1年半ぶり復帰GSP、パウンド・フォー・パウンドへの道=UFC

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SF王者シールズとの王者対決を制したGSPだったが、負傷のため長期欠場へ 【Zuffa LLC via Getty Images】

 ケガによる長期の戦線離脱後、UFCウェルター級王者ジョルジュ・サンピエール(以下GSP)が日本時間11月18日にモントリオールで行われる「UFC154」のメイーンイベントにて、ウェルター級暫定王者、カルロス・コンディットと復帰戦を行う。
 この王者同士の対決は2012年ファンが最も待ち焦がれた一戦だろう。なぜそんなに待ち焦がれた一戦なのかは、このGSPの軌跡を見れば明らかだ。

Text by Thomas Gerbasi

暫定王者コンディットとの王者対決へ

2004年1月31日 UFC46 対カロ・パリジャン 3−0判定勝利

 この試合がいわゆるUFCデビュー戦である。カナダでは5戦全勝を挙げていたが、当時GSPは無名の選手であった。対するパリジャンは少し前のUFCデビュー戦で、グラップリング力の高さを見せつけていた。しかし、この夜の主役はGSPだった。
「GSPの打撃力が光る試合だった。パリジャンもグラウンドで応戦しようとしていたが、GSPのフィジカルとそのリングの使い方のうまさが優っていた」

2004年10月22日 UFC50 対マット・ヒューズ 1Rサブミッション負け

 デビュー戦に続く2戦目でも勝利を挙げたGSPはニューフェイスとして人気を獲得していった。しかし、ここで彼は自身のヒーローでもあるマット・ヒューズと対峙することになる。ヒューズとの再戦前にその初戦を振り返りGSPはこう語った。
「ヒューズとの初戦の時、まるで自分の中の幻影と戦っているみたいだった。こんなことは初めてだったよ。ヒューズは自分の前にいるのに、自分と向き合っているみたいだった。何もできなかった」
 しかし、GSPはタップする瞬間まで勝っており、あと1秒我慢すれば終了のブザーに救われたはずだった。
「その試合を見返してみて気が付いたよ。この試合は勝てる試合だったって」
 しかし、そのリベンジを果たすのは2年後である。

欠場中にはUFC日本大会のゲストとして来日 【Zuffa LLC via Getty Images】

2006年3月4日 UFC58 対BJペン 2−1判定勝利

 この試合もファンが待ち望んだ試合だったが、その1ラウンドが終了した時、多くの人がGSPが勝つなんて思いもしなかった。「この1ラウンドはキャリア最低のラウンドだった」と試合後のGSPは語った。しかも、GSPは激しく出血し続行も危ぶまれていた。しかし彼はあきらめずに王者に立ち向かい、そして勝利を手にした。
「この時、ヒューズ戦から自分の精神力の成長を実感できた。敗北から立ち上がり勝利を得た。これが王者になるものと強いけれど王者にはなれない者の違いだと思う。うまいテクニックを身につけることはいくらでもできるけれど、精神的に強くならなければ勝つことはできない」

2006年11月18日 UFC65 対マット・ヒューズII 2R TKO勝利

 階級トップファイター相手に5連勝を挙げた後、GSPは初敗北を喫した相手に二度目の挑戦の機会を得た。この時GSPは以前のGSPとは違った。2ラウンド、GSPはハイキックを極め、次の瞬間に新王者が誕生した。これこそGSPが待ち望んでいた瞬間であったが、そのわずか5カ月後、どんなファイターも負ける時が来ることを知ることになる。

2007年4月7日 UFC69 対マット・セラ 1R TKO負け

 ファンはみなGSPの勝利を信じて疑わなかったが、勝負の世界では何が起こるかは分からないものだ。そして、一つのミスや一瞬の気の緩みは敗北を意味するのだ。試合前に個人的に問題が起きていたと後に言われたが、GSPはセラがこの日のために完璧に練習し、自信に満ち溢れていることに気が付くべきだった。この敗北は痛い敗北となった。

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