岩渕真奈、ドイツの地で見せた成長の跡=「女子サッカーの盛り上がりはまだまだ」
充実したホッフェンハイムの環境
ホッヘンハイムの1部昇格に貢献した岩渕(右)。ドイツの地でまた新たな成長を見せた 【Getty Images】
ホッフェンハイムの人口は3500人にも満たないが、クラブを支えているのは世界的企業であるSAPである。パトロンたるディートマー・ホップは近年、クラブに何百万ユーロもの大金をつぎ込み、男子チームを1部リーグへと引き上げた。だがほかのオーナーとは異なり、ホップはまず、高価なスター選手ではなくインフラ整備に投資をした。例えば、ユースの練習場などだ。
クラブの施設には、岩渕も魅了された。だからこそ、代表選手として2011年のドイツワールドカップ(W杯)で世界一を経験しながら、ブンデスリーガ2部へ行くこともいとわなかった。ホッフェンハイムを選んだ理由を、「ものすごく熱心に誘ってくれました」と語る。さらに続けて、「また、施設も充実していて、チームも若く、1部に上がるという明確な目標があり、いいなと思いました」とチームの魅力について話した。
勝手が違った新天地ドイツでの暮らし
ドイツは岩渕にとって、栄光を経験した場でもある。この20歳はW杯の舞台でまばゆい活躍を果たし、そして優勝を成し遂げた。だが、2部リーグを選ぶにあたって、その思い出は移籍への大きなきっかけとはならなかった。
そうして移ったドイツだったが、新天地は勝手が違ったようだ。「言葉も全然できませんでしたし、ひとり暮らしも初めてだったので、最初のころは大変でした。でも、チームメートやチームスタッフ、語学学校の日本人の方々、また男子のホッフェンハイムでプレーしていた宇佐美貴史(現・ガンバ大阪)さんと奥さんが夫婦で助けてくれました」と周囲の助けに感謝した。