朝のウオームアップに最適なヨガ 基礎・第2回「太陽礼拝」

村上華子

【坂本清】

ライフスタイルに合わせたヨガのスタイル

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 今回はヨガの三大要素“アーサナ(ヨガポーズ)・呼吸・瞑想”の中のひとつ、ヨガポーズについてお話します。ヨガポーズはサンスクリット語で「アーサナ」と呼び、「座法・姿勢」という意味を持ちます。約5000年前のインドで、座法を組み、ただひたすら瞑想することで“悟りを開くツール”として始まったヨガは、そこから紆余曲折の長い月日を経て、体を動かすさまざまなアーサナが考案されてきました。

 現在、ヨガスタジオなどで実践されている一般的なアーサナは「ハタヨガ(もしくはそこから派生した流派)」と呼ばれ、体を伸ばしたり、ねじったり、時には重力に逆らったりしながら適度な負荷をかけることで、ストレスに負けない柔軟で強靭(きょうじん)なココロと体を養うのが主な目的。その他には、妊婦さんが安産を迎えるためにココロと体を整える「マタニティヨガ」や、シニア世代の安全な体づくりのための「チェアヨガ(椅子に座って行うヨガ)」など、ライフスタイルに合わせたヨガのスタイルを選べるようになりました。
 いにしえのインドと比べると、ヨガを取り巻く環境は大きく変わりましたが、それでもココロの調整を目指すという、ヨガ本来の真髄はしっかりと受け継がれています。例えば、どんなスタイルのヨガでもアーサナを行う時に心掛けたいことは、「いま自分のココロと体に何が起きているのか」深く集中すること。ヨガでは“心身一如(肉体と精神は一体)”という言葉が表すように、その自分を内観するというひとつひとつの工程が、呼吸・体・ココロの心地よい調和を育み、間接的にココロの調整(自己実現)に作用していきます。

毎朝20分間のアーサナ実践がオススメ

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 現代は“ストレス社会”なんて呼ばれてしまうほど目まぐるしく、ゆったりと生活することが難しい……なんて人も多くいらっしゃいますが、そんな人たちにこそ、毎朝20分間のアーサナ実践がオススメです。ヨガの“朝活パワー”で心身共に目覚めることで、ベストなパフォーマンスで1日をスタートできます。しかもコツコツと続けることで、日々の微妙なコンディションの違いや、そのコントロール方法が身についていきます。

 それから最後にもうひとつ、アーサナにまつわるこんなエピソードも。ヨガの根本経典を紐解くと、アーサナの総数はなんと……8400万もあると書かれています。本当に誰かが数えたのかどうか、それは不明ですが……(笑)。 実はこれ、“地球上に存在する生物の数”にたとえられているのだとか。現在、ヨガスタジオなどで行われる一般的なアーサナは84種類程度ですが、そのアーサナにはインド神話に登場する神様や、自然界の生き物をモチーフに名付けられているものが多くあります。

 先ほど、ヨガは“心身一如”とお伝えした通り、命名された生き物を賛美しつつ、そのものになりきりながらアーサナを行うことで、ココロも一緒にアーサナを行います。そして、その生き物が象徴する生命のパワーを得ることができると考えられています。いまや科学的な検証でも実証されているヨガの効果がある一方で、こんなふうにインド特有の神秘思想で自己探求するという独特の世界観もまた魅力のひとつ。皆さんも、ちょっとだけ遊び心を持ちながら、息の長いヨガライフをお楽しみください!

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著者プロフィール

ヨガインストラクター、ライター。2004年にヨガを始め、綿本彰氏のスクールで指導者としてのトレーニングを積む。仲間とともに設立したヨガスタジオ「HAS YOGA(ハスヨガ)」などで指導を行うほか、ヨガコラムの執筆など多方面で活躍。ヨガを通じ、人々の幸せの輪が広がることを願っている。2012年12月に第一子を出産後は、自身の経験を踏まえながらマタニティヨガの普及にも情熱を注ぐ

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