梅野副会長「FIBA中心に進めていく」=緊急理事会後、JBA会見

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梅野「選手には本当に申し訳ないということしかない」

――JBAとして日本バスケ界の今後の目標をどう考えるのか?

梅野 (FIBAが提示した)課題にもありました通り、競技力を高めなければいけません。ジュニア層からの教育、一貫した指導などで競技力を高めていく。強いチームでなければ魅力はありませんから、競技力を高めていく、ということです。

 バスケットを見ていただく方がいらっしゃるわけで、楽しんでいただけるようなレベルの高いバスケットをする。それから、それに伴う事業性の問題です。日本は事業性がないとバウマンは言っています。

 競技力は男子が特に低いわけで、(バウマンは)「何も強くなってないじゃないか?」「ジュニアの強化はどうなっているんだと?」と言っていました。

――改めて選手に伝えたいことは? また、その中で女子選手に伝えたい想いがあれば教えてほしい。

梅野 男女両方とも本当に申し訳ないと。年齢層もいろいろありますし、小さい子どもたちの夢と希望を閉ざしてしまう。これは非常に申し訳ないことです。

 それから今、全日本でやっている選手、それに近い選手、近々に目指している選手には、こういう事態を引き起こしてしまって、本当に申し訳ないということしかないです。早く解除に向けて、総力をあげてやるしかない――。それだけです。

丸尾 制裁が起きた段階でも、そういうコメントをさせていただいたと思いますが、重く受け止めております。何よりも選手が一番かわいそうで、お詫びの気持ちでいっぱいです。タスクフォースが来日して、一緒にやろうということを言っていただいているので、リオ五輪予選を一つのターゲットにして進めていきたい。タスクフォースはドイツの会長(ワイズ氏)が中心になってやるということですが、彼も「何としても6カ月で片づけようよ」という意気込みをお話いただいています。一緒になってそこは解決していきたいと思っています。

――選手に求めることはあるか?

丸尾 選手に求めるというのは……。私どもが言うとおこがましい気持ちにはなりますけれど、モチベーションが下がることがないようにしていただきたい。我々も全力を尽くして頑張るので、というメッセージをNBLの試合を観に行った時に会った選手に話しています。一生懸命やろうという気持ちは選手にもありますので、モチベーションを下げずに持ち続けて、この半年頑張ってほしいなと思います。

――バウマンは企業チームが「あってもいい」と言っていた。プロ化が必要と言っているJBAとは食い違いがあるのでは?

丸尾 「プロを作れ」というのはFIBAが言っている話ではありません。我々が強化の一環として、プロリーグを作ろうという意思表示をしたということです。ですからそれに向かって協会はやっています。

 それではなぜプロなんだと、それから企業チームの差みたいな話ですよね。企業の良い所と、bjのようなプロの良い所を見た場合、プロの場合はビジネスであり興行としてお客さんを呼んで楽しませる、そういう観点が強い。一方で企業チームがお客さん抜きにして、誰もお客さんのいない中でゲームをやっていればいい、自分たちの予算でやっていればいい、というのは何の発展性もないし、強化につながらない。

 そういう意味でビジネス的なものをやる、お客さんを呼べるということを、企業としてもやっていかなければいけない、という所はギャップがあり、歩み寄りをしなければいけない部分です。資金的に見れば確かに企業の方があるわけです。資金をバスケットボールに投入してくれているわけです。そういうものを排除する必要はまったくない。せっかくこれだけのことをやってくれるのだから。そういう良いところを持ち寄って、一つのリーグにするべきだというのが、FIBAの考え方です。当然私どもも、もともとそう思っていました。そういうことを進めている中で、時間切れが来てしまいました。

梅野「選手たちの意見も聞いてやっていかなければならない」

――FIBAからの制裁内容の中には男子だけでなく女子チームに関する指摘もあるが、女子の強化についてはどういう問題があると把握しているのか?

梅野 今まで女子はアジアで優勝してOKだ、という話が伝わってきました。なぜそういう話が出てきたんだと思ったら、アジアの優勝チームでありながら、(14年秋に)トルコで行われた世界選手権の戦いぶりがふがいなかったということでした。バウマンに自分が確認したわけではありませんが、FIBAの人間に聞いたら、点差も開いたし内容も良くなかったようです。「強化策を提示しなさい」というような話になったということです。これは男子もそうです。ただ女子はやはり期待が大きいんです。アジアの優勝チームですから。

――タスクフォースにbjリーグ側の人間は加わるのか?

梅野 まったく分かりません。知らされておりません。

――タスクフォースに任せるだけでなく、選手とともに同時進行で同じようなことを考え、提案をする考えはないのか?

梅野 そういうことは当然、検討しなければならないと思います。バウマンは4人くらいの選手とも話し合いをしたようです。これから先、選手会がどういう組織になっているのかよく分かりませんけれど、選手たちの意見も聞いてやっていかなければならないと思っています。

司会者 最後に梅野副会長から一言

梅野 バウマンはいろいろな人と会って、みんなからバスケットを救う、バスケットのために働きたいということを言われたと言っておりました。どうか皆さま方のお力添えをいただいて、処分が早く解除されて、選手たちがリオ五輪やその次を狙えるように、僕らも一生懸命やっていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

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