野口幸司氏「ベイル生かすなら左サイド」=WOWOW解説者が語るクラシコの展望
WOWOW解説者の野口幸司氏がクラシコの展望を語った 【画像提供:WOWOW】
アンチェロッティ監督が目指す新たなレアル・マドリー
今シーズン、レアル・マドリーはアンチェロッティが新監督に就任しました。彼は攻撃に人数をかけてパスワークで崩し、得点を取るという、ある種バルセロナに近い戦術を試しています。ただ、開幕してまだ間もない為、コンビネーションが合わず、ここまであまり上手く機能していませんでした。それでも、前半は比較的、テンポやコンビネーションは良かったと思います。マラガのGKウィルフレッド・カバジェロのスーパーセーブがなければ、2−0くらいになっていたでしょう。
レアル・マドリーのストロングポイントである、縦に速く鋭いカウンターは、今日も何度か見ることができました。そこにアンチェロッティ監督が目指すパスで崩すサッカーが融合すれば、今後もっと魅力的なサッカーを見せてくれると思います。
――後半開始早々に先制したレアル・マドリーが、終了間際にも追加点を奪い2−0で勝利しました。
レアル・マドリーが地力を見せた後半戦だったと思います。ただ、早めにトドメを刺せないあたりは、まだまだ詰めの甘い部分ですね。途中出場したルカ・モドリッチやガレス・ベイルはスタメンでもおかしくない選手。完全に力の差はあるはずなのに、それを出し切れていなかった。ここは今後の改善点になるでしょう。
一方、マラガは昨シーズンから監督が変わり、多くの選手が入れ替わっている難しい状況のなかで、ここまで非常に良く戦っていると思います。マラガの第一目標は残留になりますが、そこは問題なくクリアできると思っています。あとは前線に能力のあるFWが出てくれば、上の順位を狙うこともできるでしょう。
――今日の試合はアルバロ・モラタが先発で起用されました。彼の強みを教えて下さい。
190センチの高さを持ちながら、足元もしっかりしているオールラウンダータイプの選手ですね。ヘディングやポストプレーも上手いですし、裏への飛び出しも彼の武器です。今年のU−21欧州選手権で大会得点王に輝いて、自信をつけたようにも見えます。今日の試合は、ゴールこそ決められませんでしたが、動きは良かったと思います。「試合に出たい」というハングリーさが見ていて伝わってきました。十分なアピールになったのではないでしょうか。今後、彼に必要なのは経験です。UEFAチャンピオンズリーグやクラシコのバルセロナ戦で自分の能力を出せれば、もっと飛躍するでしょう。