追いつめられたバルセロナ リーガ連覇へ最後の望みを懸けるクラシコ

レアルに分がある状況で迎えるクラシコ

昨年10月のクラシコでは2−1で勝利したバルサ。しかし今週末の試合は、追い詰められた中で好調のレアルと戦うことになる 【Getty Images】

 決戦を前にした周囲の期待感は過去のそれに匹敵するものながら、リーガ・エスパニョーラの優勝争いを左右する今週末のエル・クラシコにおいては、バルセロナがレアル・マドリーより後がない状況に置かれていることがはっきりしている。

 現時点でレアル・マドリーに4ポイント、アトレティコ・マドリーにも3ポイント差を付けられている現状、バルセロナが逆転優勝の可能性を保つためにはサンティアゴ・ベルナベウでの勝利が不可欠になる。ホームの利があるとはいえ、最終節(5月18日)にアトレティコ・マドリーとの直接対決も控えていることを考えると、残る10試合で落とせる勝ち点はもはや1ポイントもない。

 レアル・マドリーは万全の状態で今回のクラシコを迎える。5日前にシャルケ04(ドイツ)とのチャンピオンズリーグ(CL)を戦う日程面の不利も、アウェーの第1レグで得た1−6の大勝により、大幅なローテーション起用とクラシコへ向けたテストに利用することができた。(第2レグは3−1で勝利し、CL8強進出を決めている)

4−3−3でポゼッションが高まったレアル

 MFサミ・ケディラの負傷離脱後にレギュラーに定着したMFルカ・モドリッチとMFアンヘル・ディマリアが攻守に中盤を支える4−3−3のシステムを見いだして以降、レアル・マドリーは過去数シーズンと比べてボールポゼッションが大幅に高まった。もちろん、前線に構える3トップの得点力は健在だ。

 何よりエースのFWクリスティアーノ・ロナウドは今季を通し、とりわけ昨年のFIFAバロンドール投票に大きなインパクトを与えたスウェーデンとのワールドカップ(W杯)予選プレーオフ以降、素晴らしいパフォーマンスを維持している。

 15日の第28節マラガ戦ではチームが苦戦を強いられる中、そのロナウドが偉大なGKウィリー・カバジェロをしてもセーブ不可能なシュートを決め、チームに重要な勝ち点3をもたらした。現在ロナウドは24試合で25ゴールを挙げ、得点王争いの首位を快走している。

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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