コンフェデ杯の対戦国記者が語る日本代表=ベストプレーヤーは香川真司

杉山孝

求められるのはゴールを奪うこと

 打ち合いと言えば聞こえはいいが、結果的に隙を突かれての大量失点で敗れた第2戦の日本を見たチェッキーニ氏は、やはり「試合を決定づける瞬間にさらにうまく対処する術を学ぶため、経験を重ねることだ」と、抜け目のなさを見せつけたイタリアとの差を埋める必要があると話す。ゴールを脅かされることが少なかったメキシコからは、「攻撃面を改善した方がいい。ゴールを奪うことが求められる」(ゲレーロ氏)と率直な指摘があった。

 大会初戦で開催国の前に散った姿を見たシナト氏は、「大きな大会ではさらなる経験が必要とされる」と積み重ねの重要性を強調した。だが、まだ発展途上のチームに可能性を感じるからこそ、「日本代表がもう少し忍耐強く、もう少しだけ長くボールをキープすることができたなら、来年のW杯ではもっと危険なチームになれる」とエールを送る。

 1年後、同じブラジルの舞台で、日本代表はどのような印象を世界に残すのだろうか。今回対戦した3カ国とは、ピッチ上で「再会」する可能性もある。もしもその時、お世辞を言われるような事態になったなら、それは日本代表の足踏みと、再びの落胆を意味することになる。

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著者プロフィール

1975年、ジーコとストイコビッチと同じ3月3日生まれ。新聞社で子供からプロまで5年間、サッカーをメインにみっちりスポーツを取材。サッカー専門誌編集部を経て09年に独立。同時にGoal.com日本版編集長を務め、2012年7月まで同サイトの日本での確立・発展に尽力。現在はライター・翻訳者・編集者としてサッカーとスポーツを追い続ける。サッカーW杯取材は現在のところ02年、10年の2大会。

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