王者・瀧谷が地元・愛知で2度目の防衛に成功 久保優太がKO勝利も対抗戦はNAGOYAが勝利=Krush.22

中村拓己

王座防衛の瀧谷「最高の試合を見せられるように精進する」

地元・愛知で2度目の防衛に成功した瀧谷。さらなる活躍を地元ファンに誓った 【中村拓巳】

 Krushの地方初進出となる「Krush.22 〜in NAGOYA〜」が26日、愛知・名古屋国際会議場イベントホールで開催された。

 2400人超満員札止め(主催者発表)となった今大会ではNAGOYA×TOKYO・5対5マッチとして名古屋と東京の選手たちが激突。メインイベントでは地元・愛知在住のKrush−55kg級王者・瀧谷渉太が2度目の防衛戦で挑戦者・匠を迎え撃った。

 アマチュアとプロを通じて2度の対戦があり、いずれも瀧谷が匠に勝利しているという図式の一戦。1Rは匠が足を使って距離を取りながらカウンターを狙い、そこに瀧谷がパンチで飛び込んでいくという展開となる。2Rも同様に距離を取る匠を瀧谷が追いかける時間が長く続くが、徐々に瀧谷が匠の動きを捉えるようになり、右フックから左ハイキック、匠をコーナーまで詰めて左右のフックを打ち込んでいく。

匠に左ハイキックを打ち込む瀧谷。試合終盤の打ち合いに会場は沸いた 【中村拓巳】

 3R、ドローではベルトを手にできない匠は劣勢の試合展開を挽回しようと、得意のパンチで瀧谷と果敢に打ち合うが、瀧谷もパンチの中にハイキックや飛びヒザ蹴りを織り交ぜて打ち負けない。偶発性のバッティングで匠にドクターチェックが入ると、さらに打ち合いは加速し、ラウンド終盤はお互いに足を止めてリング中央での殴り合いへ。場内は歓声に包まれ、試合終了のゴングが鳴らされた。

 勝負が判定に委ねられるとジャッジ3名とも30−29で瀧谷の勝利。地元・愛知で2度目の防衛に成功した瀧谷だったが「Krushらしい試合ができなかった。僕は世界を目指しているので、これじゃダメです」と試合内容を反省しつつ「一から出直して最高の試合を見せられるように精進します」と今後の抱負を語り、Krush名古屋大会のメインイベントを締めくくった。

70kgへの第一歩、久保が左ハイキックで鮮やかなKO勝利

久保は左ハイキックで鮮やかに大和を沈めた。試合後には「世界のトップになりたい」と目標を語った 【中村拓巳】

 NAGOYA×TOKYO・5対5マッチの大将戦には久保優太が登場。久保は今年2月にISKA世界ライト・ウェルター級王座を獲得するなど、国際戦で5連勝中。次なる目標として70kgへの階級アップを宣言し、今大会ではその第一歩として66kg契約で、WBCムエタイ日本&NJKFウェルター級王者の大和侑也に挑んだ。

 久保は1Rから体格的なハンデを感じさせることなく、いつものように強烈な左ミドルを大和に蹴り込み、そこから左の三日月蹴り、左のハイキックなど多彩な蹴り技で大和を攻め込む。大和も右のインローを蹴り返すが、久保は矢のような左ストレートで大和の顔面を狙う。そして2R、久保がその左ストレートで大和の動きを止めて、そこから右フックをたたき込み、大和からダウンを奪う。何とか立ち上がった大和だったが、久保はそこに左ハイキックを一閃! これで大和がマットに倒れ込み、レフェリーは試合をストップ。70kgまでの第一歩を久保がKO勝利で飾った。

 試合後、久保は「僕の目標は世界のトップになることです。大和選手は世界で通用する選手だと思いますが、絶対に負けられない試合でした。KOで倒すことができて良かったと思います」と勝利の喜びを語った。

 大将戦こそ久保のKO勝利で1勝を挙げたTOKYO勢だったが、対抗戦はNAGOYA勢の3勝2敗という結果に終わった。

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著者プロフィール

福岡県久留米市出身。プロレスファンから格闘技ファンを経て2003年に格闘技WEBマガジンの編集部入りし、2012年からフリーライターに。スポーツナビではその年の青木真也vs.エディ・アルバレスから執筆。格闘技を中心に活動し、専門誌の執筆、技術本の制作、テレビ解説も務める。

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