bjリーグの頂きを目指す東西の2強=ファイナルズ進出の各チームの見どころ

柴田愛子

福岡、5年ぶりの晴れの舞台

アシュビーは、福岡の3本柱の1人として、ファイナルズ進出に貢献した 【(C)Rizing-Fukuoka y.sasaki/bj-league】

 レジナルド・ウォーレン、ジュリアス・アシュビー、ジョシュ・ペッパーズの3本柱に加え、仲西淳、竹野明倫をはじめ豊富なガード陣を誇る福岡。
 ウォーレンやペッパーズはインサイドだけでなくアウトサイドも得意とし、彼らを止めるのは一筋縄ではいかないだろう。今季はさらにベンチメンバーの底上げに成功し、チーム力アップが好調の要因。攻撃のバリエーションも豊富で、相手に的を絞らせないオフェンスが強みだ。

 今季はじわじわと順位をあげ、最終的に2位まで上り詰めた。ここ数年はプレイオフには出場するものの、あと一歩で、ファイナルズへと進めず悔しい思いをしてきただけに、悲願のファイナルズ出場となる。5年ぶりにつかんだ晴れの舞台でどんな試合を見せてくれるのか楽しみだ。

ジャイアントキリングで乗り込む京都

所属チームを優勝に導いてきた、優勝請負人のパルマー。今季の京都の躍進にパルマーの存在は欠かせない 【(C)KYOTO HANNARYZ / bj-league】

 京都は昨季ビッグマンをそろえたことで、インサイド勝負では強さを見せたが、アウトサイドを効果的に使えず、オフェンスパターンが単調になりがちだった。今季はメンバーを大幅に入れ替え、サイズは小さいものの、岡田優(184センチ)やデイビッド・パルマー(201センチ)などシュート力のある選手を補強し、高さよりも機動力を生かしたワイドなバスケに転換。しかし、レギュラーシーズン開幕8連敗後の8連勝など、不安定でアップダウンが激しいシーズンとなった。
 下位チームに対して取りこぼしは少ないが、なかなか上位チームの壁を破ることができなかった。しかしレギュラーシーズン5位で臨んだプレイオフではシーズン最多勝利記録を更新した首位・沖縄を接戦の末破る大金星をあげ、2年連続でファイナルズの切符を手にすることとなった。

 昨季ファイナルで沖縄と対戦した際は、残り4分で2点差まで追い詰めながらも、押し切ることができなかった。そこに立ちはだかったのは、当時沖縄に在籍していたパルマーだった。勝負どころで得点を決めてくる彼のプレーが、京都に傾きかけた流れを断ち切ったのだ。そのパルマーが今年は京都で、プレイオフで優勝候補筆頭と言われた古巣・沖縄を破って再び有明にやってくるのだから、優勝請負人と言われるのも納得できる。

「仙台(89ERS)時代からずっと一緒にやりたかった」という浜口炎HCの熱意によって、京都にやってきたパルマー。「1対1など個人の力で打開しないといけない時に頼れる選手だ」と彼に対するHCの信頼は厚い。勝者のメンタリティーを持つパルマーの存在が、ファイナルズでもチームを支えてくれるに違いない。

 福岡と京都のレギュラーシーズン対戦成績は3勝1敗で福岡がリード。しかし怖いのは浜口HC率いる京都が短期決戦を得意としている点だ。

 昨季もカンファレンスセミファイナルで、有明の常連チームだったエヴェッサ大阪を大接戦の末破り、初のファイナルズ出場を手にした。そして今季は、リーグのシーズン42勝10敗の沖縄を破って、再び有明へと駒を進めた。短期決戦で強さを見せる京都は、ファイナルズでは最も当たりたくない相手と言える。また京都の浜口HCは仙台89ERS時代を含めると、ファイナルズでの試合経験は豊富。対する福岡の金澤篤志HCは初めての有明となる。両ヘッドコーチのベンチワークにも注目したい。

<了>

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