王者・板橋、爆腕・大月の王座戦への想い=Krush.41直前インタビュー

株式会社グッドルーザー

5.11Krush後楽園大会でタイトルマッチを行う王者・板橋(右)と挑戦者・大月 【t.SAKUMA】

「Krush.41」(5月11日/東京・後楽園ホール)で王者・板橋寛と挑戦者・大月晴明による「Krush −60kg級タイトルマッチ」が行われる。板橋は2010年には“ムエタイの生ける伝説”アヌワット・ゲーオサムリットから勝利し、13年8月には13連勝中だった前王者・卜部弘嵩を破ってKrush −60kg級王者に輝いた。一方、ことし41歳になるベテラン大月は高いKO率を誇り、“爆腕”の異名を取る。。昨年11月からKrushで2連勝し、今回のタイトルマッチを迎える。数々の修羅場を潜り抜けた2人のファイターがどのような心境で大一番に臨むのか!? 主催者から両者のインタビューが届いた。

DVDを持つほど大月選手のスタイルは憧れだった

板橋はサウスポーから威力あるパンチで数々の強豪を打ち破ってきた 【t.SAKUMA】

以下は板橋のインタビュー

――初防衛戦の対戦相手が大月選手に決まりましたが、大月選手が挑戦者になることは予想はしていましたか?

 大月選手になる予感はあったので、なるべくしてなったと思います。大月選手がKrushで復帰する=Krushでチャンピオンを目指すことだと思っていたので、僕がチャンピオンである限りは絶対にここまで勝ち上がってくると思っていました。僕はあまり誰かと戦いたいとは思わないタイプなので、特に意識することはなかったですけど、試合が決まったら『やってやる!』という気持ちです。

――大月選手は板橋選手のことを好きなタイプの選手だと話していましたが、板橋選手はどうでしょう?

 それを言ったら僕の方こそ『豪腕伝説』(大月の試合をまとめたDVD)を持ってましたからね。大月選手は僕がデビューしたころにはライト級のトップに君臨していて、あの誰も真似できないスタイルは憧れと言っても過言ではないと思います。

――大月選手の復帰後の試合を見て、どんな感想を持っていますか?

 大月選手自身も感じていることだと思いますが、全盛期の動きではないですよね。倒す技術や一発の強さはありますけど……全盛期の動きのキレは失われていると感じています。大月選手は戦いたい相手がいて、Krushのチャンピオンになってその試合を実現したいと思っているかもしれません。でもそれは実現不可能な目標です。僕がチャンピオンとしてストップするし、大月選手が僕を倒すことは無理でしょう。

気持ちの爆発より作戦を遂行することが大事

「大月選手となら盛り上がらないはずがない」と言い切る王者・板橋 【長谷川亮】

――ちなみに大月選手は殺気があるもの同士、「真剣で戦うような勝負になる」と言っていました。板橋選手はどんな試合をイメージしていますか?

 何ていうんですかね…向こうも一発があって、僕も効かせる自信があるので“一瞬”が大事な試合になると思います。

――板橋選手は常に冷静な印象があるのですが、大月選手のような相手と戦うことで気持ちが昂ることはないですか?

 僕は意外と熱くなる方なんで、試合では熱くならないように気をつけているんですよ。あんまり熱くなると考えずにいっちゃうんで。だからそういう自分を抑えることを意識していて、自分を爆発させることはないですね。ちょっと爆発させたい気持ちもあるんですけど…僕らはセコンドやトレーナー含めてチームで戦っているので、チームで立てた作戦や戦略を遂行することが大事かなと思います。

――見ている側からすると爆発する板橋選手を見たい気持ちもあります。

 でも僕はなんだかんだで最後は気持ちで戦う、前に出てナンボの選手だと思うんですよ。あまりそれを表に出さないだけで。だからどんな試合になるかは楽しみにしていてください。

「大月選手と僕がやって盛り上がらないはずがない」

――今回の試合は初防衛戦です。今の板橋選手にとってKrushのチャンピオンはどんな位置づけですか?

 Krushの中でも60kgは選手が多い階級で、6カ月というスパンで防衛戦を戦わなければいけない。Krushのチャンピオンでいることが、ますますプレッシャーがかかる状況になったと思います。その中でベルトを防衛していくことは自分の義務だと思っているので、今までと変わらず一つ一つの試合をクリアする。それが僕にとっての課題です。僕は昔から目の前の試合を一つ一つ勝ってここまで来た選手なので、それはKrushのチャンピオンになってからも変わらないです。

――Krushの他の階級のチャンピオンは個性的で自己主張が強い選手が多いですが、板橋選手は少し違うタイプのようですね。

 他のチャンピオンたちは個性が強くて、それはそれですごくいいことだと思います。でもだからと言って僕が彼らのようにはっちゃけるのも違うだろうし、僕は僕の姿勢を貫いていけば、それが板橋寛の個性になると思うんですよね。だから僕は“試合で魅せる”、そういうイメージのチャンピオンでいきたいと思います。

――激戦区となりつつあるKrush−60kg級の王者として、どんな試合でベルトを守りたいですか?

 今回、55kgと60kgのタイトルマッチがダブルメインに組まれて、最終試合を55kgに取られたじゃないですか。ずばり55kgの若い2人が世代交代を印象付ける大会になるのか? それとも60kgのおっさん2人が盛り上がる試合をして最終試合を食うのか? ここはすごく面白いと思いますね。僕らではなく瀧谷(渉太)選手と戸邊(隆馬)選手が最終試合に組まれたのは、ある意味『お前らちゃんとやれよ!』というメッセージだと思うし、逆に言うと僕らにとっても発破をかけられていると思うんですよ、『お前らまだ出来んのか?』っていう。だったら僕は『まだまだ出来ますよ』という試合、60kgを最後に持って来ればよかったと思わせる試合をして勝ちます。僕と大月選手が戦って盛り上がらないはずがないです。

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