事故、契約問題…ドタバタのF1開幕 アロンソ欠くマクラーレンの希望は?

田口浩次

ザウバーで驚きの契約トラブル

開幕を前に、昨季王者のハミルトン(右)とベッテル(左)が談笑。注目の新シーズンがいよいよ始まる 【Getty Images】

 いよいよ、F1の2015年シーズンがスタートする。毎年ながら、開幕戦はドタバタしていることが多い。

 古い話を持ち出せば、11年のミナルディ(現トロロッソ)はテストで一切走らせることなく、直前にマシン発表会を行って、そのまま開幕戦のオーストラリアGPを迎えたことがあった(当時のドライバーはF1デビューを果たしたしたフェルナンド・アロンソ)。それ以前では、プライベートで街中を走っていたジャン・アレジがスピード違反で警官に止められ、パドックの話題をさらったことがあったりと、何かとニュースが飛び交うものだ。

 今年も例外ではない。ザウバーから突然、15年シーズンの契約解除を通告されたギド・ヴァン・デル・ガルデがチームを告訴。その結果、オーストラリア・ビクトリア州最高裁判所はヴァン・デル・ガルデの訴えを認め、ザウバーに対して、オーストラリアGPだけでなく、15年シーズンの契約を有効とする判決を下した。これをそのまま受け入れた場合、現在契約を結んでいるマーカス・エリクソンか、フェリペ・ナスルとの契約不履行になってしまい、新たな契約トラブルを生むことは間違いない。

 その後、ザウバーは判決を不服として上告するという、近年まれに見る話題を提供している。ザウバーの代表であるモニシャ・カルテンボーンは、企業間取引の弁護士を務めていた人物だけに、今回のニュースは関係者の間で驚きを持って受け止められている。

市場価値トップはアロンソだが……

 しかし、今シーズン一番の注目はなんといっても、マクラーレン・ホンダの復活だ。だが、残念なことにバルセロナテストでクラッシュしたエースドライバー、アロンソの欠場が決定している。ザウバーの契約問題と並び、一連のニュースは陽気なものではない。

 ちなみに、世界的なマーケティング調査会社REPUCOMは、F1で最も市場価値の高いドライバー10人を発表。そのトップにはスコア89.66でアロンソが輝いた。この調査会社によると、スコアは『好感度』『憧れ』『認知度』『画期性』『共感度』『影響力』『トレンドセッター性』『信頼感』という8つの要素から計算するという。

 トップ10は1位フェルナンド・アロンソ、2位フェリペ・マッサ、3位セバスチャン・ベッテル、4位ルイス・ハミルトン、5位ジェンソン・バトン、6位ニコ・ロズベルグ、7位ダニエル・リカルド、8位ロマン・グロージャン、9位マックス・フェルスタッペン、10位セルジオ・ペレスとなっている。ワールドチャンピオン経験者でフェラーリのキミ・ライコネンが入っていないことや、認知度だけなら1位アロンソの98.4%より、2位マッサの99.2%の方が高いなど、一部に不思議な結果はあるものの、トップ6に関してはおおむね異論のない中身となっている。

 このように悲喜こもごものニュースが飛び交っても、メディアの注目がF1に集中してくると、いよいよシーズンが開幕するのだとワクワク感が湧いてくる。

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