あらためて知る日本バスケ界の現状と問題 求められる改革の実行と徹底した情報公開
日本バスケ界はどうなっているのか。リーグ統一に向けた現状と問題をまとめた 【スポーツナビ】
細かな話を言えば、状況は日々刻々と変化しているのだが、11月10日時点での状況を言えば、冒頭のようになる。しかし、12日には日本バスケットボール協会(JBA)の理事会が予定されており、そこで、また新たな動きが見られるかもしれない。
スポーツナビ編集部から、現在の日本バスケットボール界における問題をまとめてほしいとの依頼を受けた。私は月刊バスケットボール誌上で、毎月のようにこの問題を取り上げてきているが、あらためて、より多くのスポーツ・ファン、バスケットボール・ファンに伝えてほしいとのことで、私にできることであればと寄稿させていただくことになった。
FIBAが改善を求める3つの問題点
結果からいえば、この期日までに問題解決の道筋をまとめられないとした深津泰彦JBA会長が10月23日に辞任、状況は混迷を深めている。深津元会長は、今般の日本バスケットボール界の危機に当たり、実に粘り強く対応されてきたと思っている。深津氏の尽力なしに、JBA、NBL、bjリーグの3者が同じテーブルで話し合いを行うことも実現しなかったのではないかと思うと、その結果を見ずにしての退任は残念でならない。裏返せば、それだけ現状は厳しい局面にあったということだろう。
FIBAから指摘されていた3つのJBAの問題点で、最も象徴的、かつ具体性のある対応が求められているのがトップリーグの統一問題である。つまり、トップリーグが2リーグに分かれていることこそ、JBAのガバナンスの欠如の証拠というわけである。それ以外に指摘されていることは、改善が求められる努力目標であり、それが達成できないからといって、ペナルティーの対象になる問題ではない。
「新リーグ組織委員会」の活動内容
参加メンバーは口々にその会議での内容の充実を語っていた。「とてもいい話し合いができています。それぞれの立場もありながら、それを超えて、最終的に何が必要か、何が大切かといったことを真剣に議論しています。あとは、多くのチームの賛同、共感を得られるかどうかですね」と話してくれたのは琉球ゴールデンキングスの木村代表であり、深津元会長、河内コミッショナーらからも異口同音の感想を聞いている。
そうした会議を重ね、新リーグ組織委員会によって草案が作られた。そこにはリーグの理念・ビジョンといったことに始まり、運営組織は一般社団法人となること、新リーグは当初1リーグでスタートし、後に階層化することなどが盛り込まれたという。そうした草案をもとに、NBL、bjリーグそれぞれに参加するチームに対し説明が行われていく過程において、いくつかの問題点が出てきており、それが煮詰め切れていないのが現段階である。