“豪腕”大和が“怪物”野杁との死闘制す=世界暫定王者挑戦で「絶対獲ります」

長谷川亮

WBCムエタイ世界暫定王座の挑戦権が懸けられた一戦

大和哲也と野杁正明は一進一退の攻防。お互い鋭いヒジを繰り出した 【t.SAKUMA】

 ニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)「NJKF 2014 1st」が16日、東京・後楽園ホールで開催された。

 メインイベントでは王者・大和哲也と挑戦者・野杁正明によるWBCムエタイ・インターナショナル・スーパーライト級タイトルマッチが実現。名古屋を拠点に世界を目指す両者が、ベルトと同時に同級世界暫定王者への挑戦権が懸けられた一戦を争った。

一進一退の攻防も2Rにダウン奪った大和に軍配

判定3−0で、2Rにダウンを奪った大和に軍配が上がった 【t.SAKUMA】

 試合は1Rこそ静かな立ち上がりとなったが、2Rに本来ヒジを得意とする大和より先に野杁がヒジを決め大和をカット。しかし大和はこれにより腹を決めたかグッと圧力を強め、野杁に顔面前蹴りでアゴを跳ね上げられるも直後に右縦ヒジを返し、この一撃で野杁をダウンさせる。

 立ち上がった野杁は槍のような左右ストレート、跳びヒザ、顔面前蹴りと多彩な技でここから巻き返していくが、4Rにはガードの間を抜いて再び大和が縦ヒジを決め、今度は逆に野杁をカットする。

 最終ラウンド、跳びヒザをボディに入れ大和の失速を呼んだ野杁は一気に攻め立てるものの、大和に左ボディ、ヒジで反撃を受けダウンを奪い返すには至らず。

 判定は2Rのダウンがものをいった形で49−47、50−47、49−48の3−0で大和。試合後は野杁の強さを称えるとともに、「(野杁)正明のためにも世界(王座)を絶対獲ります」とマイクでアピールした。

“ムエタイゴリラ”T-98が王座奪取

セミファイナルでは“ムエタイゴリラ”の異名を取るT−98がWBCムエタイ日本ウェルター級王座を奪取した 【t.SAKUMA】

 その他、WBCムエタイ日本ウェルター級タイトルマッチでは“ムエタイゴリラ”の異名を取るT−98(たくや)が、哲也の同門・大和侑也を首相撲のヒザで削ってベルトを奪取(判定勝ち)。

 昨年9月に復活を果たし連勝を期待された羅紗陀(らしゃた)は中嶋平八(ISKA世界ムエタイスーパーフェザー級王者)とWBCムエタイ日本スーパーフェザー級王座次期挑戦者決定戦を行ったが、1R開始早々、蹴りを放った際に足を痛めて異状を見せ、セコンドのタオル投入によりTKOで敗れた。
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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