ヒートの3連覇、コービーらの復活は!?=NBA13−14 注目トピックス

宮地陽子

ハワードは、ロケッツで自分の居場所を見つけられるか

お騒がせ男ハワード(写真中央)が選んだ新天地はロケッツ。結果を出して名誉挽回したい 【Getty Images】

 この2年余り、リーグ一のお騒がせ男だったドワイト・ハワード。オーランド・マジックではヘッドコーチだったスタン・バンガンディを辞めさせるようにフロントに進言したり、昨季移籍したロサンゼルス・レイカーズではスクリーンをかけることを拒否してスティーブ・ナッシュと口論になったり、コービーと最後までそりが合わなかったりと、不協和音の中心にいた。先にあげたNBAの各チームGMによるアンケートでは65.5%のGMがハワードをリーグのナンバーワン・センターに選んでいるように、依然としてリーグのトップセンターとの評価を受けているが、この数字は一年前の93.3%からはだいぶ落ちている。故障もあったとはいえ、彼のおとなげない行動がGMの評価を下げた一因であることは間違いない。

 今夏には、ようやく自分の意思で選んだチーム、ヒューストン・ロケッツに移籍。1年半前に手術した腰も回復を見せ、今季は選手としても、チームとしても結果を出して名誉挽回したいところ。そのためにも、ジェームス・ハーデンが攻撃の中心で昨季プレーオフに出ているロケッツにおいて、自分の役割、居場所を見つけることが必要だ。

ネッツのオーナー・プロコロフの婚活は?

 今夏にトレードでケビン・ガーネット、ポール・ピアスらをボストン・セルティックスから獲得するなど、積極的な補強で優勝狙い宣言をしたブルックリン・ネッツ。ガーネットらの入団会見で、ロシア人オーナーのミカエル・プロコロフは「しばらくは、妻を探すつもりはないことは確かだ」と言って周囲を笑わせた。独身主義者のプロコロフが、3年前にネッツを買ったときに「5年以内に優勝しなかったら結婚する」と約束していたことからきたジョークだ。プロコロフはさらに、「チームを買ったときに、優勝を狙えるチームを作る約束をした。私ができることはやった。あとはチーム次第だ」とチームにプレッシャーをかける。

 今季も東のヒート、西のスパーズの優位が予想される一方で、決して両チームともに頂上で安泰とはいかない。東はネッツのほか、ローズ復帰のブルズ、昨季のカンファレンス・ファイナルでヒートを苦しめたインディアナ・ペイサーズ。西はウェストブルック復帰で西の王座を奪還しようとするサンダー、ダク・リバースをヘッドコーチに迎え、戦力も補強して本気になったロサンゼルス・クリッパーズ。さらにハワード加入のロケッツや、アンドレ・イグオダラ加入のゴールデンステイト・ウォリアーズも侮れない。

 はたして、これらのチームの中から、両雄を崩すチームが出てくるのか。それともヒートとスパーズが頂点を守り、90年代のブルズ対ジャズ以来の2年連続同カードのファイナルとなるのか。

 10月29日(現地時間)、いよいよ待ちに待ったNBAシーズンが開幕する。

<了>

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著者プロフィール

東京都出身。国際基督教大学教養学部卒。出版社勤務後にアメリカに居を移し、バスケットボール・ライターとしての活動を始める。NBAや国際大会(2002年・2006年の世界選手権、1996年のオリンピックなど)を取材するほか、アメリカで活動する日本人選手の取材も続けている。『Number』『HOOP』『月刊バスケットボール』に連載を持ち、雑誌を中心に執筆活動中。著書に『The Man 〜 マイケル・ジョーダン・ストーリー完結編』(日本文化出版)、編書に田臥勇太著『Never Too Late 今からでも遅くない』(日本文化出版)がある。現在、ロサンゼルス近郊在住。

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