NOMANが盟友対決制す!尾崎が引退式=1.4Krush昼夜興行リポート

長谷川亮

昼の部はチームドラゴン祭り

試合経験豊富なベテラン堤をKOした渡部。Krush−67kg級王者・牧平への挑戦を口にした 【花田裕次郎】

 Krush2015年の開幕戦となる「Krush.49」が4日、東京・後楽園ホールで開催された。今大会では全8試合(オープニングファイト1試合含む)の赤コーナー全てにチームドラゴンの選手が入り、さながら“チームドラゴン祭り”というべき趣きの大会となった。

 メインでは−67kg Fightで、すでに30戦のキャリア(15勝9敗6分・3KO)を持つベテラン・堤大輔(チームドラゴン)と、昨年10月に4年9カ月ぶりのKrush復帰を果たした元WPMF日本ウェルター級王者・渡部太基(藤原ジム)が対戦。

KOの渡部は王座戦へ名乗り

激闘の中、3Rに左ストレートでKO勝ちした渡部 【花田裕次郎】

 ともにサウスポーの両者は、渡部がパンチから思い切りよい左ローで追うが、堤はリングを左回りしてコンパクトなジャブとカウンターの左ストレート、さらに前へ出てのヒザ蹴りで応戦する。試合は一進一退の様相となるが、左ストレートでとらえて効かせた渡部は、そこから左ストレートと左クロスをさらに連打し、2Rに2度のダウンを与える。

 このままフィニッシュせんと3Rも向かった渡部だが、堤は力のこもった渡部のパンチを空振りさせ、逆に右ジャブ、左ストレート、ロー、腹へのヒザと反撃に出て渡部を劣勢に追い込む。だが、決定的な攻撃は当てさせずにこの場面をしのいだ渡部は右フック→左ストレートとつなぎ、最後は再び左ストレートで打ち抜き堤をノックアウト。まだ復帰第2戦であるものの、今回も“Krushの激闘王”と命名したくなる勝ちぶりで、Krush−67kg級王者である牧平圭太への挑戦を打ち上げた。

尾崎「Krushへ選手送り込む」

チームドラゴン創設期からチームを引っ張ってきた尾崎圭司の引退セレモニーが実施された 【花田裕次郎】

 また、全8試合で6勝2敗とチームドラゴンが大幅に勝ち越した今大会の中盤では、創設期からチームを引っ張ってきた尾崎圭司の引退セレモニーを実施。すでに昨年現役ラストファイトを終えている尾崎は花束を贈られ、自身が代表を務めるK−1ジム横浜からKrushへ選手を送り込むことを誓い、リングを後にした。

尾崎の挨拶
「チームドラゴン、尾崎圭司、ここで引退します。今までKrushの皆様にはプロで本当に支えていただき、辛いこともうれしいこともいろいろありましたが、全てが自分の成長につながり今後の人生にプラスとなっております。ここまでKrushで盛り上がってこれたのはみなさまの応援のおかげです。本当にありがとうございました。トルネードクラッシャーとして14年間頑張ってこれましたが、今は運よくK−1ジム横浜を出すことができました。このKrushにいただいた御恩を返すのはK−1ジム横浜でKrushやプロのリングでトルネードクラッシャージュニアたちをたくさん育て、ジムの代表としてリングに帰ってきて、このリングで大暴れして盛り上げることが最大の恩返しだと思います。引退してもジムの代表としてKrushのリングに戻ってきたいと思いますので、応援のほどよろしくお願いします」

昼の部「Krush49」結果

 そのほか、大会の全試合結果は以下の通り。

■「Krush.49」
1月4日(日)東京・後楽園ホール

<第7試合 メインイベント Krush −67kg Fight 3分3R延長1R>
○渡部太基(藤原ジム/元WPMF日本ウェルター級王者)
(3R2分47秒 KO)
●堤大輔(チームドラゴン/元全日本ウェルター級2位)

<第6試合 セミファイナル Krush −63kg Fight 3分3R延長1R>
○岩下隆樹(朝久道場)
(判定3−0)
●佐々木大蔵(チームドラゴン)
※3者29−28

<第5試合 Krush −55kg Fight 3分3R延長1R>
伊澤波人(チームドラゴン/英雄伝説世界−57kg級王者)
(延長判定3−0)
●朝久泰央(朝久道場)
※3者10−9
※本戦は3者29−29でドロー

<第4試合 Krush −55kg Fight 3分3R>
○佐野天馬(チームドラゴン)
(判定2−0)
●武居由樹(POWER OF DREAM)
※29−28、29−29、29−28

<第3試合 Krush −55kg Fight 3分3R>
○西京春馬(チームドラゴン)
(1R0分07秒 KO)
●良輝(晴山塾)

<第2試合 Krush −58kg Fight 3分3R>
○翔也(チームドラゴン)
(3R2分50秒 KO)
●朝久裕貴(朝久道場)

<第1試合 Krush −58kg Fight 3分3R>
○大岩龍矢(チームドラゴン)
(判定2−0)
●倉崎昌史(GET OVER)
※29−29、30−28、30−28

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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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