日本人初のUFC王者へ 宇野薫が堀口にエール「思いきりぶつかってほしい」

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宇野、マッハ、岡見に続くUFCタイトル挑戦

総合格闘技界のパイオニア、宇野薫がUFC王座に挑戦する堀口にエール 【(C)WOWOW】

 試合の過酷さ・レベルの高さから“究極格闘技”とも言われるUFC。この世界最高峰の舞台で、2013年の参戦以来4連勝を飾り、王座への挑戦権をつかんだ日本人がいる。その名は、堀口恭司(KRAZY BEE所属)。宇野薫、桜井“マッハ”速人、岡見勇信に続き、日本人としては4人目となるUFCタイトルマッチへの挑戦。相手は、師である山本“KID”徳郁を破ったデメトリアス・ジョンソン。勝利すれば日本人、そしてアジア人初のUFC王者誕生だ。現地時間4月25日、「UFC186」世界フライ級王座決定戦に注目が集まる(日本時間26日11時よりWOWOWで生中継)。
 
 この一戦を前に、UFCタイトルマッチ経験者であり日本が誇る総合格闘技界のパイオニア、宇野薫は「タイトルマッチに挑戦できるのは本当に限られた選手。思いきりぶつかってほしい」と語った。修斗から始まりUFCなどの舞台で戦いを重ね、39歳となった今も現役を続ける宇野。その豊富な体験を元に、試合を控えた堀口へメッセージを送った。

タイトルマッチは世界一になれる一世一代のチャンス

「打撃も組み技もできるトータルで見て次世代の選手」と堀口を評価 【(C)WOWOW】

――堀口選手のタイトルマッチが4月26日に迫ってきました。宇野選手も2001年2月にUFCタイトルマッチを戦っていますが、挑戦が決まった時はどんな気持ちでしたか?

 チャンスだと思いましたね。まさか自分がUFCに出られると思っていなかったので挑戦させてもらえることがうれしい反面、当時は体の大きい選手が主流だったので怖さもありました。

――言われた時はテンションが上がりましたか?

 もちろん最高峰というか、階級の世界一を決める試合なので、獲りたい気持ちもありました。自分がどのぐらい戦えるのか含めて、挑戦が楽しみでしたね。

――試合での入場やオクタゴンに入った時は、どんな雰囲気でしたか?また、試合前後で宇野さん自身の気持ちに変化はありましたか?

 デビュー戦で急にタイトルマッチだったし、オクタゴンで試合もしたことがなかったので、全てが初めての経験でした。今ではいい勉強になったと思っています。大きな舞台でタイトルマッチを戦ったことは、その後の格闘技人生の中でも経験になりました。「僕はああいう舞台で試合をしたんだ」と思い起こすというか、どんな選手とやっても、あの舞台で戦ったことがひとつの自信になりましたね。

――2003年2月には、BJ・ペンと2度目のタイトルマッチを戦いましたが、その時はどんな心境でしたか?

 最初のタイトルマッチで負けて、「少しずつ段階を踏んでいかないとタイトルには挑戦できない」と感じました。その一方で、BJとは最初にやった時に秒殺で負けて、2回目の対戦でした。その負けた時の恐怖心と、タイトルマッチに再びたどり着けた喜びと、両方の気持ちがありましたね。こんなチャンスはなかなかないですから、世界一になれる一世一代のチャンスだと思って挑みました。

――タイトル挑戦2回目は引き分けでした。振り返るとどんな試合でしたか?

 正直、あと一歩届かなかったという感じですね。勝っても負けてもいないので、何とも言い様がないですが、どちらかと言えば安堵感の方が大きかった。前に秒殺で負けてしまった相手に対してそこまでやれた自信と、最後まで諦めずに戦えた安堵感の、両方の気持ちがあったのをすごく覚えています。

――その後、日本人が何人かタイトルマッチに挑戦していますが、どういう気持ちで見られていますか。

 最初に言ったように、そういうタイトルマッチに挑戦できる選手はなかなかいない。実績や成績も確かにありますが、やっぱりチャンスに恵まれてこそ戦える試合なので、そういうものにはぜひ挑戦してもらいたいなと思って見ています。

堀口は本当に“総合格闘技”ができる格闘家

日本人で初めてUFC王座に挑戦した宇野は「チャンスがあれば挑戦したい」とオクタゴン復帰に意欲 【(C)WOWOW】

――日本人選手はまだ王者になっていませんが、堀口選手はどんな選手だと評価されていますか?

 彼とも何回か練習したことがありますが、打撃の強さもあるけれどそれだけでなく、寝技の非常にうまくて組み技もできる、トータルで見て次世代の選手というか、本当に“総合格闘技”ができる選手だと思います。

――相手のデミトリアス・ジョンソンの印象を教えてください。

 彼も総合的に強いですよね。寝技も順調ですし、打撃もいい。階級もフライ級でスピードも早いですし、総合的にレベルの高い選手だと思います。

――宇野さんから見て、堀口選手が勝ち行くとしたら、どのポイントだと思いますか?

 やってみなければ分からない部分はありますが、堀口選手は空手がベースにあって間合いも独特なので、相手への打撃の入り方だとかタイミングをつかみきれない部分は、ジョンソンにとってウィークポイントになるのかなと思います。そういった、自分の得意な部分が出せるかは、お互いの戦術において大事になると思います。堀口選手に関しては、やっぱりパンチ・蹴りを含めた打撃で攻めることでしょうね。相手のリズムに乗らずに、自分のペースで常に試合を動かす形の方がいいと思います。

――宇野さん自身は今年が格闘技を始められて20年目ですが、UFCを含めて総合格闘技をあきらめないと、現役を続けていらっしゃいます。そこまでUFCにこだわる理由はなんですか?

 実際に、「惜しかった」「もう一歩だったな」と思う気持ちもあります。仮にあそこでタイトルを獲れていたら、燃え尽きていたかもしれません。でも、あの独特な金網の中で自分らしい動きができなかったことに対する後悔がまだ残っていて、また挑戦してみたい気持ちが心のどこかにずっとある。進化し続けるUFCの中で、今の自分がどれだけできるのか、今の選手とどれだけ戦えるのか、チャンスがあれば挑戦したいと思っています。

――UFCの魅力はどういうところだと思いますか?

 強い選手がたくさんいますよね。超人並みに強いというか、どんどんみんな進化している。本当に世界最高峰で、一番強い奴が集まるところという印象です。各選手のキャラクターもすごく強くて、プロのアスリートとしてもみている部分が大きいです。

――改めて、堀口選手に向けて、コメントをいただけますか?

 タイトルマッチに挑戦できる選手は限られていて、またそういうチャンスをものにしないと立てない舞台だと思います。勝っても負けても格闘技人生の中でターニングポイントになると思うので、思いっきりぶつかってほしいですね。

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★生中継!UFC−究極格闘技− UFC186 in カナダ 堀口恭司、日本人初の王者なるか!
フライ級タイトルに挑戦する堀口恭司。日本人初の王者となるか?
4月26日(日)午前11:00〜[WOWOWライブ]※生中継
ゲスト解説:玉袋筋太郎(浅草キッド)

【主な対戦カード】

<フライ級タイトルマッチ>
デメトリアス・ジョンソン
堀口恭司

<ミドル級>
マイケル・ビスピン
CB・ダラウェイ


★生中継!UFC−究極格闘技− UFC187 in ラスベガス ジョーンズ&ワイドマン 豪華ダブルタイトルマッチ!
格闘技の殿堂ラスベガス、MGMアリーナでライトヘビー級、ミドル級の豪華ダブルタイトルマッチが実現。王者ジョーンズとワイドマンが最強挑戦者たちを迎え撃つ!
5月24日(日)午前11:00〜[WOWOWプライム]※生中継


【主な対戦カード】

<ライトヘビー級タイトルマッチ>
ジョン・ジョーンズ
アンソニー・ジョンソン

<ミドル級タイトルマッチ>
クリス・ワイドマン
ビクトー・ベウフォート

<ライト級>
ハビブ・ヌルマゴメドフ
ドナルド・セローニ

<ヘビー級>
トラヴィス・ブラウン
アンドレイ・アルロフスキー
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