坂上のお不動さんになりたい…秋華賞◎シャトーブランシュ
福留元調教助手が開催するホース・セラピー
[写真1]ホース・セラピーのイベントにあのメジロマックイーンで菊花賞を勝った内田浩一が! 【写真:乗峯栄一】
福留健一さんという調教助手が、5年前、調教中の事故で下半身不随となる大ケガを負う。「一生、車椅子生活か」という辛い心境のなか、障害者馬術や、馬による障害者への癒やしなど、いわゆる“ホースセラピー”というものと出会い、「Reins」(レインズ・手綱の意)という組織を作る。特に角居調教師がその意図に賛同してバックアップ、三木市や、そのほか各馬主、各調教師、各競馬団体など、多くの団体・個人の協賛を得て第1回イベントの開催となった(現在も約1年ごとに日本各地でイベントは継続中だ)。
ぼくも角居調教師からの勧めもあって、友人を連れて観覧に行った。広大な三木ホースランドの屋内・屋外に色々な競技(障害者馬術競技やオリンピック選手による馬術演技もあった)や家族向けアトラクションが展開されていて、想像以上に大掛かりで、想像以上に賑わっていた。
「あ! メジロマックイーンの内田浩一やないか!」
[写真2]乗峯カメラの前に止まってくれたのはアパパネ以来2頭目 【写真:乗峯栄一】
「ジョッキー体験コーナー」という屋外アトラクションがあって、「ポップロック」というゼッケンを付けた首の動く木馬が置いてある(“ポップロック”なのに、なぜか芦毛だったが)。家族連れの幼児たちに向けて「ポップロックに乗ってみない?」と満面笑顔で呼びかけるおニイさんがいて雰囲気を盛り上げる。不安そうに乗る子供にヘルメットをかぶせ、鞭を持たせ、「そうそうそう、うまいねえ」と微笑みかけ、「へえ、盛り上げてるなあ、ホースランドの職員なのかなあ?」と思って通り過ぎる。[写真1]
が、どうも顔に見覚えがある。首ひねりながら通り過ぎて、「あ! 内田浩一やないか! メジロマックイーンで菊花賞勝った」と思い出し、慌ててUターンする。「内田さん(いまは清水出美厩舎調教助手)やろ? 偉いなあ、こんな盛り上げスタッフやって」と思わず握手してしまった。その場にいる子供たちに「このおニイちゃん、GI騎手なんやで」と触れて回りたい衝動に駆られる。
広い会場で、スタッフとして動いているのは、ほとんどが趣旨に賛同した栗東トレセンの厩舎スタッフたちだったのだ。騎手や厩舎スタッフたちが厩舎の垣根を越えて(おそらく無償で)裏方役をやっていて、会場を盛り上げていて、正直言うと、これに一番感動した。
わがFBはちょっとした内田浩一ブームに
[写真3]ボードの左上、会見出席者の名前にびっくり! 【写真:乗峯栄一】
特にFacebookでは「90年菊花賞、まだ22歳の若武者・内田浩一がメジロマックイーンで勝った晴れ姿の写真、誰か持ってないかなあ?」と問いかけると、5、6人の人(Facebook でいうところの“友達”)が投稿してくれて、いやあ、オールドファン、内田浩一ファンはいるのだ、そこに内田浩一本人からも投稿があったりして、わが FB(通はFacebookのことをこう言うらしい)はちょっとした“内田浩一ブーム”になった。