高橋大輔が見せたベテランの頼もしさ=世界フィギュア・男子SP
男子SPで日本人最高の4位に入った高橋。ジャンプにミスはあったが深みのある演技を見せた 【坂本清】
レベルアップした新プログラムで4位に踏みとどまった高橋
冒頭の4回転で転倒、後半のジャンプもコンビネーションにできなかった羽生は9位。全体的にどこか元気がなかった。強い心を持つ17歳は、「(FSには)強くなって戻ってきて、リベンジしたい」と明日1日挟んだあとのFSに今季の集大成を見せるつもりだ。
日本人3番目に登場した高橋は、2つのジャンプで回転不足となり点数が伸び悩んだ。それでも演技直後の表情は、集中したあとの清々しいものだった。高橋自身、「体調は万全ではなかったけれど、その中で自分のベストを尽くした。プログラムに気持ちを込めることができた」という。四大陸選手権から1カ月で、ステップなど格段にレベルアップした演技を見せてくれた。得点のうち、スケート技術や音楽との調和などを表す演技構成点もチャンにつづいて2位。確かに大人の深まりのある演技だった。そして、あと2日で27歳になる彼の演じる姿は、ただただ、頼もしかった。ジャンプミスがあってもちょっとやそっとでは崩れない。
8回目の世界選手権。長いスケート人生で味わった辛苦を越えたからこその確かさで、魅せた。来年2月のソチ五輪を最後とすると、これが最後の世界選手権となる可能性が高い今大会。高橋は、その大会の半分を終えた。
高橋とともに気を吐いたベテラン ジュベールも好位置に
来年2月のソチ五輪の出場枠がかかる今大会。日本男子が最大の出場枠「3」を手に入れるには、3選手のうち成績上位2人の順位の合計が13以下であることが求められる。大事な枠取り、そしてシーズンを締めくくるFSは、15日(日本時間16日)に行われる。
<了>
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