藤波vs.長州、初代虎vs.大仁田が実現=レジェンドプロレス7月大会見どころ
“名勝負数え唄”が1年10カ月ぶりに復活
1年10カ月ぶりの一騎打ちを行う藤波と長州。かつての“名勝負数え歌”がよみがえる! 【前島康人】
なんと言っても注目すべきは7.14福岡のメインイベントで実現する藤波辰爾vs.長州力の“名勝負数え歌”だろう。2011年1月10日の後楽園ホール大会で13年ぶりに行われた2人の一騎討ちは大きな話題を呼び、同年に大阪、名古屋、札幌と地方で連続開催。各地に超満員の観客を集めた。そして、1年10カ月ぶりに両者がシングルマッチを行うのは『LEGEND THE PRO−WRESTLING』としては初進出となる福岡。これで“名勝負数え歌”が日本を縦断した形となる。
『LEGEND THE PRO−WRESTLING』における両者の対戦戦績は藤波の3勝1敗だ。長州としては早い段階で勝敗を五分に戻したいところだが、本人は「前の戦いから1年半以上? へぇ〜、そんなに経ったっけ」と、どこまでも自然体。どっちが勝った、負けたという表面的な部分ではなく、とにかく「永遠のライバル」と対戦することにやり甲斐を感じているようだ。藤波も「いつ戦おうが同じ」と強調しているが、これは両者のライバル心が常に燃え上がっていることの裏返しでもある。プロレスを知り尽くした“ベテランらしいテクニック”と“ベテランらしからぬ気迫”が交錯する名勝負になることは間違いない。
7.12大阪のメインイベントでも藤波が藤原喜明、長州がAKIRAと組んで、タッグマッチで激突する。前哨戦的な意味合いが強いが、かつて長州を襲い、名勝負数え歌をぶち壊して“テロリスト”の異名を持つようになった藤原や、レジェンド勢との対戦経験が豊富な名バイプレイヤーAKIRAとの絡みも注目したいところだ。
初代タイガーマスクと大仁田厚が超過激ルールで激突
しつように初代タイガーマスクに迫る大仁田。7月12日の大阪大会でタッグながら過激なデスマッチで対決する 【(C)レジェンドプロレスリング実行委員会】
80年代前半、新日本プロレスと全日本プロレスの2大メジャー団体のジュニアヘビー級を牽引していた初代タイガーと大仁田。当時は何の接点もなかったが、30年の時を経て、昨年3月にリアルジャパンプロレスで初対決が実現した。その後、一騎討ちも行われ、『LEGEND THE PRO−WRESTLING』のリングでも、1月13日大会において初代タイガーマスク&小林邦昭の夢のタッグチームで大仁田軍団を撃破したのたが、抗争は終結するどころか、激しさを増すばかり。今年の6月7日に開催されたリアルジャパンプロレス後楽園ホール大会では、丸藤正道との対戦を控えた初代タイガーを大仁田が急襲。何とか丸藤戦は決行されたが、さらに因縁を深める結果となった。
今回の2連戦を前に、大仁田は「そろそろ腹を決めて、俺の究極のデスマッチをまたいでみろや!」と挑発的なコメントを発表。それどころか、記者会見にも乱入し、シャークを粉まみれにする屈辱的な行動に出た。怒り心頭の初代タイガーは、今度こそ邪道軍団壊滅を果たすべく、自ら危険なデスマッチルールを提案。7.12大阪で採用されることになった。
初代タイガーが提案したのは「十字式四つ巴テキサスストラップ・デスマッチ」という前代未聞の形式。昔から遺恨を深めたレスラー同士の決着戦として、両者の腕に紐を結んで戦わせるストラップマッチは行われてきたが、今回は4選手の腕を紐で結びつける。勿論史上初のデスマッチ形式となる。初代タイガーはこれによって場外戦や凶器の持ち込みを阻むつもりのようだが、紐が首に絡まり、一瞬にして戦闘不能に追い込まれる危険性もある。展開の読めない危なすぎるルールだ。
この形式は7.12大阪でのみ採用されるが、試合の結果いかんによっては、7.14福岡でも連続して同ルールで行われることも十分考えられる。さらに、大仁田側が過激なデスマッチルールを要求する場合もあるだろう。2連勝で遺恨を清算したい初代タイガーと、何としても電流爆破マッチまで持ち込みたい大仁田の激情がぶつかる大注目の戦いだ。