ザック監督「国内の選手は想定以上」=東アジアカップ 韓国代表戦後会見

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世界で活躍しているところを想像できる

――日本国内の選手は予想以上だったか?

 想定以上だったが、能力があることは分かっていた。今回、招集できなかった選手の中で、能力のある選手も国内にはいる。これだけ短期間でチームコンセプトだったり、やり方に関してできてしまうのは、頭が良い証拠だと思う。与えられたチャンスを貪欲に感じ取ってくれたと思う。A代表が難なくW杯予選を突破して良い状態にある中で、この大会があった。そして(招集された)彼らはそこにチャンスがあると感じ取って、食い込んでいこうという貪欲な気持ちを出してくれた。これまでA代表でメンバーが欠けても、個人的に動じることはなかったし、そこのチョイスは豊富にあった。しかし、唯一不安があることは同じポジションに多くの負傷者が出てしまうことだ。

 3年間を振り返ってみても、本田(圭佑)、長友(佑都)、吉田(麻也)、香川(真司)といった選手が、予選でいないことはよくあった。その中でもしっかり予選を勝ち抜いたことは忘れてはならない事実だ。その意味では選択肢は非常に多くあると感じているし、当然選手の特徴は違うのでアジャストしなければならない部分はあるが、選択肢が多くなるのは大きい。このメンバーがここで満足することなく、Jリーグのそれぞれのクラブで意識を高く持ってプレーすることが大切になってくる。今後、今のA代表に疑問があったときにはいつでも入ってこられるような姿勢を見せてほしい。あとはたくさんのメンバーが、代表で得点を決めてくれたのも重要だ。点が取れる選手の選択肢があるのは良いことだ。

――補強すべきポジションについて、今大会で得た答えは?

 現在のチームを基盤として、W杯で良い戦いができるという確信はある。この日本代表については、W杯に行くことが心配なのではなく、どういう状態でW杯を迎えることができるかが問題だ。全員が最高の状態で本大会に臨むことができれば、われわれの力を証明することができる。2013年も後半に入るが、国際舞台での有意義な経験をこのチームに与えたいと思う。協会もそのことをくみ取ってくれて、非常に良い相手とのマッチメークを検討してくれているし、8月にはウルグアイとの対戦も決まっている。協会が大変なのは、そうした強豪チームがどこもW杯予選などで忙しくしているということだ。そのスケジュールを考慮しながらマッチメークするのは簡単ではない。

 このチームに足りないところはインターナショナルでの経験で、それ以外は良いレベルにあると思う。良いコンディションで臨むことが大事で、コンディションがよかったときには、強豪とわたり合うことができるし、W杯でも戦うことができると思う。よかった試合や時間帯というものは、自分の頭の中に鮮明にあるので、そのイメージがあれば世界でも通用する。あとは経験とコンディションだ。わたしが最もこのチームを信頼しているし、わたしが最もこのチームが世界で活躍しているところを想像できる。

――今日の試合で中国戦と同じメンバーにしたのは?

 シンプルにエネルギーが残っている選手を使うべきだと考えたからだ。試合の中で見極めたいことや試したいことはあったが、一人分の交代枠(槙野のこと)を疲れで使ってしまったので、そこで計算がちょっとずれてしまった。結局、交代枠が3つしかなかったのは残念だし、できればもう1試合あればオーストラリア戦のメンバーをもう一度見たいという思いはあった。それと林(卓人)を出せなかったことも残念だった。全員を使いたかったのだが、西川(周作)を2試合起用すべきだと判断した。もちろん彼も代表候補だし、仙台に行ったときにはしっかり彼のことも見てみたいと思う。偶然呼んだわけではないことは伝えておきたい。

――今日の守備については?

 前の2試合より集中していたと思う。ただ押し込まれてしまい、中盤も最終ラインに吸収されてしまったが、それはうちの問題というよりも相手をほめなければならない。特に前半の韓国は、持っている力を計算することなく使って攻めてきたので、押し込まれてもしかたがないと思う。ただ、守るだけというのは好きではないので、守りながらもどのようにカウンターを狙っていくかというのは常に考えていた。一つ言えるのは、韓国はあれだけ押し込んでプレッシャーをかけてきたけれど、それほど決定的なチャンスは作らせていない。ディフェンスはよくやってくれたと思う。

<了>

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