ヤクルトが強くなるために必要なこと 黄金期メンバー飯田哲也氏が“喝”

ベースボール・タイムズ

昨季、最下位に沈んだヤクルトについて、90年代の黄金期を支えた飯田氏が現状を鋭く解説する(写真は現役時代の飯田氏) 【写真は共同】

 ついに開幕を迎えた2014年のプロ野球。80周年となる今季は、一体、どんな展開になるのか――。春のスペシャル企画として今回、各球団のOBにそれぞれの古巣チームの今季について深く話を聞いた。

 第5弾は、ヤクルト90年代の黄金期を支え、引退後も昨季までコーチとして手腕を発揮した飯田哲也氏。現役時代に俊足強肩で鳴らし、“勝利を知る男”が、昨季最下位の燕軍団に喝を入れた。

先発陣がちょっと弱い……

――昨季、最下位の大きな原因は投手陣崩壊でした。故障者の多さも響きましたが?

 そうですね。昨年は“小川(泰弘)だけ”で、あとはほぼ全滅と言っていいような状態でしたからね。野球選手にとってケガは付き物ですけど、あれだけケガ人が多いとなると何か原因はあるはずです。プロとしてケガをしないことは大事。自覚だったり、予防だったり、ケアなどをもう一度しっかりとしていかないといけない。

――今季もドラフト1位入団の新人・杉浦稔大がケガで戦列を離れ、開幕からの復帰を目指していた館山昌平も再離脱しましたが?

 やっぱり先発陣がちょっと弱いですよね……。新戦力に「頑張ってほしい」とは思うんですけど、最初から大きな責任を負わせてしまうのは良くないし、最初から計算はできない。新外国人のナーブソンも試合の形は作れるでしょうけど、うまくかわすタイプなので相手チームからすると“怖さ”というものがないですからね。

――やはり館山が早く戻ってくる必要がある?

 早くというよりも、まずはしっかりと治してから戻ってきてほしい。本人も「今年こそは!」という中でキャンプを迎えて、そこで投げられない悔しさはあると思う。でも焦って復帰するよりは、ゆっくりでいいから万全の状態で戻って来てくれた方がチームのためだと思います。

――館山の復帰と同時に石川雅規の奮起が不可欠になります。そして小川。どうしても“2年目のジンクス”という言葉が付いて回りますが?

 石川は責任感の強い男なんで、どんな状況でもしっかりと頑張ってくれるはずです。小川に関しては、僕は大丈夫だと思っています。データを持っている相手に対して、本人が1年目と変わらずに同じようにやろうとしてやられちゃうパターンが2年目のジンクスだと思う。その意味で、小川は1年目からさらに上を目指して変わろうとしている。彼は頭の良い選手ですし、練習もしっかりしますからね。

――バレンティンを3番に置いた新打線はいかがでしょうか?

 去年はハッキリとバレンティン頼みだった。そこから今季は彼の高い出塁率を生かそうということで3番に置いていると聞いている。でも、結局はバレンティンの周りの選手が打たないといけない。ミレッジ、畠山和洋あたりがしっかりしないと勝つのは難しいでしょうね。でも、投手陣に比べれば打線はそんなに心配してない。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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