仕上がり万全の山中「王者の違い見せる」=WBC三大世界戦調印式
大橋会長、「八重樫をKOしてくれ」と珍要求!?
WBCトリプル世界タイトルマッチに挑む6人(左から八重樫、五十嵐、ツニャカオ、山中、ディアス、三浦) 【t.SAKUMA】
3度目の防衛戦となる山中は「今回、悪い状態がまったくなかった」と仕上がりに自信がある様子。山中の武器である左に「問題ない」という挑戦者の元WBCフライ級世界王者でWBCバンタム級1位のマルコム・ツニャカオ(真正ジム)に、「右を当てます」と笑わせながらも、「左が当たれば主導権を握れるのでいろいろ工夫したい。チャンピオンと1位の違いを見せます」と力強いコメントを残した。
日本人同士の対戦となるフライ級の一戦は、五十嵐が「試合後、お互いをたたえるような試合をしたい。みんなを興奮させたい」と語ると、挑戦者で昨年6月井岡一翔との激闘も記憶に新しい元WBA世界ミニマム級チャンピオン・八重樫東(大橋ジム)は「気持ちのいい試合をしたい」と2階級制覇へ意気込んだ。また、「みんなが見たかった最高のカード」という五十嵐陣営の帝拳ジム・浜田剛史代表に対して、八重樫陣営の大橋ジム・大橋秀行会長は「つまらない試合はできない。八重樫をKOするつもりで試合をしてください」と試合前から相手に強烈なジャブを放った。
2012年10月に栗生隆寛からスーパーフェザー級のベルトを奪った王者ガマリエル・ディアス(メキシコ)に挑む三浦隆司(帝拳ジム)は「自分の強打を爆発させて勝ちたい」と、11年1月にWBA同級王者・内山高志に敗れて以来2年ぶり2度目となる世界挑戦へ気持ちをはやらせていた。
なお、WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチが8日の18時45分開始予定、WBC世界フライ級タイトルマッチは19時50分開始予定、メーンのWBC世界バンタム級タイトルマッチは21時20分開始を予定している。
山中「王者と1位の違いを見せつける」
WBC世界バンタム級タイトルマッチを行う山中(右)とツニャカオ 【t.SAKUMA】
――各選手の意気込みは?
山中 これまで本当に最高の練習をしてきたので、試合が本当に楽しみです。試合当日はチャンピオンと1位の違いを見せつけます。
ツニャカオ 調子はいいです。月曜日の試合を楽しみにしています。
五十嵐 昨日のの予備検診と今日の調印式で八重樫さんと距離が近くなってきましたので、試合もいよいよだなと思ってワクワクしています。試合は厳しい試合になるかと思いますが、試合が終わったあとは昔からの知り合いですので、どっちが勝ってもお互いをたたえられるようないい試合をしたいと思います。
八重樫 コンディションも非常にいいので、あさっては気持ちのいい試合をしたいと思います。
ディアス 昨年の10月に世界チャンピオンのタイトルを取りました。それを誇りに思っているので、今回はチャンピオンとして戦いたいと思います。
三浦 今、調子もいいですし、今まで練習をしてきたことを全部出したいと思います。自分の強打を必ず爆発させたいと思います。
力の山中vs.技術のツニャカオ
WBC世界スーパー・フェザー級タイトルマッチを行うディアス(左)と三浦 【t.SAKUMA】
浜田 今までトリプルタイトルマッチ、ダブルタイトルマッチは何度かやっているんですが、(帝拳ジム所属)3選手全員がこれだけ最高に仕上がったという調子の持っていきかたは今までなかったことです。3人全員絶好調で来ています。
山中は左のパンチにみんな注目していますが、これでいいだろうということではなくて、まだまだ左に磨きがかかっています。トレーナーの大和(心)も毎日肩が痛いと言っています。
五十嵐はもともとアウトボクサーなんですけど、打ち合っても勝てるという自信がついたのか、練習でも両方一緒に練習できています。
三浦はディフェンスとオフェンスがやっとひとつになって、得意のパンチ力にも磨きがかかりました。三浦の場合はラウンドは分からないですけど、当たれば倒れるという試合になると確信しています。
3試合全部がメーンイベントと私は思っています。
ホセ・モラレス(ディアスのマネージャー) 日本に着く前にすでに100パーセントのコンディションを仕上げてきました。コンディションに関しては問題ありません。昨年の10月27日に世界チャンピオンになりましたが、その時よりいいコンディションに仕上げています。
山下正人(真正ジム会長) 私もトレーナーとしてペアを組んで次が9戦目になります。段階を踏んで、だんだん昔の強い時以上に強くなっていると思います。今の状態はまさにピークです。力のあるチャンピオン、マルコムの技術、力対技ということでまさに最高峰の戦いを見せられると確信しています。結果はどうなるか分かりませんが、100パーセントの力で試合に臨めると思っています。
大橋(大橋ジム会長) 八重樫は非常にサウスポーが苦手だったんですけど、200ラウンドを超えるスパーリングで完全に克服しました。その成果が試合に出るか、どうか自分自身も楽しみにしています。また、2階級上げたんですけど、その肉体もしっかり仕上がったので身体も楽しみです。
――山中選手、過去の世界戦と比べて仕上がりの状態は?
山中 試合の前のこの時期は常に調子は良かったんですけど、今回に関しては本当に悪い状態がなかったという感じです。常にいい状態が保てて今を迎えている状態です。
――挑戦者の「左は対策できている。問題ない」という発言があったが?
山中 じゃ、右を打ちます(笑)。自分の左が当たれば、絶対に倒れなくても絶対に効くと思うし、主導権も握れると思うし、そのためにいろいろ工夫したい
日本人対決ができて本当に良かった
WBC世界フライ級タイトルマッチを行う五十嵐(右)と八重樫 【t.SAKUMA】
浜田 日本人同士の世界タイトルということで、発表したときよりも、日に日にいろいろな方から質問されるようになってきました。みんな見たかったカードだったんだな、と思っています。両選手が絶好調ということで、打ち合いになるのか、技術戦になるのか、試合にならないと分からないんですけど、どういう状態でも、ファンの臨む最高の内容の試合ができるんじゃないかな、と確信しています。このカードができて本当に良かった、今、あらためて喜んでいます。
大橋 自分が目標としている、尊敬している帝拳ジムと世界戦ができるということで非常にうれしく、感動しています。五十嵐チャンピオンが八重樫を指名してくれたことは、本当にありがとうございます。指名してくれたひとつとして、八重樫の人気、知名度を取りたいということですので、ここでつまんない試合をしてはかえってイメージダウンになると思いますので、ぜひ八重樫をKOしてください。KOを狙った試合をしてください(笑)。
――大橋会長の発言をうけて五十嵐、八重樫両選手はどんな心境か?
五十嵐 いい試合ができるように最善は尽くします。僕はパンチがないので、KOができるかどうかわからないですけど、みんなが興奮できるような試合ができるように努めます。
八重樫 (会長の発言に)びっくりしました、会長からあんな言葉を聞くとは思わなかったので(笑)。自分の持てる力を十分に発揮できるような試合にしたいと思っています。
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