ザック監督「国内の選手は想定以上」=東アジアカップ 韓国代表戦後会見

スポーツナビ

東アジアカップを制覇したザッケローニ監督は、国内組の能力を証明できたとしつつも、「想定以上だった」と語った 【写真:ロイター/アフロ】

 サッカー日本代表は28日、韓国の蚕室(チャムシル)で東アジアカップの最終戦となる韓国代表戦に臨み、2−1で勝利した。韓国に押し込まれる展開の中、柿谷が前半唯一とも言えるチャンスをものにして日本が先制するが、その後すぐに追いつかれ前半を終える。後半も、ボールを保持できず劣勢が続いたが、試合終了間際に柿谷がこの日2点目となる劇的な勝ち越し弾を決め、韓国を退けた。この結果、日本は東アジアカップ初優勝を成し遂げた。

 試合後、日本のアルベルト・ザッケローニ監督は「国内の選手は想定以上だったが、能力があることは分かっていた」と大会を戦った日本代表の選手たちを評価した。また、今後の日本代表について問われると「世界で活躍しているところを想像できる」と1年後に迫るワールドカップ(W杯)への自信も口にした。

日本の選手の能力は素晴らしい

――対戦した3チームについて一言ずつ(韓国メディア)

 まず初戦が常に厳しい。そして、われわれは新しいメンバーで初めて代表戦を戦うという難しさがあった。3試合を通してマネジメントが難しかったのは、この気候。非常に湿度が高い中での3試合で、90分間プレーし続けることは難しかったと思う。大会全体で言うと、引き分けが多い中で最終的にいずれも勝負がついた。何が言いたいかというと、参加4チームは大会に入る前に不慣れな部分があったと思うが、徐々に慣れてきてこのような結果になったと思う。

 1試合目の中国戦だが、大会を通じて最も波が少ないチームだったと思う。オーストラリアは、初戦の韓国戦ではチーム力とフィジカルの力で、非常に良い結果(0−0)を残した。結果が伴っていれば、3試合目も違った内容になっていたと思う。(2試合目の)オーストラリアは、われわれがリードしている時間帯に集中力を欠いたところもあったが、こちらのすきを見逃すことなくすぐに同点に追いついたところは評価できる。3試合目の韓国だが、大会を通じてみると、3試合とも良い内容で戦っていたが結果が伴っていなかった。特に1試合目と今日の試合は非常に良い内容で、わたし自身、韓国の戦い方は非常に気に入っている。非常にダイナミズムにあふれたサッカーを展開している中、特に1試合目で結果がついてこなかったことが、大会全体の結果に影響したのではないかと思う。今日の試合も韓国は特に前半が非常に良かったと思うし、後半はその分(ペースが)落ちて、そこでチームとしてのバランスが崩れたのではないかと思う。ただ状況を考えて、韓国は(優勝するためには)勝ちしかなかったので、そのチョイスも理解できる。

 また相対的に考えると今大会は、各チームに収穫があったのではないかと思う。特に日本と韓国は多くの選手を試合に使うことができたので、その意味で有意義な大会になったのではないかと思う。個人的には選手たちのパフォーマンスに満足している。おそらくこのメンバーの中には、代表チームに自分が呼ばれるなど考えていなかった選手もいたかもしれないが、チームとして団結してくれた。確かに戦い方の波が激しい部分はあったが、われわれが最も得点を取ったという事実は揺るがないし、チームとして結束してくれたことが非常に素晴らしいと思う。

 選手たちの出来が良かったのは個人的にも非常にうれしいことであり、このメンバーからすぐに代表に呼ばれる選手もいるだろうし、将来的に代表に入る選手もいると思う。当然、これから国際経験を積む必要があるが、個人の能力を見極めて、非常に良いものがあると思った。そして、なにより素晴らしいと思ったのが数日間でチームが作れたことだ。日本の選手の能力は素晴らしいし、今回呼んだ23人は、「代表候補」という意識でいて良いと思う。日本サッカー界のことを考えても、これだけ良い選手が国内にいるということが証明されたと思うので、日本サッカーのためにもよかったと思う。日本代表の良さというのはチームワークという部分が挙げられると思うし、その中でこのメンバーが各チームで高い意識をもって活躍してくれることを個人的には祈っている。

――今回は新しい選手が多かったにもかかわらず、多くの得点を取ることができたのはなぜか?(韓国メディア)

 いい質問だ(笑)。このチームの特徴として、ここ3年間でかなりのゴールを挙げることができている。理由は、このチームのフィロソフィー(哲学)やメッセージを(選手たちが)受け止めてくれたことだと思う。哲学というのは、勝利のためにより多くのゴールを決めること。相手より1点でも多くゴールを決めることで勝利に近づくこと。そういった哲学を持っているので、4−3、3−2というように、相手より多く点を取るという哲学をこのチームは持っている。当然、多くのゴールを狙うと、それだけ相手に付け入るすきを与えることになるが、相手より1点でも多く取りにいくという姿勢がこのチームには必要だ。あとはピッチ上の選手たちの特徴を見てくれれれば分かると思うが、攻撃の得意な選手を多く配置している。攻撃的なサイドバックを配置して、攻撃力のあるボランチを使うなど、他のチームではあまり見られないことをやっている。

――前回戦った韓国と今回との違いは?(韓国メディア)

 今日の韓国とこれまでの韓国、共通して言えることは、非常に気迫を持って攻めてくること、またチーム全体で集中して襲いかかってくるということだ。これまでと少し違うところは、以前はもう少し中盤でつなぐ意識があった。今日のように裏への意識というのはあまりなかったと思う。これが(就任以来)4試合目となったが、共通しているのは、韓国とやるときは難しく良いゲームになるということが言える。さすがはW杯に参加するチーム同士の対戦だと思った。

1/2ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント