マブスが富樫勇樹と契約した理由 真の“NBA選手”となるまでの険しい道
レジェンズでプレーするメリットとは?
富樫の主戦場はしばらくDリーグのレジェンズとなりそうだ。 【写真:アフロスポーツ/bj-league】
マブスにとって、提携しているレジェンズに選手を送るメリットはいくつかある。マブスの本拠地とレジェンズの本拠地の距離は40キロ弱と近く、いつでも試合を見ることができるのに加え、単独提携をしているため、コーチ陣をマブスで選び、自分たちと同じオフェンスやディフェンスのシステムで戦うことができる。つまり、自分たちのシステムに合う選手を見極めやすくなり、マブスにコールアップすることになった場合も、新たにシステムを学ぶことなく、スムーズに移行することができるというわけだ。
167センチでもやれることを示せるか
幸い、レジェンズの球団社長は、彼自身、富樫と同じ登録身長でNBAに14シーズン所属したスパッド・ウェブ。ネルソンGMによると、ウェブはレジェンズの試合にはいつもいるという。同じ身長でもNBAでやれるというお手本が身近にいるということは、富樫にとっては最高のインスピレーションとなりそうだ。
何にしても富樫のNBAへの挑戦はまだ始まったばかり。この先の道は険しく、多くの障害を乗り越える必要があるだろう。「NBAでプレーすることは簡単なことではない」と言い続けている富樫だけにそのことは十分に分かっているようだ。厳しさを理解した上で、それでも夢に向かって大きな一歩を踏み出した。