鬼才が認めた逸材! 19歳・清野菜名 新作で魅せた華麗なるハイキック

しべ超二

バク転や側宙、スタントは一切なし!

劇中で披露したバク転や側宙などのアクションは一切スタントを使っていない 【(C)2014INOUE SANTA/“TOKYO TRIBE”FILM PARTNERS】

 そう思った清野は高校2年の1年間、養成所へ通ってさまざまなアクションを習得。「ボクシングをやるとリアルなアクションができるから」と言われて最初の3カ月はみっちりとボクシングをやり込み、それも「1日4時間ぐらい、女性のプロボクサーの人もいたので一緒にやって、ほんとにほぼ毎日やっていました」というから、このあたりも体育会系のノリと根性を感じる。

「ボクシングの後は立ち回りをやったり、アクロバットもやったり、かなりガッツリやっていたんですけど、楽しかったからできたと思います。『バイオハザード』の中で感染した犬がミラさんを追って、そこでミラさんが壁で一回転するんですけど、“ヤバい! やりたい!”と思って、それを練習して私もできるようになったんです。なんか徐々に近づいていってるなっていうか」

『TOKYO TRIBE』のときよりもさらにアクロバットが進化したと笑顔 【中原義史】

『TOKYO TRIBE』劇中ではバク転や側宙といった技も全てスタントではなく自前で披露。これまでマットの上での練習こそあったが、床や机の上でやったのは撮影の時が初めてで、「心臓バクバクでした」と振り返るが、それでも1発OKでこなしたというから腹が据わっているというか勝負強い。

「『TOKYO TRIBE』の時に丞威っていう同い年でアクロバットの上手な子がいて、スゴいなと思って、でも現場で悔しかったんです。それで撮影が終わってからも個人的に習いに行って今でも習っていて、バク宙もその時できなかったんですけどできるようになったり、バタフライツイストっていう横回転する技も、『日本の女性でやってる人はあまりいない』って言われて、なんかその言葉にすごい燃えて(笑)。今はそれもできるようになって、だから『TOKYO TRIBE』の時よりさらに進化したんじゃないかと思います」
 将来的には免許を取得し、バイクに乗ってのアクションもやってみたいと清野はいい、こちらもやはりミラ・ジョヴォヴィッチの『ウルトラヴァイオレット』の影響であるらしい。

「見どころは私のパンチラアクション(笑)」

パンチラアクションは「もう『見て!』っていう感じ」 【中原義史】

「今までは恥ずかしさとかがあって演技で自分の全てを出せなかったんですけど、みんなが全力でぶつかる現場だったので、私も躊躇する余裕はなくて、すごく自然に自分の全てを出せました。ワンシーンワンシーン、違った世界観がたくさんあって観ていてほんとに飽きない映画だと思うし、やっぱり見どころは私のパンチラアクションだと思っているので(笑)、そこも含め全てにおいてみなさんに楽しんでもらえたらいいなって思います」
 最後に自身のパンチラを推してくるこの潔さ。清野は「もう『見て!』っていう感じで全力でやらせて頂きました」といい、なにか“これなら蹴られてもいいんじゃないか”と間違った思いを抱かせる綺麗なフォームのハイキックをたびたび披露している。

 まがまがしい世界観の近未来都市トーキョー、ラップと肉弾相打つトライブたちのバトル、そして清野の体当たりのアクションと、『TOKYO TRIBE』は夏の終わりにやってきたアツさ極まりない1本だ。

清野菜名(せいの・なな)

【中原義史】

1994年10月14日、愛知県出身。2007年『ピチレモン』(学習研究社)の専属モデルとしてデビュー。ボクシング、アクション、バク転などのアクロバット、殺陣を特技とし、中学生時代は走り高跳びで全国大会に出場した経歴も持つ、スポーツ万能少女。
2011年TBS『桜蘭高校ホスト部』出演以降、『WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』(14)、テレビドラマ「おわらないものがたり」(14/CX)、舞台「コンプレックスステッカー」(14)、CM「バランシーナ(ジュジュ化粧品)」(14)、など映画、ドラマ、舞台、そしてCMと女優としてのキャリアを着実に重ねている矢先、本作のヒロイン役として出演が決定。公開待機作品に、『少女は異世界で戦った』(14年9/27〜)、『進撃の巨人』(15)がある。
『TOKYO TRIBE』公開翌日の8月31日に地元の愛知で凱旋舞台挨拶を行う。

『TOKYO TRIBE』

【(C)2014INOUE SANTA/“TOKYO TRIBE”FILM PARTNERS】

原作:井上三太「TOKYO TRIBE2」(祥伝社)
監督・脚本:園子温
出演:鈴木亮平 YOUNG DAIS 清野菜名 佐藤隆太 染谷将太 でんでん 窪塚洋介 竹内力 ほか
【作品概要】
近い未来の “トーキョー”には様々なトライブ(族)が存在し、そこに住む若者たちは、街を暴力で支配しながらお互いの縄張りを守っていた。トライブ間の暴動・乱闘は日々繰り広げられるも、互いの力関係は拮抗し絶妙なバランスで保たれていた。しかし、ある事件をきっかけに、その均衡はもろくも崩れ去る。「ブクロWU-RONZ」のヘッドに君臨する<メラ>と「ムサシノSARU」に所属する<海(カイ)>。二人を取り巻く”トーキョー”中のトライブを巻き込んだ、激しく壮絶な一大バトルが今始まる――。

8月30日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー!
(C)2014INOUE SANTA/“TOKYO TRIBE”FILM PARTNERS
配給:日活

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著者プロフィール

映画ライター。ペンネームは『シベリア超特急2』に由来し、生前マイク水野監督に「どんどんやってください」と認可されたため一応公認。日本のキング・オブ・カルト、石井輝男監督にも少しだけ師事。プロフィール画は芸人ネゴシックスの手によるもの。

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