歌舞伎龍・梶原引退試合直前インタビュー 後輩・卜部弘嵩と禁断の同門対決=Krush

Krush実行委員会

卜部弘嵩は自分の最後に相応しい相手

12.14引退試合に臨む梶原龍児が現在の心境を語る 【t.SAKUMA】

 14日の「Krush.35」(後楽園ホール)で引退試合を行う“歌舞伎龍”梶原龍児と、その対戦相手を務める「チームドラゴン」の後輩・卜部弘嵩が現在のインタビューが届いた。

■卜部弘嵩は自分の最後に相応しい相手

――梶原選手の最後の相手が弘嵩選手になると聞いて驚きました

「自分もびっくりしました。でも(弘嵩は)最後の相手に相応しい相手だと思っています」

――梶原選手は一貫して「誰とでも戦う」という姿勢でしたが、なかなか対戦相手が決まらない状態が続いていました

「候補の選手はいても、なかなかタイミングやいろんな部分で実現しなくて……でも多分ですけど、彼(弘嵩)と戦うことが運命づけられていたんですよ。だからこういう形で試合が決まったんだと思います」

――弘嵩選手の名前が挙がる前に意中の相手はいましたか?

「いるにはいましたけど、でもそれもすべてタイミングじゃないですか。(対戦が)ないんであれば、縁がなかったということで、すぐ次に集中しました」

――そうは言ってもまさか弘嵩選手が相手になるとは想像していなかったですよね?

「前田(憲作)先生からヒロの名前を聞いた時は二度聞きしましたよ。同じ階級に『ヒロって名前の選手いたかな?』って。でもちょっと考えたら、すぐに卜部弘嵩のことだと分かりました。一瞬、頭が真っ白になったんですけど、すぐ自分の中でスーッと入ってきたんです。自分の最後に相応しい相手だなって」

――身近にいる後輩が名乗り出てくれたことはうれしかったですか?

「(少し考えた後)……うれしかったですね。卜部弘嵩が梶原龍児と戦うことはまずありえないじゃないですか。同じチームに所属しているし、階級も僕の方が上だから。でもそこで『僕がやります』と手を挙げた彼を見て『ヒロ、すげえ成長したな』と思いました。本当に見直しました」

歌舞伎龍らしい卒業式になると思います

ともにKrush初代王者に輝いた63キロ級の梶原(左)、60キロ級の卜部弘 【t.SAKUMA】

――弘嵩選手自身も言っていたことですが、弘嵩選手は感情が表に出にくいタイプの選手じゃないですか。その上で「この試合で自分に足りないものが得られる」と語っていました

「そうなるでしょうね、きっと。そうであって欲しいし、僕からすれば10年間頑張ってきたチームドラゴンの卒業式に相応しい相手です。ドラゴンからは後輩が何人も育っているし、本物になりかけている選手もたくさんいます。その中でも卜部弘嵩は指折りのファイターです。その彼が自分にないものを得るために僕と戦うというのは、すごいストーリーだと思います。僕は本当にヒロのことをすごいと思うんですよ。僕のキャリアを見て、戦いたいと名乗り出て。前回の寺崎(直樹)戦であんな試合をして、次の試合のハードルはめちゃくちゃ上がっているじゃないですか。僕の最後の相手になることで、試合後に背負うものも多いと思うんですけど、それも飛び越えてヒロは手を挙げた。そんなヒロのことを尊敬しているし、自分にとってもいい卒業式になると思いますね」

――この試合が終わった後、周りの弘嵩選手を見る目も変わるでしょうからね


「そうですよね。それが自分も楽しみで、だからこそ完全燃焼できる相手かもしれないです」

――また弘嵩選手がチャンピオンではないからこそ、実現した試合でもあると思います

「ヒロもベルトを失って、一度、地に落ちたと思うんです。それから新たな旅に出ることになって、次の試合がまず最初の試練でしょう。そして僕の中では、自分がプロのリングとしてやる最後の種まきです。きっとヒロだけじゃなくて、ドラゴンのメンバーは全員、僕と戦いたかったと思うんですよ。だからヒロにはドラゴンを代表して来てもらいたい。チームドラゴンの若手じゃなくてチームドラゴンの代表として来てくれたら、俺もうれしいです」

――弘嵩選手は最低でも勝たなければ何も得られないとも言っていました

「いいじゃないですか。その方がいいでしょう」

――生ぬるい卒業式にはならなそうですね

「そうですね。僕も覚悟してますよ。卒業式で波乱があるかもしれないし、本当にどんな試合になるのかな……。ただ俺は本気っすよ。本気の本気でやりますから」

――梶原選手のラストファイトはどんな試合になりますか?

「今は何にも考えられません。そのくらい格闘技は僕の人生の中でデカいものです。人生の半分以上をプロのファイターとしてやってきて、それを一言で表すことはできないです。だからそれをリングの上で表すかもしれない。入場から退場まで含めて。それが今の僕の答えかな。リングは本当に気持ちいい場所だから、リングの上で卒業証書を受け取ってきます。自分の中でも最後の試合が楽しみだし、俺らしいものを見せたい。歌舞伎龍らしい卒業式になると思います」

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