bjリーグの頂きを目指す東西の2強=ファイナルズ進出の各チームの見どころ
悲願の初優勝を目指す根東(オレンジ)率いる新潟。チームトップのアシスト数を誇る根東を中心に得点を重ねられるか注目が集まる 【(C)NIIGATA ALBIREX BB/bj-league】
それぞれの戦力は均衡しており、優勝を予測するのは困難。いずれのチームが優勝しても初めてのチャンピオンの誕生となる4チームがbjリーグの頂点を目指し激突する。
悲願のリーグ制覇を目指す新潟
マット・ギャリソンHC(ヘッドコーチ)が初めて指揮を執った昨季は、自分たちのスタイルが確立されておらず、外国籍選手のフィニッシュに頼りがちだった。メンバーの大幅な入れ替えをせずに臨んだ今季も、チームコンセプトの「ディフェンスからオフェンスへつなげるバスケット」に変更はなかったが、よりチームバスケットを徹底させた。全員がボールをシェアし、外国籍選手の球離れが良くなったことで、的を絞らせないオフェンスで得点力もアップ。個に頼るのではなく、個を生かすバスケットへとシフトチェンジしたことにより、昨年以上に安定感のあるチームへと成長したのだ。
2年連続3度目のリバウンド王に輝いたセンター(C)のクリス・ホルムを柱に、ガード(G)のナイル・マーリー、フォワード(F)のロドニー・ウェブなどバランスの良さが魅力。佐藤公威や池田雄一など、1試合平均10点以上を取れる日本人選手がいるのも頼もしい。特に今季はチームトップのアシスト数を稼いだ根東裕隆の成長ぶりが顕著で、昨季の82アシストから一気に184アシストへと数字を伸ばした(編注:レギュラーシーズンのみの数字)。試合の状況を見ながらボールを振り分けられる司令塔の成長により、攻撃の幅が広がったことも、好調の要因といえる。
悔しさを糧にリベンジに燃える横浜
昨季に続き2年連続でのファイナルズ進出の横浜。チームと蒲谷の調子が比例して変動するだけに、ファイナルズでのキーマンになることは間違いない 【(C)B-COR/T.SASAKI/bj-league】
昨季はリーグ参入1年目ながらもファイナルズ(3位)まで進み、カンファレンス ファイナルでは3連覇のかかったディフェンディングチャンピオンの浜松・東三河フェニックス(浜松)と熱戦を繰り広げた。試合は常に横浜リードで進んだが、第4Q残り2分30秒で浜松・大口真洋の冷静なスティールが得点につながると、一気に流れが浜松へと傾き、土壇場でエースのバーレルがファウルアウトするなど柱を失った横浜は、最後の最後で踏ん張ることができなかった。その悔しさを知るメンバーがほとんど残っているだけに、有明でのリベンジに燃える思いは強い。
新潟と横浜のレギュラーシーズン対戦成績は3勝1敗で新潟に軍配が上がる。得点(新潟:4327点、横浜:4307点)・失点(新潟:3877点、横浜:3876点)と、大きく違わない両チームだけに、戦力は均衡している。しかし大きな違いは、横浜の得点がバーンズ、ケネディ、蒲谷に偏っているのに対し、新潟は外国籍選手だけでなく、池田、佐藤、小松秀平など日本人選手の得点能力も高い。万遍なく得点を取ることができるだけに、大崩れしない安定感がある。横浜の場合、蒲谷の好不調がチームに与える影響が大きく、彼がこの試合のキーマンとなりそうだ。今季、大混戦だったイースタンは、カンファレンスファイナルも白熱した接戦となるだろう。