野口幸司氏「ベイル生かすなら左サイド」=WOWOW解説者が語るクラシコの展望

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WOWOW解説者の野口幸司氏がクラシコの展望を語った 【画像提供:WOWOW】

 WOWOWサッカー解説陣が、リーガ・エスパニョーラをより深く、より詳しく語る新企画「リレーコラム」。第9節(日本時間19日)レアル・マドリーvs.マラガ(2−0)から見えたカルロ・アンチェロッティ新監督の目指すサッカーや、いよいよ週末に迫ったクラシコの展望を野口幸司氏に語っていただいた。

アンチェロッティ監督が目指す新たなレアル・マドリー

――スコアレスで終えた前半戦をどのようにご覧になりましたか?

 今シーズン、レアル・マドリーはアンチェロッティが新監督に就任しました。彼は攻撃に人数をかけてパスワークで崩し、得点を取るという、ある種バルセロナに近い戦術を試しています。ただ、開幕してまだ間もない為、コンビネーションが合わず、ここまであまり上手く機能していませんでした。それでも、前半は比較的、テンポやコンビネーションは良かったと思います。マラガのGKウィルフレッド・カバジェロのスーパーセーブがなければ、2−0くらいになっていたでしょう。

 レアル・マドリーのストロングポイントである、縦に速く鋭いカウンターは、今日も何度か見ることができました。そこにアンチェロッティ監督が目指すパスで崩すサッカーが融合すれば、今後もっと魅力的なサッカーを見せてくれると思います。

――後半開始早々に先制したレアル・マドリーが、終了間際にも追加点を奪い2−0で勝利しました。

 レアル・マドリーが地力を見せた後半戦だったと思います。ただ、早めにトドメを刺せないあたりは、まだまだ詰めの甘い部分ですね。途中出場したルカ・モドリッチやガレス・ベイルはスタメンでもおかしくない選手。完全に力の差はあるはずなのに、それを出し切れていなかった。ここは今後の改善点になるでしょう。

 一方、マラガは昨シーズンから監督が変わり、多くの選手が入れ替わっている難しい状況のなかで、ここまで非常に良く戦っていると思います。マラガの第一目標は残留になりますが、そこは問題なくクリアできると思っています。あとは前線に能力のあるFWが出てくれば、上の順位を狙うこともできるでしょう。

――今日の試合はアルバロ・モラタが先発で起用されました。彼の強みを教えて下さい。
 190センチの高さを持ちながら、足元もしっかりしているオールラウンダータイプの選手ですね。ヘディングやポストプレーも上手いですし、裏への飛び出しも彼の武器です。今年のU−21欧州選手権で大会得点王に輝いて、自信をつけたようにも見えます。今日の試合は、ゴールこそ決められませんでしたが、動きは良かったと思います。「試合に出たい」というハングリーさが見ていて伝わってきました。十分なアピールになったのではないでしょうか。今後、彼に必要なのは経験です。UEFAチャンピオンズリーグやクラシコのバルセロナ戦で自分の能力を出せれば、もっと飛躍するでしょう。

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