意味不明、4月の皐月◎ドゥラメンテ=乗峯栄一の「競馬巴投げ!第96回」

乗峯栄一

ホースマンホースマン……訳が分からない

[写真5]関東馬ブライトエンブレムは弥生賞2着だったが、その末脚は見事だった 【写真:乗峯栄一】

「意味不明は社会変革のキッカケ」という我が理論から言って、どうしてもやって欲しいことがある。これは機会あるごとに言ってきたが、“ホースマン”という言葉がある。馬に関わる誇り高き人間ということを意味する。しかし“マンホース”になると人間に関わる誇り高き馬ということになる。しかしマンホースマンならどうだ? 人間に関わる誇り高き馬に関わる誇り高き人間という意味になる。“誇り”だらけだ。

 競馬学校(騎手課程でも厩務員課程でも)の入学式では、校長はまず「諸君が目指しているのは(1)ホースマン(2)マンホー(3)ホースマンホース(4)マンホースマン、さて、このうちどれだ?」というクイズを出して欲しい。

 万が一そこで「校長、仰っている事が意味不明です」とツッコみが入ればシメたものだ。「そう、意味不明こそ、社会変革の第一歩だ。では(5)、(6)も付け加えよう」と校長は調子に乗る。

「(5)はもう、大体想像はついているだろうが、ホースマンホースマンとなる。馬に関わる誇り高き人間に関わる誇り高き馬に関わる誇り高き人間だ。もう“誇り”だらけだ、訳が分かりゃしない」

「(6)は当然、マンホースマンホースだ。人間に関わる誇り高き馬に関わる誇り高き人間に関わる誇り高き馬のことだ。どうだ、こうなるとワキャ分からんだろう、ウッハッハッハ」

 いまは、こういう意味不明の競馬学校校長の挨拶が求められている時代だ。

本命は内枠のドゥラメンテ!

[写真6]安定して力を発揮するタガノエスプレッソも侮れない 【写真:乗峯栄一】

 今週初めは珍しく仕事が重なって、トレセンさぼったのだが、「まあ、先週撮った皐月賞ゼッケンがたくさんあるから大丈夫だろう」などとタカをくくっていた。しかし何と15頭立てになってしまった。何ともったいない。これなら一勝馬でも、登録さえしていれば出られたってことじゃないか。

 それより何より、アダムスブリッジや、アンビシャスや、グァンチャーレや、シャイニングレイの写真が出せないということである。出走取りやめしたのが、また関西馬ばかりというのも不運だ。みんな、どうしたの?

 しかもリアルスティール、キタサンブラックという関西2本柱が撮れていない。申し訳ないです。てなことで、若干寂しい関西馬のストックの中から写真出します。

[写真1]は京成杯を勝ったベルーフ。スプリングS4着からの巻き返しを狙う。

[写真2]は京都2歳Sを勝ったベルラップ。先週のクルミナル同様、須貝厩舎の馬は走る。

[写真3]はここ3走逃げ切り勝ちを演じているスピリッツミノル。この馬が逃げることは確実だ。人気はないが、一発あるかも。

[写真4]は後ろ姿で恐縮だが、右前にいるのがクラリティスカイだ。いちょうSの脚は忘れられない。

[写真5]は関東馬ブライトエンブレムで、昨年暮れ朝日杯のために栗東滞在していたときのものだ。弥生賞の脚は見事だった。

[写真6]はタガノエスプレッソだが、この写真はずいぶん古い。昨年4月のもので、まだ緑ゼッケン(2歳9月まで着用)をしている。しかしずいぶん早くから入厩していたんだ。力は安定している。

 で、わが結論だが、写真とはまったく関係なくドゥラメンテからいきたい。サトノクラウン、リアルスティールという2強ももちろん強いが、ドゥラメンテは勝った2走が破格だった。共同通信杯はリアルに差されたが、あれは末脚の差というよりも、道中折り合いを欠いていたのが最大の理由だ。この馬、内枠の方がじっとしていられる。前に壁があるからだろうか。今回は内枠を引いた。デムーロ騎乗で道中じっとしているはずだ。

 ドゥラメンテ(2)の単。三単頭(2)ヒモにリアル(5)、サトノ(8)、ブライト(1)、ベルーフ(10)、ミュゼエイリアン(9)、キタサンブラック(7)の6頭、計30点でいく。

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著者プロフィール

 1955年岡山県生まれ。文筆業。92年「奈良林さんのアドバイス」で「小説新潮」新人賞佳作受賞。98年「なにわ忠臣蔵伝説」で朝日新人文学賞受賞。92年より大阪スポニチで競馬コラム連載中で、そのせいで折あらば栗東トレセンに出向いている。著書に「なにわ忠臣蔵伝説」(朝日出版社)「いつかバラの花咲く馬券を」(アールズ出版)等。ブログ「乗峯栄一のトレセン・リポート」

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