川村亮に聞いた「パンクラスって何?」=20周年記念大会直前インタビュー
9月29日に神奈川県横浜文化体育館で行われるパンクラス20周年記念大会。川村は旗揚げメンバーである高橋義生と対戦する 【中村拓己】
高橋はこの試合に引退をかけると宣言し、川村をその相手に指名。川村は「現役への未練をひとかけらも残しちゃいけない」と介錯を引き受け、18日の公開練習では高橋から教わったサーキットトレーニングを披露し「高橋さんに教わったことで高橋さんを倒す」と語っている。
またパンクラスismの一員として、一時は団体の代表を務めていた川村にとって、この試合は“世界基準”を打ち出したパンクラスで初めての試合でもある。高橋戦への想いはもちろん、川村が考える“パンクラス”についても聞いた。
入門当初は延々と鈴木さんにやられ続けていた…
当時は小学6年生で、プロレス大好きな野球少年でした。野球を見るよりもプロレス見るのが大好きで、プロレスの話をしたいけど、みんなプロレスを知らないっていう。それで幼馴染でプロレス好きなやつがいたんで、そいつと2人で周りをプロレス好きにするために洗脳していました(笑)。もちろんパンクラスのことも知っていましたし、映像はなかなか見る機会が少なかったですが、雑誌で情報を得ていましたね。
――中学・高校も野球をやりながらプロレスファンだったんですか?
そうですね。中高でも本気で野球をやって、プロ野球選手になろうと思っていました。でも心のどこかでプロレスラーになりたいという想いがあったので、少し変な感覚だったかもしれません。プロ野球を目指して野球を一生懸命やっているのに、心の奥底では「俺はプロレスラーになるんだ」と思っていましたから。
――大学では野球部ではなく、アメリカンフットボール部に入部されたんですよね?
実はそれも船木(誠勝)さんの本(「船木誠勝のハイブリット肉体改造法」)がきっかけなんですよ。部活を引退してからは自然と心のどこかにあったプロレスラーになるという方にシフトしていって、船木さんの本に書いてあったことをそのまま真似してトレーニングしていました。そうしたら本の最初の部分に、この本はアメフトの選手をベースに考えたということが書いてあって、それにビビッと来たんです。
――だったら自分もアメフトもやろう、と。お話を聞いていると格闘技をやりたいと言うよりもパンクラスに入りたい気持ちの方が強かったようですね。
はい。今ほど情報がある時代じゃないですし、住んでいたところも田舎だったので、プロになる=入門テストに合格して住み込みで練習するという方法以外はないと思ってたんですよ。
――川村選手がファンとしてパンクラスを見ていた時に印象に残っている試合はありますか?
たくさんあるんですけど…鈴木(みのる)さんとモーリス・スミスの試合(キックボクシングルール)は印象に残っていますね。異種格闘技戦ってやっぱり面白かったですよね。
――その鈴木選手とはパンクラス入門後は師弟関係になります。入門後は一緒に練習もされていたんですよね?
僕が入ってすぐのころから鈴木さんとは練習させてもらっていました。練習スタイルも昔ながらというか、1R5分・インターバル30秒と区切ってやるんじゃなくて、1時間半くらいぶっ続けでスパーリングするんです。もちろん僕は格闘技のことは全く分からないんで、延々と鈴木さんにやられ続けるだけ。でもアメフトで基礎体力だけには自信があったんで、とにかく動きまくって暴れ続けて抵抗しようと。鈴木さんがプロレスの巡業に行くようになるまでは、そういう日々が続いてましたね。