閉塞気味のキックボクシング界に新展開!?=新星・中国の台頭で大きな可能性
中国本土からオランダへ初のキック遠征
香港ではなく、本土の中国人キックボクサーがキックボクシングの本場であるオランダへ初めて遠征し、対抗戦を行った 【遠藤文康】
そのメジロジム会長アンドレ・マナートがオランダvs中国の対抗戦を開催した。香港中国人ではなく本土中国人がオランダで遠征試合をするのは初めてのことである。それも9人である。これは快挙である。中国には散打や少林寺などの打撃競技があるが今回のメンバーは少林寺のある河南州鄭州市からの一行。9選手以外にも映像撮影スタッフや写真カメラマンそれにリングアナとレフェリーとコーチと通訳など総勢25名でのオランダ入りだった。通訳兼世話役のスン・フェン氏は、「オランダ入国に中国人はビザが必要です。メジロから招聘状や書類を送って貰い全員のビザを取得しました。難しくはないですが面倒でした」と笑った。
新興国・中国がオランダ相手にほぼ五分の戦績
気持ちが強く、太ももを鍛え上げた中国人にオランダ人のローキックもなかなか効果を発揮しなかった 【遠藤文康】
「中国独自の打撃競技はありますが本格的キックボクシングはまだまだです。きちんとした技術を磨くためには本格的コーチに学ばなければなりません。キックはやはりオランダです。ですから年頭にメジロジムに連絡を取りマナート会長にわざわざ中国まで来て頂きセミナーを受けました。その後もメジロから別のコーチも二度指導に訪れてくれました。これらの指導で選手たちはキックの練習方法を学び急激に上達しました」
軽量級から重量級までの9対9マッチの結果は5対4でオランダの勝利となったものの、キック新興国の中国選手がオランダを相手にほぼ五分の戦績という事実は途方もなく素晴らしいものだし、間違いなく近い将来にこのキックボクシング界に中国が台頭してくるであろう兆しがありありと垣間見えた。
選手は全員一様に太股をかなり鍛え上げておりオランダ人のローキックが効かない。そして散打的動きのサイドキックを要所要所の場面で色濃く出してくる。中には右ローを当てたまま足を戻さず左ハイを繰り出すというカンフー映画の動きを繰り出す選手もいる。何より印象的なのは気持ちが強いこと。最後まで前に出て全く臆する様子がなくやられたらやり返す姿勢はまるでタイ人のよう。
蘭、中、英、日で新たなな潮流が生まれるか!?
中国のキックボクシング連盟WLFゴー・チェンドン会長(左)とメジロジムのアンドレ・マーナート。キック界に新しい潮流が生まれるか 【遠藤文康】
「中国とメジロとイギリスISKAがネットワークになった。面白いことにいいタイミングで日本の小林聡からもコンタクトがきた。小林はメジロで長く練習した選手だ。日本と新たな連携が生まれると思う。世界のキック界はこの20年で随分と動きがあった。K−1が誕生し、そして消滅した。ショウタイムも誕生し同じく消滅した。大きな名前は消えてしまった。グローリーが誕生したがアメリカ中心のようだ。何となくキック界が閉塞気味なのでオランダから新しい流れを作りたい。中国は大きな可能性に溢れていると思う」とマナートは語った。会場を訪れたISKAポール・ヘネシー会長とは正式に提携した。
オランダ・中国・イギリス・日本。大きなつながりがこれから確固となって新たなキックの潮流が生まれることに強く期待したい。中国はキック界のまさに新星である。
中国人女子キックボクサーも来蘭。豆タンクのような身体から散打的サイドキックで勝利を挙げた 【遠藤文康】
<75kg 3分3R K1ルール>
○スン・ウェイギャン
(判定)
●フェランド・シンガ
<78kg 3分3R K1ルール>
○リュ・ダチェング
(1R0分40秒 KO)
●メメト・アルスラン
<56kg 3分3R K1ルール>
○ゴン・ヤリン
(判定)
●チャイマー・ベラクハル
<60kg 3分3R K1ルール>
○イリアス・エナハチ
(延長判定)
●ワン・ウェイフェン
<70kg 3分3R K1ルール>
○マルセル・フェルハール
(判定)
フ・ヤフェイ
<74kg 3分3R K1ルール>
○ブルーノ・カバルホ
(判定)
●チェン・チャオユー
<65kg 3分3R K1ルール>
○ウェイ・ルイ
(2R1分10秒 TKO)
●アブデル・エナハチ
<65kg 3分3R K1ルール>
○ラフィク・カッシ
(判定)
●ワン・ペンフェイ
<87 3分3R K1ルール>
○サミール・ブキドフ
(1R0分15秒 KO)
●ジア・ミンチェン
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