タイリーグに“日本人監督ブーム”が到来 三浦泰年監督「ポジティブな情報を発信」

本多辰成

今季は7人の日本人監督が存在

今季のタイリーグには日本人監督が7人存在。“日本人監督ブーム”が到来している 【写真:ロイター/アフロ】

 ここ数年で、世界で最も多くの日本人がプレーする海外リーグとなったタイ・プレミアリーグ。昨季は計60名以上もの日本人選手がプレーしており、今季は外国人枠が「7」から「5」へと削減された影響でその数は減ったものの、約50名を数える。

 そんな日本人選手のタイリーグへの進出は日本でも周知のこととなったが、今季はまた新たな展開が生じている。今季、本格的に火がついた“日本人監督ブーム”だ。

 タイリーグのナコンラーチャシーマーFCを率いる神戸清雄監督を筆頭に、2部リーグに当たるディビジョン1ではチェンマイFC・三浦泰年監督、アユタヤFC・副島博志監督、ソンクラー・ユナイテッド・林雅人監督、BB−CU FC・高野剛監督、アントーンFC・行徳浩二監督、タイ・ホンダFC・滝雅美監督と、今季のタイリーグには実に7名もの日本人監督が存在する。

 アジアのリーグで日本人が監督を務めた事例といえば中国・杭州緑城を率いた岡田武史が真っ先に浮かぶが、一つのリーグにこれほど多くの日本人監督が同時に存在する状況は初めてのことだろう。

 アジア進出を掲げるJリーグと日本サッカー界にとっても、一つの重要な変化点と思えるタイリーグの“日本人監督ブーム”。背景にはもともとこの地に根付いている日本への好感と日本サッカーへのリスペクト、そして昨季タイで指揮を取った日本人監督たちの残した実績がある。

日本への好感と実績が生んだ“ブーム”

 タイリーグにおける日本人監督の人気は今季、突如として生まれたわけではない。一昨シーズン途中に当時ディビジョン1だったナコンラーチャシーマーFCに神戸監督が就任したのを皮切りに、昨季の時点でもすでに計5名の日本人が監督を務めていた。昨季、彼らがそれぞれに結果を残したことで、日本人監督人気が加速した。

 昨季、1部のクラブとしては初の日本人監督となった和田昌裕監督(現・京都サンガF.C.監督)が率いるチョンブリFCが、タイ王者であるブリーラム・ユナイテッドFCと最終節までもつれるし烈な優勝争いを演じたのをはじめ、前述のナコンラーチャシーマーFC・神戸監督はディビジョン1優勝を果たしてクラブ史上初の1部昇格を達成した。

 また、今季はディビジョン1で戦うタイ・ホンダFCの滝監督も自らの手でディビジョン2からの昇格を果たしており、昨季途中からアユタヤFC(ディビジョン1)を率いた杉山弘一監督(現・柏レイソルコーチ)も就任後すぐにチームを上昇気流に乗せて高い評価を得た。

 さらには、ディビジョン2で指揮を取った丸山良明監督(現・セレッソ大阪U−18コーチ)も、率いたランシットFCが1部に所属するバンコク・グラスFC傘下のクラブであったため、勝利と育成の両立を求められるという難しい状況の下、6選手をトップに送り出すなど役割を全うした。

 もともとサッカーに限らず日本人に対しては「規律がある」「時間を守る」といった好印象が定着しているなか、実際に日本人監督たちがチームの規律面を改善させながら結果を残したことで日本人指揮官を求めるクラブが急増。なかでもナコンラーチャシーマーFCを1部に導いた神戸監督のインパクトは強かったようで、ディビジョン1には一気に6人の日本人監督が生まれる結果となった。

 その中の1人で、今季からチェンマイFCの指揮官に就任した三浦監督に、タイ人選手についての話を聞いてみた。

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著者プロフィール

1979年生まれ。静岡県浜松市出身。出版社勤務を経て、2011年に独立。2017年までの6年間はバンコクを拠点に取材活動を行っていた。その後、日本に拠点を移してライター・編集者として活動、現在もタイを中心とするアジアでの取材活動を続けている。タイサッカー専門のウェブマガジン「フットボールタイランド」を配信中。

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