粟生、三浦、内山、田中ら世界戦目白押し=5月のボクシング興行見どころ
内山のV10戦はムエタイ戦士
V4を狙うWBC世界王者・三浦は元IBF世界王者ディブに“進化の証明”を見せられるか!? 【船橋真二郎】
内山と同じリングでは昨年末の初挑戦を実らせたWBA世界ライトフライ級王者の田口良一(ワタナベ/21勝8KO2敗1分)が初防衛戦に臨む。判定で戴冠したときから、KOへの強い意欲を示してきた田口が迎えるのはクワンタイ・シスモーゼン(タイ/49勝26KO3敗1分)。13年9月には当時、井岡一翔が持っていた同じタイトルに挑戦し、7回KO負けしている。井岡はボディを効果的に使ったが、ボディは田口も得意とするところ。元WBA世界ミニマム級王者でもあるクワンタイを沈めることができるか。また、この日はWBO女子世界ミニマム級王者の池原シーサー久美子(フュチュール/6勝3KO1敗1分)が京都から敵地に赴き、2度目の防衛戦を行う。挑戦者の江畑佳代子(ワタナベ/7勝4KO5敗)はこれが4度目の世界挑戦となる。
長谷川穂積が無敗の強豪と再起戦
デビュー以来無傷の29連勝と勢いに乗るオラシオ・ガルシアとの再起戦に臨む長谷川穂積 【写真は共同】
34歳のベテランが再起戦で戦うには危険に過ぎると感じるが、この緊張感こそが自身を呼び覚ますと信じているようだ。若きガルシアは野心を持って、一時代を築いた名王者に挑みかかってくるだろう。可能性のすべてを使い尽くそうとするかのような長谷川の挑戦はどのような結末を迎えるのか。まずはこの一戦を見守るほかない。
9日には現在、九州唯一のベルトホルダーであるWBC女子世界ミニフライ級王者の黒木優子(YuKoフィットネス/12勝6KO4敗1分)が大阪・豊中アクア文化ホールで2度目の防衛戦を行う。サウスポーの黒木が迎えるのは4度目の世界挑戦に懸ける秋田屋まさえ(ワイルドビート/9勝3KO5敗2分)。大阪は黒木にとってはアウェイになるが、昨年5月に2度目の挑戦を実らせた験のいい場所でもある。
現地時間10日には米・テキサス州イダルゴで前WBO世界バンタム級王者となった亀田和毅(日本/31勝19KO)がジェイミー・マクドネル(英/25勝12KO2敗1分)のWBA世界バンタム級“レギュラー”王座に挑戦する。試合は統一戦として行われる前提で進められてきたが、WBOはマクドネルの上位にWBA世界バンタム級“統一”王者のファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)がいることから統一戦と認めず、またマクドネルには挑戦資格がないことから防衛戦としても認めなかった。試合を強行した場合はタイトル剥奪の可能性を示唆。和毅はベルトを返上し、WBA挑戦を選択した。元IBF王者でもあるマクドネルを相手に吉と出るか、凶と出るか。
田中、国内最短の世界王者を狙う
井上尚弥が持つ世界奪取の国内最短記録6戦目の更新を狙う“中部の新星”田中 【船橋真二郎】
昨年末、念願の3階級制覇を成し遂げたWBC世界ライト級王者のホルヘ・リナレス(帝拳/38勝25KO3敗)が30日(日本時間31日)、英・ロンドンに乗り込み、初防衛戦に臨む。挑戦者は同級1位のケビン・ミッチェル(英/39勝29KO2敗)。舞台は2万人収容のO2アリーナ。リナレスのセンスとスピードにあふれたスタイルは盛り上がりを見せる英国の大会場でも映えるか。
ミッチェルはこれが3度目の世界挑戦。過去2度の挑戦はいずれも試合の前半でストップ負けを喫しているが、現在は5連続KO勝利中と勢いがある。17歳のときに日本でデビューし、プロボクサーとして成長してきたリナレスも29歳。ボクシングの母国で防衛に成功すれば、そのキャリアに新たな勲章が加わる。