竜の黄金期、第二章へ=常勝軍団再建の鍵は「競争」と「団結力」

ベースボール・タイムズ

新たな黄金期へ気合十分! 谷繁×落合の強力タッグで来季へ臨む 【写真は共同】

 クライマックスシリーズの開幕を控えた10月10日。ここ数年、この戦いに必ず歩みを進めていた“常勝軍団”が、いつもと違う秋を迎えていた――。
 今季、12年ぶりのBクラスへと沈んだ中日ドラゴンズが来季の新監督を発表した。選任されたのは谷繁元信。プロ生活25年、2900試合の出場を誇るベテランが選手兼任監督として指揮を執る。

「ゼロで抑えれば負けることはない。負けない野球をしたい」

 就任会見で力強くこう語る姿には、中日に移籍してから強力なリーダーシップで投手王国を牽引し続けてきた自信が表れていた。

新指揮官、不安なし

 ベテランといえど、まだ42歳の谷繁。しかし、決意は十分だ。

「(若いと言われるけれど)昨日WBCの監督に小久保(裕紀・42歳)がなった。五輪でも17歳、18歳が金メダルを取る時代。日本全体に若い力が出ている。だから僕は若いとは思わない。プロに入って25年やってきて、現実に2900試合出ている。その経験というのは、日本プロ野球の中でも僕の他には野村(克也)さんだけ。自分としては関係ない」

 堂々と言ってみせるあたり、監督の資質は誰もが認めるところだろう。そしてなにより、この人物の存在こそ、若き指揮官の就任に強烈な“安心感”を与えてくれている。球団初となるゼネラルマネージャーに任命された落合博満氏だ。今季、中日はセ・リーグ全球団に負け越して4位に低迷。年間観客動員数はナゴヤドームの開場以来、初めて200万人を下回った。ファンにも烙印(らくいん)を押され、もはやプロ野球チームとしての存在意義すら危うくさせた苦境を乗り越えられる救世主として、8年間に4度のリーグ優勝と2007年の日本シリーズ優勝を成し遂げたその手腕に託された。
 その落合新ゼネラルマネージャーは今月14日、愛知県一宮市で行われた自身の講演会でチーム再建のキーワードを2つ挙げた。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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