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コンフェデ杯の対戦国記者が語る日本代表
ベストプレーヤーは香川真司

DF陣の質の不足、監督のさい配は高評価

コンフェデ杯を3戦全敗で終えた日本代表。その戦いぶりを対戦国の記者はどのように評価したのか
コンフェデ杯を3戦全敗で終えた日本代表。その戦いぶりを対戦国の記者はどのように評価したのか【写真:AP/アフロ】

 3戦全敗という結果で、日本代表はブラジルワールドカップ(W杯)の予行演習を終えた。コンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)で残したものを数字にすれば、4得点9失点での勝ち点ゼロというものにしかならないが、その内容を世界はどう見たのだろうか。今回、現地でそれぞれ対戦相手として日本代表の試合を取材したブラジル、イタリア、メキシコの記者に、現在、そして今後の日本代表について意見を聞いた。


 4失点と落胆の結果に終わった日本代表守備陣を目撃したイタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙のマッシモ・チェッキーニ記者は、ずばりと守備の甘さを指摘する。ワーストプレーヤーには、後半立ち上がりにエマヌエレ・ジャッケリーニへの対処の甘さで内田篤人のオウンゴールの要因となった吉田麻也を挙げた。同記者は、「失点シーンでのジャッケリーニに対するミスが、試合を左右するものとなった」と、単なる1つの失態ではすまされないと、DFが背負う責任の重さを語る。


 優れた守備の伝統を誇る国から来たジャーナリストは、DF個々の質の不足を指摘しつつ、だからこそ「DF陣の質が卓越したものではないことを考えに入れると、チームの戦術でその不足を補うことができていた」とアルベルト・ザッケローニ監督のさい配を称賛する。アッズーリの前に立ちはだかった敵将の戦術について、「オッティマ(素晴らしい)」と高い評価を与えたのは、同胞だからというわけではないだろう。


 ザッケローニ監督の戦術、そして守備については、ブラジル人ジャーナリストのアレシャンドレ・シナト氏も言及する。日本代表監督のさい配に、「気に入ったのは、想像していたよりも守備的ではなかったことだ」と語った。カテナチオのイメージが強い国の戦術家という印象が強かったのかもしれない。しかし、「守備的ではあるけれども、相手にダメージを与えるべくスピードを活用していた」と評価。第3戦をベロ・オリゾンテで取材したメキシコのテレビ局『TVアステカ』のカルロス・ゲレーロ記者も、「ザッケローニの仕事ぶりは気に入った。彼は日本に確固たるスタイルをもたらした」と話している。

日本の発展ぶりは際立っている

 その戦術家が率いる日本代表の個性について各国の記者が指摘するのは、やはりスピードと技術だ。「技術の高さは目についた」(チェッキーニ氏)、「非常にスピードがあり、献身性の高いチームだった」(シナト氏)と、これまでも世界が抱いてきた印象を再確認したようだ。


 彼らにとってその象徴は、世界有数のトップクラブであるマンチェスター・ユナイテッドで活躍する背番号10だった。各対戦でベストプレーヤーだと映った日本人選手を尋ねると、「香川(真司)だ。彼の動きと経験は、アッズーリの守備を痛めつけることを可能にしていた」(チェッキーニ氏)、「香川。素晴らしい視野を備えた選手だと思う。身につけた完璧な技術で、ボールを運ぶことができる。ダイナミックな選手で、フィールドの中のリーダーであると感じた」(ゲレーロ氏)との答えが返ってきた。


 選手個人の特徴は、各国記者に印象を残すだけのものがあったようだ。さらに、チームとしての成長を強調するのがゲレーロ氏。ザッケローニ監督の手腕を認めた記者は、こう語る。


「日本のサッカーが成長し続けていることが印象深かった。あらゆる場面で、成長の跡を示していたと思う。1勝もすることはできなかったけれども、その発展ぶりは際立っている。数年前のようにスピードがあるというだけではなく、アイデアと相手を上回るための動きを備えている」


 社交辞令もあるのかもしれないが、記者たちの日本代表への評価は悪いものではない。スタジアム中を味方につけたイタリア戦の奮闘ぶりなど、良い印象を残したこともたくさんあるだろう。ただし、1ポイントも勝ち点を挙げることなく大会を去ることになったのも事実である。だからこそ、サッカー文化の豊かな母国を持つジャーナリストたちは、敢闘精神に上乗せすべきものがあると語る。

杉山孝

1975年、ジーコとストイコビッチと同じ3月3日生まれ。新聞社で子供からプロまで5年間、サッカーをメインにみっちりスポーツを取材。サッカー専門誌編集部を経て09年に独立。同時にGoal.com日本版編集長を務め、2012年7月まで同サイトの日本での確立・発展に尽力。現在はライター・翻訳者・編集者としてサッカーとスポーツを追い続ける。サッカーW杯取材は現在のところ02年、10年の2大会。

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