黄金のボールがメッシのものとなった日=史上初の偉業を達成した要因は“底なしの貪欲さ”
心理学的にも珍しいメンタリティ
史上初となる4年連続のバロンドールを受賞したメッシ。そのボールはメッシのもとにあることを喜んでいるように見える 【写真:AP/アフロ】
まだ25歳と若い彼がミシェル・プラティニやヨハン・クライフ、マルコ・ファンバステンといったそうそうたるクラックをあっさりと超えてしまった決定的な要因は何なのか。それはもちろん、その輝かしいプレー、そして毎シーズン残してきた衝撃的な数字の数々である。
メッシは単に恐るべき選手であるだけでなく、自分自身との内なる戦いにおいても他のライバルと競うのと同様の高いモチベーションを維持できるアスリートだ。それは心理学的な観点から見て、非常に珍しいメンタリティである。
「フットボール史に残る時代を生きた」
チームメートのハビエル・マスチェラーノが先日言った通り、もはやメッシは生きる伝説と化した。うそのようなプレーをあっさりと実現してしまうボール扱いの天才と共に、自分たちはフットボール史に残る輝かしい時代を生きた。歳月が流れるにつれ、われわれはそのことを理解していくことになるのだろう。
だが、それだけではない。メッシは常に競い、プレーし、挑戦し続けなければ気がすまない野心を持つ、メンタル面でも非の打ちどころのないアスリートである。他に類を見ない底なしの貪欲さは、たとえ格段にレベルの劣る相手との対戦であっても衰えることがない。
決して休むことがなかった1年半
アウエーの第1レグを2−0と制していたバルセロナは、2部所属のコルドバをホームに迎えたこの試合で、サブ組を多数起用したメンバー構成ながら5−0と大勝した。
バルセロナほど多くの試合をこなし、かつハイレベルな選手を多数擁するチームであれば、このような状況下で主力選手を温存するのは当然のことである。
にもかかわらず、メッシはそれまで1年半にもわたって招集された試合では一度も休むことなく、あらゆる公式戦でプレーし続けてきた。その事実は、彼の飽くなき野心を象徴していると言えよう。