【UFC】クレイグ・ピリジャンが2025年のUFC殿堂入りへ

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UFCは、エミー賞を受賞したプロデューサーであり、リアリティ番組の先駆者として知られるクレイグ・ピリジャンが、2025年のUFC殿堂で貢献者部門に選出されたと発表した。殿堂入りセレモニーは今年の夏にラスベガスで開催され、『UFC FIGHT PASS(UFCファイトパス)』でライブ配信される予定だ。

UFCの社長兼CEOを務めるデイナ・ホワイトは、次のようにコメントしている。

「クレイグ・ピリジャンはテレビ業界の歴史の中で最も影響力があり、尊敬されるエグゼクティブの1人だ。彼は“The Ultimate Fighter(ジ・アルティメット・ファイター)”をスポーツ界における最も重要なリアリティ番組のひとつに成長させ、UFCを世界的な現象へと導く上で欠かせない存在だった。この夏、彼をUFC殿堂に迎え入れることができるのは大変名誉なことだ」

ミシガン州デトロイト出身のピリジャンは、ラスベガスにある『ABC』系列局『KTNV』でニュースのアサインメントエディターとしてテレビ業界でのキャリアをスタートさせた。1990年代初頭には、“Emergency Call(エーマジェンシー・コール)”や“Real Stories of the Highway Patrol(リアル・ストーリーズ・オブ・ジ・ハイウェイ・パトロール)”の制作を通じて、急成長していた番組制作の分野に進出。1997年には、『Pilgrim Media Group(ピルグリム・メディア・グループ)』の前身となる『Pilgrim Films & Television(ピルグリム・フィルムズ&テレビジョン)』を設立し、のちに『CBS』を代表する競技シリーズとなる“Survivor(サバイバー)”に立上げ当初からエグゼクティブプロデューサーとして携わり、新たな境地を切り開いた。このシリーズで、2001年にプライムタイム・エミー賞のノンフィクション番組部門で受賞している。

2004年、ピリジャンはUFCのブランドを広めるためのリアリティ番組について、デイナ・ホワイトとUFC の元CEOであるロレンゾ・フェティータと会談した。この番組では、16人のアスリートがひとつ屋根の下で共同生活を送りながら、UFCとの1千万円単位の契約を懸けて競い合う内容が企画され、“The Ultimate Fighter(ジ・アルティメット・ファイター)” と名付けられることになった。

ピリジャンは、ホワイト、フェティータ、フランク・フェティータ3世とともに番組の共同クリエイターとして参加し、2005年1月17日に『Spike TV(スパイクTV)』で番組が初放送された。ピリジャンのピルグリム・メディア・グループが制作を手掛けた番組のオリジナル構成では、1つまたは2つの階級の選手がトーナメント形式で競い合い、後のイベントで2人のライバルコーチが指導する選手が対決するという形式を採用していた。

シーズン1のフィナーレは番組をグローバル規模の成功へと導き、UFCを世界中のファンに広める大きなきっかけとなった。このフィナーレでは、元UFCライトヘビー級王者フォレスト・グリフィンとステファン・ボナーによる歴史的な試合が繰り広げられた。このシリーズは今や象徴的なヒット作と認識されており、ホワイトをはじめとする多くの人々が、UFCのビジネスと総合格闘技というスポーツを復活させた重要な要因として評価している。

ジ・アルティメット・ファイター(TUF)は現在までにメインシリーズ32シーズン、国際版10シーズン、そして約500エピソードを放送してきた。この番組は熱狂的なファンから初心者まで幅広い層をUFCに引き込み、多くのファイターたちがUFC王者、挑戦者、スターとして活躍するための足掛かりとなった。番組を通じて飛躍した選手には、カマル・ウスマン、トニー・ファーガソン、T.J.ディラショー、ローズ・ナマユナス、マイケル・ビスピン、ネイト・ディアス、ラシャド・エバンス、そしてTUFシーズン22と31でコーチを務めたコナー・マクレガーなどがいる。

ピリジャンはキャリアを通じて140を超えるプロジェクトでプロデューサーを務め、CBS、ABC、Spike、『Lifetime(ライフタイム)』、『OWN』、『CMT』、『National Geographic Channel(ナショナル・ジオグラフィック・チャンネル)』、『Discovery(ディスカバリー)』など、幅広いネットワークで成功を収めたテレビシリーズに携わってきた。

ピリジャンは、カスタムバイク製作の世界を描いたリアリティシリーズ“American Chopper(アメリカン・チョッパー)”を制作・プロデュースしたほか、全米のさまざまな困難な職業を取り上げたエミー賞ノミネート作“Dirty Jobs(ダーティ・ジョブズ)”を手掛けたことで広く知られている。また、“Fast N’ Loud(ファスト&ラウド)”、デヴィッド・トゥテラ出演の“My Fair Wedding(マイ・フェア・ウェディング)”、“Wicked Tuna(ウィキッド・ツナ)”、“Street Outlaws(ストリート・アウトローズ)”、“Top Shot(トップ・ショット)”、“Ghost Hunters(ゴースト・ハンターズ)”、そして全米有色人種地位向上協議会(NAACP)のイメージ賞を受賞した “Welcome to Sweetie Pie’s(ウェルカム・トゥ・スウィーティー・パイズ)”など、数々のヒットシリーズを生み出してきた。

さらに、ピリジャンは受賞歴のあるドキュメンタリーシリーズや映画の制作、セレブリティによるトークショー、脚本作品、スポーツやeスポーツ関連のプロジェクトにも活動の幅を広げている。

2021年には、ピルグリム・メディア・グループのCEOを務めながら、『Lionsgate Nonfiction Television(ライオンズゲート・ノンフィクション・テレビジョン)』の社長に就任している。

最近では、2024年1月にライオンズゲートに新設されたオルタナティブ・テレビジョン部門のマネジングディレクターに就任。この部門では、ピルグリム・メディア・グループ、『eOne』、『Blackfin(ブラックフィン)』、『Renegade(レネゲード)』、『Daisybeck Studios(デイジーベック・スタジオ)』のリアリティ番組が統合されている。

2012年には『The Hollywood Reporter(ジ・ハリウッド・レポーター)』が選ぶ“最も影響力のある50人”において18位にランクインし、2015年には“Realscreen Hall of Fame(リアルスクリーン・ホール・オブ・フェイム)”に殿堂入り。さらに、2016年には『Broadcast & Cable Magazine(ブロードキャスト&ケーブル・マガジン)』から史上初の年間最優秀プロデューサー賞を受賞し、『Next TV Summit(ネクスト・TV・サミット)』から年間最優秀イノベーターに選ばれた。ピリジャンは現在カリフォルニア州で妻ルシンダとともに暮らしている。
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