【大宮アルディージャ】今野浩喜の「タダのファン目線記」 小石田農園 前編
【©︎1998 N.O.ARDIJA】
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今野「ここが、小石田農園か。こんにちは」
小石田「こんにちは。えっ、自転車で登場?」
今野「自宅から50分くらいかな。ちょっと、空調服を着ますね。これ、涼しいんですよ。ダサいけど。農園では、今、何種類くらいの野菜を育てているんですか?」
小石田「うーん、10種類くらいですかね。今、実がなっているのだと、ミニトマトとか、きゅうりとか」
今野「パッと見た感じは、3種類くらいだけど……。そっちは……じゃがいもですか。こっちは、里芋」
小石田「おおっ!見て分かります?」
今野「って書いてある」
小石田「なんだ(笑)。あっちには、さつまいももありますよ。この奥に葉が……」
今野「あっ、それか。今まで見てたのは、ほとんど雑草じゃないですか」
小石田「そうですね。本当は抜かないといけないですけどね。雑草に栄養分を持って行かれてしまいますから。でも、どんどん生えて来るし、雑草は強いんですよ。雑草が元気そうでしょ」
今野「雑草、がんばってるんだな。人間が勝手に雑草なんて呼ぶだけで。生き生きしてる。雑草のために、さつまいもを抜いちゃいましょうか」
小石田「なんで、そうなるんですか!雑草を育てようとしないでください」
今野「この、土に被せてある、黒いビニールは何ですか?」
小石田「……何でしょうね」
今野「僕と同じレベルで話さないでくださいよ……。誰か知っている人、連れて来て……。そもそも小石田さん、この農園にはどれくらい関わっているんですか」
小石田「コロナ禍で全然仕事がないときは、よく草むしりをしていましたよ」
今野「コロナ禍じゃなくなったら、こんなに雑草が生えちゃうんですか?」
小石田「そ、そうですね。芸能をがんばると、農業が疎かになるし、農業をがんばると芸能が疎かになるので……。普段は、父や近所の親戚が携わっています」
今野「それでも、こんなに雑草が生えるんだ。ネギのところは生えてないですね」
小石田「そこは、ちゃんと雑草を抜いてありますね。お笑いは、がんばったぶんだけ成果が出るわけじゃないですけど、草むしりは、やったぶんだけ成果が見えるので、やりがいがありますよ」
今野「う、うん。そうかもしれないですね。ところで、ここは、二人で1列ずつやったのかな?一人でやったら1列やり切らない?2列とも途中までしか、雑草抜いてない……」
小石田「あっちの雑草を抜いて、こっちの雑草を抜いている間に、また、あっちの雑草が生えるので、頭がおかしくなってきますよ。暑い中での草むしりは大変だし、熱中症も怖いし、途中で諦めますね。最近は、今野さんが着ているような空調服を着て作業する人も多いですよ。あっ、マネージャーから電話が……。もしもし?」
今野「あっ、走って来る人がいる。あれかな?マネージャーって、いると、ありがたいけど、いなくても成り立ちますよね。今もそうだったし。あんなに急ぐ必要ないのに。むしろ、じゃまに……」
小石田「やめてくださいよ、そんなことを言うのは(笑)。せっかく、来てくれたのに」
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今野「何も植えていない場所もあるのは、なぜ?」
小石田「同じ場所で同じ作物ばかり連続して作ると、土から、その作物に適した養分がなくなってしまうので、場所を変えるんですよ。まあ、あとは、全部使うと人手が必要だし管理が大変というのもありますけど」
今野「あの木は?」
小石田「プラムが実ります。すももですね。木は、いいですよ。一度生えてしまえば、勝手に実ってくれますから。1本の木で食べきれないくらい、実が生りますよ。本気で出荷しようと思ったら手入れが必要ですけど」
今野「分かります。うちの庭にも柿がなるんですけど、自分たちで食べるぶんを超えてくる。作物は、待ってくれない。グリーンカーテンを作ってゴーヤを育てたこともあるんですけど、めちゃくちゃ実が生るし、ゴーヤなんてそんなにたくさん食べないし、大変でした。放っておくと、黄色くなって、真っ赤になって甘くなるんですけど、決して美味しくもない……。ところで、この農園の作物は、売るんですか?」
小石田「基本的には、家とか近所の親戚で食べますけど、無人販売所にも置いています」
今野「ああ、じゃあ、農業というより、趣味?」
小石田「まあ、そうですね(笑)。おじいちゃんのころまでは農家としてちゃんとやっていましたけど、父の代からは緩くやっています。そこまで必死にはがんばれないですね。畑は、日陰がないし、夏は本当に暑くて危険なくらいですから」
今野「畑は陽が当たらないといけないですもんね。じゃあ、雑草があっても仕方がないですね。でも、こんなに広いと大変そうだな。使っていないところはフットサルコートにしちゃえば?」
小石田「いや、真面目な話として農地は気軽に別の用途では使えないんですよ。勝手にフットサル場にしないでください(笑)」
今野「じゃあ、フットサル農地。畑にたまたま芝が生えていて、そこでサッカーをしているだけ。踏み固めることで、良い農作物が……」
小石田「フットサル農法?(笑) さいたま市の人も、説明をして『そうですか』って話を聞いてくれるほどバカじゃないと思いますよ?」
今野「そっか。じゃあ、ちょっと暑いので座って話しましょうか」
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今野「しかし、大きい家ですね。ここ、ご実家だったんですね。小石田農園と言うから、まさか本名が小石田なのかと思いましたよ。(表札を見て)並木さんだったんですね」
小石田「そうですね。別に隠してはいないですよ。ただ、自分から『並木です』と言うこともないですけど(笑)」
今野「それはそうか。ちょっと話が変わりますけど、新座市って並木さんめちゃくちゃ多くないですか?しかも、みんな畑をやっている」
小石田「確かに、新座市は多いですね。行って驚きました。友人が住んでいて遊びに行ったら、並木さんだらけでした。何かゆかりがあるのかな」
今野「ところで、家の大きさと人間の大きさは比例しないんですね」
小石田「どういう意味ですか。人間の大きさ?」
今野「あっ、いや、人の器という意味ではなく身長のこと。魚は大きい水槽で飼うと大きくなるとか言うじゃないですか」
小石田「それは、聞いたことありますね。でも、小学生の低学年くらいのときは、六畳の寝室に両親と男兄弟3人の5人で寝てましたよ」
今野「なんで(笑)? こんなに広いのに!庭も広いじゃないですか。あれは?」
小石田「藤の花の終わりで、今、なっているのは種ですね。あれが枯れて、下に落ちて、花は5月上旬くらいに咲きます」
今野「藤の花が咲いている山は、ダメだとか言いますよね。かなり繁殖するらしくて、あれが咲いている山は、管理が行き届いていない証拠らしいですよ。この庭、どうやって管理してるんですか?」
小石田「1年に1回、庭師さんにお願いしてます」
今野「すごいなあ。農園訪問より、小石田さんのご実家訪問のほうが良かったかな。ご両親、出演してくれませんかね」
小石田「お宅拝見コーナー?なんで、家族を出さなきゃいけないんですか。恥ずかしいですよ。10年くらい前、TBS系列の『噂の!東京マガジン』という番組を見ていたら、父が出演していてビックリしたことがありますけどね。MCの山口良一さんと一緒にさっきの畑に行って、鷹匠を呼んで、鷹でムクドリを追い出すというロケをしていました。誰かが紹介したんでしょうね。鷹を飛ばしてもロケをやっても大丈夫だという話で」
今野「でも、ムクドリなら大宮駅とか、さいたま新都心駅のほうが多いですよね。あれは、ムクドリを追い払うための音のほうがうるさいくらいだけど。いっそ、大宮駅に鷹を放てばいいんじゃないですかね。そうしたら、ムクドリはいなくなるけど、鷹が出るって話になっちゃうか(笑)。しかし、NGのない家なんだな」
小石田「NGは、ありますよ」
今野「お父さんは、出演もやぶさかではないと。緊張せずにこなしてました?強いな。まあ、でもそれで『売れる』なんていう感覚もないですもんね。芸人じゃないんだから」
小石田「父親がテレビに出演して『爪痕を残そう』と思って張り切っていたら、嫌ですよ(笑)」
今野「小石田さんと同じ衣装で登場したりしてね(笑)」
今野「鷹が飛ばせるなら、ドラマのロケ地にも使えますよね。だから、ほとんどNGはないってことですよね」
小石田「なんか、うちの農園をNGなしの場所にしようとしてません?」
※後編に続く。
構成:平野 貴也
【©︎1998 N.O.ARDIJA】
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