立川理道が語るラグビーW杯への決意 エディージャパンの司令塔が復活
「ダン・カーターよりうまいかも」
韓国戦で復調の兆しを見せた日本代表の司令塔・立川理道 【斉藤健仁】
日本代表の10番を背負っていたのは「ハル」ことSO立川理道(たてかわ はるみち/クボタスピアーズ)だった。「パスとキャッチに優れていて、ダン・カーター(ニュージーランド代表)よりもうまいかもしれない」と日本代表を率いるエディー・ジョーンズHCの信頼が厚い司令塔だ。韓国代表戦では、相手にパスをインターセプトされてトライを献上したが、ロングパスで初キャップとなったWTB松井千士(同志社大3年)のトライをお膳立てし、浅めに立って自らランで仕掛けるなど復調の兆しを見せた。
ただ、ジョーンズHCに「まだ防御を見て判断していない。ハルはクボタのジャージーを着ているよう」と指摘されたように、本人ももちろん満足していない。「韓国代表は、かなり前に出るディフェンスで来ました。飛ばしパスは一度カットされてしまいましたが、ハンズ(短いクイックパス)やムーブ(サインプレー)でもっと良い形で外に回した方が良かったかな、と。相手がどんなディフェンスでもシェイプの深さやアライメント(アタックラインの形)を変えながらどこにボールを運ぶか。今日の試合はスキルにミスがありました。次は同じようなことはしないようにしたい」(立川)
スーパーラグビー挑戦も公式戦出場ならず
昨季はスーパーラグビーに挑戦も、公式戦に出場できず苦しんだ 【斉藤健仁】
立川はラグビー界では知られた四兄弟の末弟で、兄たちの影響で4歳から楕円球の道へ。天理高では花園に出場し、天理大では主将として2011年度の大学選手準優勝に大きく貢献した。日本人SOとしては身長180センチ、体重95キロと身体も強く、パス、ラン、キックと三拍子そろった逸材。2012年春、大学卒業後は兄・直道と同じクボタに入社すると同時に、ジョーンズHCに日本代表にも選出された。
「1年目は自分のことだけに精一杯という感じでしたが、2年目は少し余裕が出てきて成長できましたね」と本人も言うように、2年目(2013年)の6月、日本代表がウェールズ代表に初めて勝利した試合でも10番を背負い、見事に試合をコントロールした。さらに日本のシーズン終了後の2014年1月末から、スーパーラグビーのブランビーズ(オーストラリア)へ留学したものの、残念ながら公式戦に出場することはかなわなかった。
「どうしたらいいか悩んだ時期もありました」
鋭いパス、身体の強さを生かしたランが持ち味 【斉藤健仁】
続くトップリーグでも、秋の日本代表の欧州遠征でも調子をあまり取り戻すことができず、結局、立川は、今シーズンはスーパーラグビーでプレーする話には到らなかった。「僕からも聞かなかったですし、エディーさんにも言われませんでしたね(苦笑)。今年はたくさんの選手がスーパーラグビーに挑戦し、うれしい反面、悔しい気持ちはあります……。ただ、オフの間は自分の時間にしたかったです」(立川)