NOMANが盟友対決制す!尾崎が引退式=1.4Krush昼夜興行リポート

長谷川亮

普段は練習をともにする間柄

練習をする間柄というNOMANと寺崎。判定でNOMANに軍配が上がり、寺崎は拳を上げて祝福した 【花田裕次郎】

 Krush2015年の開幕戦であり昼大会として行われた「Krush.49」に続き、夜大会として「Krush.50」が4日、こちらも同じく東京・後楽園ホールで開催された。

「Krush.50」のメインイベントであるだけでなく、昼大会も合わせたKrush1・4(イッテンヨン)の締めとして据えられたのは−65kg級タイトルマッチ。昨年7月にHIROYAを初回KOに降し王者となった寺崎直樹が、挑戦者NOMANを迎え撃った。

 両者は過去2回対戦があるだけでなく(NOMANの2戦2勝)、普段は練習をともにする間柄。まさに戦いを通じ友情を深めた2人であるが、手の内が分かっており認め合っているからこそ思い切り行けるのか、序盤ローでの探り合いを終えると、早々に激しい打ち合いへと移行する(1R)。

NOMAN、僅差判定で初戴冠

左フックを当てて試合のリズムを作ったNOMAN 【花田裕次郎】

 この試合、NOMANは左フックをよく当てて効かし、寺崎がHIROYAを沈めた右ストレートを入れ迫っても、打ち合いの中でこの左フックを寺崎に見舞い、流れを自らに引き戻す。

 2Rを優位に進めたNOMANに対し、寺崎は右ストレートを中心にパンチの打ち合いでは上回り、最終3Rに攻勢を仕掛ける。しかしNOMANは打つことだけに没頭せずダッキングやステップで寺崎の拳を外し、距離を作って左右ミドル、寺崎のプレスを横にかわしてパンチをリターンと、挽回に来た王者の猛攻に対し五分に展開する。

 結果、ここで押し切らせなかったのが功を奏し、判定は29−29、30−29、30−29の2−0でNOMAN。僅差であったが盟友対決を制し、プロ生活の悲願であった王座戴冠を遂に果たした。

41歳・大月、5度のダウン合戦制す

41歳のベテラン大月は若手ペタス相手に堂々の打ち合い。両者5度にわたるダウン合戦を制した 【花田裕次郎】

 また、この日の第5試合では左膝の負傷で11月のタイトルマッチを欠場、Krush−60kg級王座を返上した大月晴明が復帰。若手の中で実力を認めるレオナ・ぺタスと対戦し、両者合わせて5回のダウンという“まさにKrush”というべき倒し合いを繰り広げたのち、1Rに1度、3Rに2度ダウンを奪った大月が判定勝ち(レオナは2Rに2度ダウンを奪取)。試合後「41歳の意地があって負けられないので、最後打ち合いました」とマイクで話すと、場内からは年齢に対する驚きと、戦いぶりを称賛する拍手が巻き起こった。

 山内佑太郎と山崎陽一が対戦したセミファイナルの第3代Krush−70kg級王座決定トーナメント1回戦は山崎が3RKO勝ち。こちらも山崎が先制ダウンを奪取するも、山内が打ち合いからカウンターでダウンを獲り返す激戦に(ダウンはともに2R)。3Rは山崎が出れば山内が押し返す一進一退となるが、打ち合いのさなか、山崎の右フックが打ち抜き山内がダウン。山内を深く沈めるこの一撃で山崎が勝者となり、4月12日に行われる王座決定戦への進出を決めた。

夜の部「Krush50」結果

 そのほか、大会の試合結果は以下の通り。

■「Krush.50」
1月4日(日)東京・後楽園ホール

<第7試合 メインイベント Krush −65kg級タイトルマッチ 3分3R延長1R>
○NOMAN(DTS GYM/挑戦者)
(判定2−0)
●寺崎直樹(Booch Beat/王者)
※30−29、29−29、30−29
※NOMANが第3代王座に輝く

<第6試合 セミファイナル 第3代Krush −70kg級王座決定トーナメント1回戦 3分3R延長1R>
○山崎陽一(シルバーウルフ)
(3R2分45秒 KO)
●山内佑太郎(HALEO TOP TEAM/元WBCムエタイ日本スーパーウェルター級王者)
※山崎が決勝戦に進出

<第5試合 −61.5kg契約 3分3R延長1R>
○大月晴明(キック スターズ マスクマン/第3代Krush−60kg級王者)
(判定3−0)
●レオナ・ペタス(バンゲリングベイ・スピリット)
※三者27−25

<第4試合 Krush −55kg Fight 3分3R>
○Kazyosi(シルバーウルフ)
(1R0分32秒 KO)
●大高瑞基(TEN CLOVER GYM)

<第3試合 Krush −65kg Fight 3分3R>
○和氣光春(TANG TANG Fight CLUB)
(3R2分18秒 KO)
●原哲夫(T−KIX GYM)

<第2試合 女子 −56kg契約 2分3R>
○小澤聡子(チームドラゴン)
(判定2−0)
●森田和美(勇心館)
※29−29、30−29、30−28

<第1試合 −59kg契約 3分3R>
○工藤卓也(ブライトネス門馬道場)
(判定3−0)
●宮地謙太朗(GET OVER)
※28−25、27−25、28−25

<次ページは昼の部「Krush.49」>

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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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