意味不明、4月の皐月◎ドゥラメンテ=乗峯栄一の「競馬巴投げ!第96回」
「火星から来た」は意味不明か?
[写真1]京成杯の勝ち馬ベルーフ、スプリングS4着から巻き返しへ 【写真:乗峯栄一】
「ただいまハイジャック犯が操縦室に乱入し“口向きが悪いんや、Dハミを使え”などと意味不明のことを叫んでいます」と乗務員が報告しても、もし乗客が競馬関係者の団体だったらどうだ。「いや、意味分かるよ」「私も分かる」「私も」と、ほとんどの人間が「意味分かる」の方に手を上げる。「“飛行機の座席は外枠絶対有利や。揉まれずに千歳まで行ける”などと意味不明のことを言っています」と報告しても「それも一理ある」と7割方は「意味分かる」の方に賛同する。
今回は思い出に残る“意味不明”文を取り出してみたい。
九死に猫を噛む
[写真2]須貝厩舎のベルラップ、桜花賞2着のクルミナルに続くか 【写真:乗峯栄一】
旅費が底をつき、サイコロを振る前に、ディレクターから「早希ちゃん、いよいよ背水の陣ですね?」と聞かれ、稲垣早希は「何ですか? それ」と聞き返す。さらに「あ、それって、ひょっとしてあれですか? 九死に猫を噛むってやつですか?」と続けた。
これは多分、「九死に一生を得る」と、「窮鼠(きゅうそ)猫を噛む」が一緒なったものだと思うが、「九死みたいな大変なときに猫噛んでてどうする!」とTVに向かってツッコンだ。
でも「九死に猫を噛む」はなかなか言えない。「面白いことを言ってやろう」と意図していては決して出ない言葉だ。ぼくなどもこういう言葉を考えたいと思うが、“考えよう”としては決して出てこない。記念碑的一文だ。