52カ国1188人のムエタイ戦士が集結=3.17「ムエタイの日」とは何か⁉︎

長谷川亮

人気の高さを見せつけたブアカーオ

特別試合で中国人選手に圧勝したブアカーオ 【長谷川亮】

 明けて17日、「ムエタイの日」には式典もいよいよ最高潮を迎え、朝からナイ・カノムトム像の前に世界のムエタイ戦士たちが集合。僧侶や来賓たちとともに合掌し祈りを捧げる。式典の名称にも冠されている「ワイクルー」とは「師・先生(クルー)に合掌する(ワイ)」という意味の言葉である。

 そして午後からは世界遺産の遺跡群に囲まれた贅沢なロケーションでの大会「ミラクル・ムエタイ・フェスティバル」を開催。ブアカーオがメインに登場した同大会にはWBA世界ジュニア・バンタム級王座を19度も防衛したタイの国民的英雄、カオサイ・ギャラクシーも来場し観客の大歓声を集めた。

 特別試合に登場したブアカーオは中国人選手を2RKOで一蹴したが、ブラジル人応援団から自国選手のように声援を送られ、大会後の撮影会でも世界中のファンから次々記念撮影攻めに会うなど、その人気の高さを見せつけた。

1188人のムエタイ戦士が圧巻ワイクルー

世界遺産アユタヤの寺院の前で行われた「アメージング」なショー 【長谷川亮】

 そして夜には世界52カ国・1188人のムエタイ戦士が一堂に会し、ナイ・カノムトムやこの日のために集まったタイのグランドマスターたちに捧げるワイクルーを一緒になって披露。ギネス級と思えるその光景は圧巻で、先頭に立ちワイクルーをリードするのは、昼に試合を終えたばかりのブアカーオだ。

 こうした祈りを捧げる儀式が終わると、最後は世界中から訪れたムエタイ戦士たちを歓迎する夕食会がライトアップされた寺院の前で行われ、「アメージング・タイランドショー」と銘打たれたきらびやかで荘厳なショーを鑑賞。古式ムエタイを使ったアクロバティックなショーや、象まで登場するタイの歴史劇は、まさに「アメージング」の名にふさわしいものであった。

 今年で10回目を迎えた「ワールド・ワイクルー・ムエタイ・セレモニー」には毎年参加者が増加中。「ミラクル・ムエタイ・フェスティバル」で立ち技最強と言われるムエタイの迫力を目の当たりにし、期間を通じ偉大な存在に祈りを捧げるムエタイ戦士たちの姿から、その奥深き精神世界にも触れられる。

(協力:タイ国政府観光庁)

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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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