過去10年途絶えた大記録 “夢の年間300K”ダルビッシュは可能か
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現在ハイペースで三振を量産するダルビッシュ、夢の年間300Kは可能か? 【Getty Images】
今季初登板となった4月2日(以下、日付はすべて現地時間)のアストロズ戦で9回2死までパーフェクトの快投を演じ、14三振を奪ったダルビッシュは、その後も4月19日マリナーズ戦(10個)、同24日エンゼルス戦(11個)、5月5日レッドソックス戦(14個)と計4度の2ケタ奪三振をマーク。今月11日のアストロズ戦でも7回までに8個の三振を奪い、ここまで計80奪三振で両リーグのトップを独走している。
メジャー通算300奪三振は史上2位の速さ
ちなみに日本人メジャーリーガーの年間最多奪三振は、野茂英雄がドジャースでデビューした1995年に記録した236個。野茂はこの年も含め2度奪三振王に輝いており、4度にわたって200Kを突破している。自己最多を記録した95年は、前年から続いた長期ストの余波で通常は162試合のシーズンが144試合に短縮された年であり、単純に試合数の違いだけを補正すれば年間266個という数字が導き出される。つまり、それでも300には届かなかったということだ。
奪三振は投手の華……現在のペースなら十分いける!
もっとも、ダルビッシュ自身は「三振を取る競技ではないので、何も思わないです」と話すなど、記録へのこだわりはまったくないようだ。それでもバッターならホームラン、ピッチャーならストライクアウトは、やはり日米を問わず野球の華。特にエンターテインメント性の強いメジャーリーグなら、なおさらだ。投手にとって最高の栄誉と言われるサイ・ヤング賞とは無縁で、ワールドチャンピオンになったのも駆け出しだった頃の1度きりというノーラン・ライアンが、あれほどまでに偶像化されているのはなぜか。それは彼がケタ外れに三振を取れるピッチャーだったからにほかならない。そういう意味ではたとえ本人が無関心であろうとも、ファンにとってはシーズン300奪三振が夢の記録であるのは間違いない。そんな「ファンの夢」にダルビッシュがどこまで迫ることができるのか、大いに注目していきたい。
<了>
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