試合展開で勝利を飾り、「このまま終わらすことなんてできないから」と、昨年10月、そして今年4月と惜敗に終わったムエタイ王座への再挑戦を打ち上げた。

森井は元ルンピニー王者に判定負け…

3月のKO負けから再起を懸けてリングに立った森井洋介だが、元ルンピニー王者に判定負け 【長谷川亮】

 また3月のKO負けから再起を懸けてリングに立った森井洋介は元ルンピニー王者で現MA日本王者であるマキ・ピンサヤームと対戦したが、4Rにヒジで額を割られ、タイミングよいジャブでも進入を防がれ、2−0(49−47、48−48、49−48)の判定で敗れた。

 セミファイナルに登場したラジャダムナンスタジアム認定ウェルター級王者ジョイシー・イングラムジムはメリケン雄人を判定3−0(50−47、50−45、50−46)で降したが、メリケンの足払いに転倒する場面を見せるなど精彩を欠き、大きなインパクトは残せなかった。

ライカが右ストレートでKO勝ち

元女子ボクシング世界王者ライカがMMA転向3戦目にして初勝利を挙げた 【長谷川亮】

 続いてZONE終了後はリングをケージ(金網)に組み替え、この組み替え作業が予定より時間が掛かったものの(予定開始時間の1時間遅れ)、REALがスタート。

 第4試合には元ボクシング世界王者からMMAに転向し、これが3戦目となるライカが登場。今年から長南亮率いるTRIBE TOKYO MMAで練習を積んでいるライカは、柔道出身の沙弥子のタックルを切ると、そこからボディを交えたパンチを効かせ、最後は右ストレートで打ち倒して1Rノックアウト。MMA3戦目にして初勝利を上げ、「これからもっとMMAファイターとして強くなっていきたいと思いますので見守ってください。まだまだやりますのでよろしくお願いします」と新天地でのさらなる進化を誓った。

死刑執行人が秒殺勝利

“死刑執行人”異名を持つイギリスのソウル・ロジャースがREALのメインイベントに登場し、秒殺勝利 【長谷川亮】

 また、メインイベントは“死刑執行人”の異名を持つイギリスのソウル・ロジャースが、サンボ出身で開始早々に足関へ来た峯 望実(みね・のぞみ)にパウンドをまとめて初回TKO勝ち。セミファイナルでは柔術出身のホドリゴ・カポラルが元パンクラス王者の國奥麒樹真を、やはりテイクダウンからパウンドで初回TKOに沈めた。

 大会中には両イベントの次回大会についても発表となり、ZONEは会場未定ながら9月ごろ、REALは12月5日に今回と同じく横浜文化体育館で第3回大会を行うことが明らかとなった。

大会結果

 そのほか、大会の全試合結果は以下の通り。

■「ZONE×REAL 第二章 第2部 REAL 2」
5月2日(土) 神奈川・横浜文化体育館

<第8試合 メインイベント 71.5kg契約 5分2R>
○ソウル・ロジャース(イギリス)
(1R1分50秒 TKO)
●峯 望実(契明ジム)

<第7試合 フェザー級 5分2R>
○ホドリゴ・カポラル(ブラジル/JAB MMA)
(1R1分57秒 TKO)
●國奥麒樹真(フリー)

<第6試合 フェザー級 5分2R>
○マラッド・エナセリ(フランス/JAB MMA)
(判定3−0)
●芦田宗宏(Brave)
※三者20−19

<第5試合 ミドル級 5分2R>
○坂下裕介(TTM)
(判定3−0)
●ノシュワン・カンザダ(パキスタン/JAB MMA)
※20−18、20−18、20−18

<第4試合 フライ級 5分2R>
○ライカ(フリー/元女子プロボクシング世界三階級制覇)
(1R2分14秒 KO)
●沙弥子(team TBP)

<第3試合 ヘビー級 5分2R>
○カルロス・トヨタ(ブラジル/Carlos Toyota Dojo)
(1R0分17秒 TKO)
●矢野啓太(プロフェッショナルレスリングワラビー)

<第2試合 ウェルター級 5分2R>
△草・MAX(TEAM CLIMB)
(判定2−0)
△エリック・マイケル・フォート(アメリカ/NOVA UNIAO JAPAN)
※20−20、20−19、19−19

<第1試合 ライト級 5分2R>
○間宮晃仁(ススキノマルスジム)
(1R4分50秒 腕ひしぎ十字固め)
●ルイス・オカモト(ブラジル/NOVA UNIAO JAPAN)


■「ZONE×REAL 第二章 第2部 ZONE 2」
5月2日(土) 神奈川・横浜文化体育館

<第8試合 58kg契約 3分5R>
○藤原あらし(バンゲリングベイ・スピリット/元WPMF世界スーパーバンタム級王者)
(4R2分06秒 KO)
●カルロ・パウパッダ(イタリア)

<第7試合 68kg契約 3分5R>
○ジョイシー・イングラムジム(ブラジル/ラジャダムナン認定ウェルター級王者)
(判定3−0)
●メリケン雄人(契明ジム/INNOAVTIONスーパーウェルター級王者)
※50−47、50−45、50−46

<第6試合 59kg契約 3分5R>
○マキ・ピンサヤーム(タイ/真樹ジムAICHI/MA日本スーパーバンタム級王者、元ルンピニー認定バンタム&スーパーバンタム級王者)
(判定2−0)
●森井洋介(格闘技道場ゴールデングローブ/Bigbangキックルール・スーパーフェザー級王者)
※49−47、49−48、49−48

<第5試合 52.2kg契約 3分5R>
○貴・センチャイジム(センチャイムエタイジム/WMC世界スーパーフライ級王者)
(判定2−1)
●薩摩サザ波(TARGET/MA日本フライ級王者)
※49−47、48−49、50−48

<第4試合 フェザー級 3分5R>
○邦博(真樹ジム沖縄/西日本統一バンタム級王者、RKAスーパーバンタム級王者)
(1R2分53秒 KO)
●TARO(月心会/西日本統一フェザー級チャンピオン)
※TAROに1kg体重オーバーで減点1

<第3試合 68.5kg契約 3分5R>
○森本一陽(レグルス池袋/J−NETWORKスーパーウェルター級王者)
(2R1分21秒 TKO)
●虎(RIOT GYM/RKAウェルター級王者)

<第2試合 63.5kg契約 3分3R>
○夢・センチャイジム(センチャイムエタイジム)
(1R2分59秒 KO)
●吉田 敢(格闘技道場ゴールデングローブ)
※吉田は契約体重オーバーにより減点1

<第1試合 ウェルター級3分3R>
○ウー・エリック(格闘技道場ゴールデングローブ)
(判定2−0)
●佐藤出雲(LAILAPS東京北星ジム)
※30−28、29−29、30−28
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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