ほんの数メートル先では、華麗なボールさばきを見せる選手が素早いフットワークでコートを躍動している。１９０センチ、中には２００センチ以上の長身選手たちが激しいぶつかり合いによる肉弾戦を繰り広げる。１７０センチ台の選手たちが、自分より２０センチ、３０センチも背の高い選手たちに真っ向勝負を挑んでシュートを決める。他の競技ではなかなか味わえない臨場感がそこにはある。そんな上質のスポーツエンターテイメントの空間を無料で体験できるのが、３人制のバスケットボールである３ｘ３の国内最高峰リーグ『３ｘ３ ＰＲＥＭＩＥＲ．ＥＸＥ』だ。

　チームスポーツではサッカーについで世界規模で幅広い人気を誇っているのがバスケットボールだ。バスケといえば、室内で行われる５対５の競技が一般的ではあるが、ここ数年盛り上がりを見せているのが３対３で行う３ｘ３だ。国際バスケットボール連盟（ＦＩＢＡ）は、２０２０年東京五輪での正式種目採用を推進。そしてＦＩＢＡ主催のワールドツアーも世界各地で行われている。

　今年の夏からスタートした３ｘ３ ＰＲＥＭＩＥＲ．ＥＸＥは、現役のプロバスケットボール選手、この３ｘ３から５人制の舞台へとステップアップを目指す者、普段はビジネスパーソンとして活躍する二足のわらじを履き、プロ選手を撃破する下克上を目指す者など、さまざまな経歴を持った選手で構成されている。

　すべての選手に共通しているものが１つある。それは自分たちがこのリーグを盛り上げることで、少しでも日本バスケットボール界全体の注目度向上、人気拡大に貢献したいという思いだ。例えばプロ選手といっても普段は５対５のバスケットボールプレーヤーであり、３ｘ３はボールのサイズも違えば、ファウルに対する審判の基準も異なるなど、同じバスケットでも大きく違う。しかし、ここで結果を残せないと、評価を落としてしまう危険もある。

　第１戦で優勝したＧＣ ＯＳＡＫＡ．ＥＸＥでＭＶＰを授賞した比留木謙司は、プロバスケ選手として複数のチームを渡り歩いた経歴（編注：１３−１４シーズンはＮＢＬの熊本ヴォルターズに所属）の持ち主だ。「５対５のプロの選手が出て、本気でやるのはとても良いことだと思います。自分が活躍できないと、『あいつたいしたことない』と言われるかもしれないことは意識しています。活躍してもそう見られることもありますし。ただ、５人に文句を言われても、１００人にいろいろな舞台に出てバスケ界に貢献していると言われるのであれば、僕はそれでいい」（比留木）。彼のような日本バスケ界への熱い想いを持った選手たちによる気合満点の熱いプレーを、文字通り目の前で見られるのが、このリーグの何よりの魅力だ。