混乱が続くアルゼンチンリーグの問題=迷走する解決策と有望選手の流出
大量補強のボカと新監督のニューウェルス
カルロス・ビアンチ監督の元でリケルメは、もう一度輝きを取り戻せるか 【Getty Images】
今オフ20人弱もの選手を放出した一方、アルゼンチン代表ボランチのフェルナンド・ガゴ、センターバックのダニエル“カタ”ディアス、ウイングのフランコ・カンヘレらを補強したボカは、昨季王者のニューウェルス・オールドボーイズとともに前期リーグにおける優勝候補の筆頭に挙げられている。
バルセロナの新監督に抜てきされたヘラルド・マルティーノの退任後、ニューウェルスの新監督にはアルフレド・ベルティが就任した。引退がうわさされたベテランのガブリエル・エインセは6カ月間の現役続行を発表。ヨーロッパから古巣へ戻り、昨季のリーグ制覇に貢献したマキシ・ロドリゲスやディエゴ・マテオ、ルーカス・ベルナルディらの残留も決まっている。
ベロン、トレゼゲら注目のビッグネーム
それは元ボカのFWサンティアゴ・シルバとFWラウタロ・アコスタ、元ベルグラーノのルーカス・メラーノらが加わったラヌス、コロンビア代表FWテオ・グティエレスやパラグアイでの活躍が注目されたジョナタン・ファブロを補強したリーベル・プレート、スポルティング・リスボンからバレンティン・ビオラが復帰したラシン・クルブ、イタリアからマウロ・サラテが戻ってきたベレス・サルスフィエルドらも同じだ。
注目されるビッグネームはリケルメだけではない。38歳にして1年ぶりの現役復帰を明言したエストゥディアンテスのフアン・セバスティアン・ベロン、インテルナシオナウ・デ・ポルトアレグレに移籍したイグナシオ・スコッコの代役としてニューウェルスが獲得したダビド・トレゼゲの活躍にも注目が集まっている。また昨季活躍したラシンの若手選手、ルシアーノ・ビエットやリカルド・セントゥリオンらに期待を寄せる者も少なくない。
なお今季はクラブ史上初めてナシオナルB(2部)降格したインデペンディエンテが不在となる。一方、ロサリオ・セントラル、ヒムナシア・イ・エスグリマ・ラプラタ、オリンポ・デ・バイア・ブランカの3チームが1部に戻ってくる。
リーグのシステムは昨季と変わらない。前期リーグと後期リーグ、それぞれで優勝チームを決めた後、両者が直接対決を行い「スーペルカンペオン」を決定する。降格するのは3チームで、その条件は過去3年間、つまり6つの短期リーグの成績を総合して決められる。