ヒートの3連覇、コービーらの復活は!?=NBA13−14 注目トピックス

宮地陽子

今年も優勝候補に挙げられるヒート。レブロン(写真)はスリーピートを達成し歴史に名を刻むことができるか 【Getty Images】

 いよいよ米バスケットボールリーグ、NBA2013−14シーズンの開幕が迫った。昨シーズンはファイナルでマイアミ・ヒートがサンアントニオ・スパーズを下し2連覇を達成。その黄金期の真っただ中にいる王者は、歴史上4チーム目となる3連覇を目指す。
 今回は新シーズンを迎えるにあたり、注目トピックスを厳選して紹介する。

ヒート、歴史への挑戦

 今シーズン一番の注目は、ヒートがどこまで歴史に挑むことができるか。シーズン前の各チームのGMアンケート調査(※)では、優勝チーム予想で75.9%のGMがヒートを選んだように、今季も圧倒的な優勝候補であることは間違いない。となると、単に優勝できるかどうかだけではなく、歴史上の名チームとの比較で語られることになる。

 たとえば昨季はNBA史上2番目に長い27連勝で途切れた連勝記録を、今シーズンのチームは塗り替え、史上最長の33連勝の記録を破ることができるのか。また、史上最高成績(95−96ブルズの72勝10敗)の壁を破ることができるのか。勝敗のペースに注目だ。

 優勝も歴史上の位置には重要だ。優勝すれば、2000−02のロサンゼルス・レイカーズ以来、歴史上でも4チーム目のスリーピート(3年連続優勝)。3年前にヒートに加わったときに、「2回だけでなく、3回でもなく……」と、ヒート王朝を宣言していたレブロン・ジェームズにとっても、3連覇すればあの時の発言が単なる大口ではなかったことを証明できる。

 戦力はほとんど昨季を維持し、新たにグレッグ・オデンとマイケル・ビーズリーを加えた。ここまで期待外れに終わっている両選手だが、中心選手としてのプレッシャーがないヒートで浮上のきっかけをつかむことができれば、ヒートもスリーピートに大きく近づく。

 すっかり王者の風格が出てきたレブロンは、「シーズンをすっ飛ばして、いきなり4月の戦い(プレーオフ)を始めるわけにはいかない」と結論を急ぐ周囲をけん制する。「道が険しいのは分かっている。毎日、きちんとプレーし続けることが大事だ」

※NBA GMアンケート
http://www.nba.com/news/2013-14-nba-gm-survey/

スター選手のけがからの復活は?

 この1年余り、NBAではオールスター級の選手たちに大きなけがが続いた。去年4月に前十字靱帯を断裂し、昨季は全休したデリック・ローズ(シカゴ・ブルズ)。4月に膝半月板を損傷したラッセル・ウェストブルック(オクラホマシティ・サンダー)。昨季半ばに膝の前十字靱帯を一部損傷していたことが判明し、残りシーズンを欠場したラジョン・ロンド(ボストン・セルティックス)。そして、4月にアキレス腱を断裂したコービー・ブライアント(ロサンゼルス・レイカーズ)。彼らがいつ復帰し、どれだけの活躍をするのかにも注目が集まる。

 既にプレシーズンから完全復帰しているローズだけでなく、ウェストブルックやロンドも20代半ばと若いだけに復帰後は元通りに活躍することが期待される。気になるのは35才のコービー。現在はまだランニングとスタンディングでのシューティングをする程度で復帰時期は未定。ESPNが識者のアンケートでつけた選手ランキングでコービーを25位に選んだことや、レイカーズがリーグ全体で12位にランキングされたことも、すべてエネルギーにできる負けず嫌いのコービーは、「できるだけ早く、できるだけ健康になって、チームが結果を出す手助けをしたい」と意気込みを見せる。

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著者プロフィール

東京都出身。国際基督教大学教養学部卒。出版社勤務後にアメリカに居を移し、バスケットボール・ライターとしての活動を始める。NBAや国際大会(2002年・2006年の世界選手権、1996年のオリンピックなど)を取材するほか、アメリカで活動する日本人選手の取材も続けている。『Number』『HOOP』『月刊バスケットボール』に連載を持ち、雑誌を中心に執筆活動中。著書に『The Man 〜 マイケル・ジョーダン・ストーリー完結編』(日本文化出版)、編書に田臥勇太著『Never Too Late 今からでも遅くない』(日本文化出版)がある。現在、ロサンゼルス近郊在住。

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