吉本がグローリーの刺客撃退 真弘は逆転KO勝利=RISE&M−1結果

布施鋼治

グローリーの刺客を撃退した吉本は欧州進出に意欲 【t.SAKUMA】

 12月2日、東京・TDCホールでRISEとM−1の合同ビッグイベント「INFINTY」が開催された。オープニングファイトを含めると全19試合のトリを飾ったのはRISEスーパーライト級王者の吉本光志。今年8月、名古屋で開催のホーストカップで野杁正明からパンチで2度のダウンを奪った末に判定勝ちを収めているラズ・セルキシアンとRISEルールによるスーパーファイトで激突した。

会心勝利の吉本は欧州進出に意欲

【t.SAKUMA】

 1R、世界で猛威を奮う格闘技のメガイベント「グローリー」の推薦選手として登場したセルキシアンの力強い上下の連打の前にガード一辺倒になる場面もあった吉本だが、2Rになると形成逆転。ローキックで下半身にダメージを与えながら、カウンターのヒザ蹴りをボディーにヒットさせていく。セルキシアンのスタミナが削りとられるのに時間はかからなかった。
 3R開始早々、セルキシアンは激しい打ち合いに挑もうとするが、その後、吉本が右のヒザ蹴りと左ミドルを繰り出すと、試合は再び吉本ペースに。終わってみれば、ジャッジは三者とも29−28で吉本の勝利を支持した。

 会心の勝利に試合後の吉本は饒舌だった。「セルキシアンはグローリーの推薦選手。その選手に勝ったら、グローリーに呼ばれるかなと思いながら闘っていました。来年はヨーロッパ遠征をしてみたい」

ショータイム世界王者・山本真弘が凱旋勝利

ショータイム世界王者として凱旋した山本真弘は苦しみながらも逆転KO勝利 【t.SAKUMA】

 セミファイナルでは、今年7月に日本人選手として初めてイッツショータイムの世界王者となった山本真弘が凱旋。WMTAスーパーライト級王者でグローリーの推薦選手であるマンサワー・ヤクビと拳を交わした。

 類まれなスピードと61キロ級では外国人選手に当たり負けしない体幹が売りの山本だが、出だしの調子は今ひとつ。2Rまではヤクビの連打に後退を余儀なくされる場面も。そして3Rになると、ヤクビの右フックでまさかのダウンを許してしまう。
 だが、窮地に立たされれば立たされるほど、山本は火事場の底力を発揮するタイプ。案の定、至近距離からの飛びヒザ蹴りでヤクビからダウンを奪い返す。なんとか立ち上がってきたヤクビだが、致命的なダメージを受けていることは明らか。このチャンスを山本が見逃すはずがない。その後パンチで立て続けにダウンを奪って逆転KO勝ちを収めた。

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著者プロフィール

1963年7月25日、札幌市出身。得意分野は格闘技。中でもアマチュアレスリング、ムエタイ(キックボクシング)、MMAへの造詣が深い。取材対象に対してはヒット・アンド・アウェイを繰り返す手法で、学生時代から執筆活動を続けている。Numberでは'90年代半ばからSCORE CARDを連載中。2008年7月に上梓した「吉田沙保里 119連勝の方程式」(新潮社)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。他の著書に「東京12チャンネル運動部の情熱」(集英社)、「格闘技絶対王者列伝」(宝島社)などがある。

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