潮崎vs.諏訪魔は激闘30分ドロー=曙が宮原に敗北…秋山はドーリングに辛勝

高木裕美

両者の対決は2勝2敗2分の五分に

30分間の激闘でも決着がつかなかった三冠王者・潮崎と諏訪魔 【横田修平】

 全日本プロレス「2015チャンピオン・カーニバル」(CC)第2戦となる10日の東京・後楽園ホール大会では、公式戦3試合などが行われ、707人を動員した。

 メインイベントでは、Aブロック公式戦として現三冠ヘビー級王者の潮崎豪と諏訪魔が激突。30分時間切れで勝負がつかず。両者は2年前のCC公式戦で初対決し、時間切れ引き分け。最後の対戦となった昨年9月の王道トーナメント決勝戦では潮崎が勝利しているが、この日の結果で両者の対戦成績は2勝2敗2分の五分となった。

三冠王者・潮崎「巻き返すしかない」

開幕戦で1敗して後がない三冠王者・潮崎も必死に攻め立てるが…諏訪魔から3カウントを奪うまでいかなかった 【横田修平】

 すでに開幕戦で1敗して後がない潮崎は得意のチョップで攻め込むが、リベンジを狙う諏訪魔もダブルチョップで対抗。コブラツイストで締め上げ、投げっぱなしジャーマンで豪快に放り投げるも、ラストライドはことごとく阻止され不発。一方、潮崎はゴーフラッシャー2発をはね返され、必殺の豪腕ラリアットがうなりを上げる前に無情のゴングとなった。

 早くも失点3と厳しい状況の潮崎は「巻き返すしかない」と優勝の望みを捨てず。「あいつとはまだまだやるしかない」と諏訪魔とのライバルストーリー続行にも気合いを入れた。一方、諏訪魔は「久々に潮崎とやったけど、ギリギリの勝負だった」と激闘を振り返りつつ、「オレが優勝してEvolutionは新しいステップに進む」と、2008年以来となる7年ぶりVへ燃えた。

秋山、天王山に勝利にも笑顔なし

ドーリングとの天王山を紙一重の勝負で制した秋山 【横田修平】

 Bブロック公式戦となる秋山準vs.ジョー・ドーリングでは、キャリアで勝る秋山が、ドーリングのパワーをいなして辛勝した。ドーリングは長身を生かしたダイナミックなファイトで秋山を圧倒。見せ場を与えず、滞空式ブレーンバスター、パワーボムで攻め立て、レボリューションボムで一気にフィニッシュを狙うが、秋山が切り返すと、クロスボディーをかわして横入り式エビ固めで丸め込み、3カウントを奪取した。

 天王山を紙一重の勝負で制した秋山だが、笑顔はなく、 「力で押し込まれて、あれしかなかった」と厳しい表情のまま。「体が動いていない。この状態で改善がなければ、トップ戦線から下りないといけない」と、自分自身のふがいなさにダメ出しをした。

曙、CC優勝へ「まだ頑張る」

終始試合を優勢に進めながら、最後は宮原のスネークリミットでタップした曙 【横田修平】

 元大相撲第64代横綱の曙は、宮原健斗に痛恨の初黒星を献上し、公式戦1勝1敗となった。両者は昨年3.18後楽園で三冠王座を賭けて対戦し、わずか10分足らずで曙が勝利。この日も曙は巨体を武器に大暴れするが、場外での鉄柱ラリアットがかわされ、右腕を鉄柱に痛打。そのため、必殺のヨコヅナインパクトを持ち上げられず、攻めあぐねていたところを、宮原がスネークリミットで捕獲。曙をタップさせた。

「根に持っていた」という1年前の借りを返した宮原は「本気で優勝する。チャンピオン・カーニバルのてっぺんという称号をいただいて、この全日本の顔になる!」と力強く宣言した。終始試合を優勢に進めながら黒星となった曙は「参った。結果は結果。リーグ戦だから、最後まで戦い抜かなければならない」と、腕を守るためにタップという手段を選んだことをサバサバと振り返りつつ、「まだ頑張る。弱ってないですよ」と、昨年は無念のリタイアとなったCC優勝への執念をのぞかせた。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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