王者・瀧谷が地元・愛知で2度目の防衛に成功 久保優太がKO勝利も対抗戦はNAGOYAが勝利=Krush.22

中村拓己

野杁正明は完勝、対抗戦のベストバウトは悠矢vs.林

「Krushを名古屋でやってほしい」と今大会のきっかけとなった野杁(左)は牧平に勝利し、地元のファンを喜ばした 【中村拓巳】

 昨年12月に「Krushを名古屋でやってほしい」とアピールし、今大会のきっかけとなった野杁正明は副将戦で牧平圭太と対戦。実績、キャリアで勝る野杁が牧平を迎え撃つ形の一戦となり、野杁は序盤から牧平を圧倒。強烈な右ミドルと右ローで牧平を下がらせ、得意のボディーブローを織り交ぜたパンチで牧平を追い込む。「人生をかけて戦わないと野杁君には勝てない」という意気込みでこの試合に挑んだ牧平を仕留めきれなかった野杁だが、30−27、30−27、30−28という大差の判定で牧平を退けて、改めてのその強さを見せつけた。

 また対抗戦のベストバウトと言える試合は先鋒戦の悠矢vs.林将多のパンチャー対決。両者ともにパンチを得意とし、好戦的なスタイルということで殴り合い・KO決着が期待された一戦は、その期待通りの試合展開に。2人の拳が交錯するエキサイティングな試合となったが、1Rに右フックでダウンを奪った悠矢が2Rに林をKO。会場も大爆発のKO劇を収めて、インパクトを残した。

佐藤嘉洋と大和哲也がエキシビション、UFCファイター日沖発も来場

エキシビションマッチに登場した大和(左)と佐藤。最後は相打ちで両者ダブルノックアウトとなった 【中村拓巳】

 Krush名古屋大会に名古屋在住のファイターたちが花を添えた。セミファイナルではスペシャルエキシビションマッチとしてKrushでも試合をしている佐藤嘉洋と大和哲也が拳を交えた。2分2Rのエキシビションは2Rに佐藤が飛びヒザ蹴り、大和が左フックとお互いの得意技でダウンを奪い合い、最後は左フックの相打ちで両者ダブルノックアウト。中身の濃いエキシビションで会場は多いに盛り上がった。

 またNAGOYA×TOKYO 5対5マッチの特別プレゼンターとして、UFCファイターの日沖発が登場。副将戦で勝利し、名古屋勢の勝ち越しを決めた野杁に勝利者トロフィーを渡し、名古屋が世界に誇る立ち技とMMAのトップファイターの共演となった。

宮田充プロデューサー「試合内容・お客さんが来てくれたことは満点」

大成功に終わったKrush名古屋大会。13年には広島大会の開催も内定している 【中村拓巳】

 試合後、Krush宮田充プロデューサーが地方初進出となった今大会を総括。一週間以上前に前売りチケットが完売し、急きょ立見チケットを追加発売するほど会場は超満員となり、宮田プロデューサーは「8.26という良い日に会場が取れて、タイミング的に良い選手が集まってくれて、いい試合をしてくれました。しっかりお客さんも集まってくれたことは満点だったと思います」とコメント。試合内容については「個人的なベストバウトは悠矢vs.林。あの試合は見ていてこみあげてくるものがありました。また久保君の勝ちっぷりもインパクトがありましたね。また泰斗と牧平(圭太)からはこのチャンスにかける想いが伝わってきて、この2人を対抗戦に組み入れて良かった」と振り返る。

 8.12Krush後楽園大会でKO勝利したISKA世界バンタム級王座を防衛した寺戸伸近がKrush広島大会の開催をアピールし、宮田プロデューサーもそれを承諾。Krushは2013年に広島大会の開催も内定しているが、宮田プロデューサーは「今回は名古屋から東京に遠征してくれる選手が良い試合をしてくれて、名古屋に力のあるジムが多いから成立した大会です。来年は広島でも大会をやってみようと思いますが、今回とは違うイベントにしたいと思います」と、広島大会は強豪選手が多い名古屋とは違う色のイベントにしたいと語っている。

■「Krush.22 〜in NAGOYA〜」
8月26日(日)愛知・名古屋国際会議場イベントホール

<メーンイベント第10試合 Krush −55kg級タイトルマッチ 3分3R>
○瀧谷渉太(桜塾/王者)
(判定 3−0)
●匠(チームドラゴン/挑戦者)
※30−29、30−29、30−29
※瀧谷が2度目の防衛に成功

<セミファイナル スペシャルエキシビションマッチ 2分2R>
佐藤嘉洋
(エキシビションのため勝敗なし)
大和哲也

<第9試合 NAGOYA×TOKYO・5対5マッチ大将戦 Krush −66kg契約 3分3R延長1R>
●大和侑也(大和キックボクシングジム)
(2R 0分51秒 KO)
○久保優太(Fighting Kairos)

<第8試合 NAGOYA×TOKYO・5対5マッチ副将戦 Krush −63kg Fight 3分3R延長1R>
○野杁正明(OISHI GYM)
(判定 3−0)
●牧平圭太(team pitbull)
※30−29、30−28、30−27

<第7試合 NAGOYA×TOKYO・5対5マッチ中堅戦 Krush −63kg Fight 3分3R延長1R>
○泰斗(GET OVER)
(判定 2−0)
●尾崎圭司(チームドラゴン)
※30−29、30−29、30−30

<第6試合 NAGOYA×TOKYO・5対5マッチ次鋒戦 Krush −60kg Fight 3分3R延長1R>
●石橋真幸(名古屋JKファクトリー)
(判定0−3)
○青津潤平(NPO JEFA)
※9−10、9−10、9−10

<第5試合 NAGOYA×TOKYO・5対5マッチ先鋒戦 Krush −60kg Fight 3分3R延長1R>
○悠矢(大和キックボクシングジム)
(2R 0分47秒 KO)
●林将多(チームドラゴン)

<第4試合 Krush −63kg Fight 3分3R>
●前田修(GET OVER)
(3R 2分33秒 KO)
○安田慶二郎(AXIS−J) 

<第3試合 Krush −63kg Fight 3分3R>
○富平禎仁(アーネスト・ホーストジムJapan)
(3R 0分37秒 KO)
●武彦(月心会)

<第2試合 Krush −60kg Fight 3分3R>
●MAN☆48(大和キックボクシングジム) 
(判定0−3)
○中野祐基(練正館)
※25−28、25−29、25−29

<第1試合 Krush −60kg Fight 3分3R>
●瑠輝也(荒木道場)
(2R 2分6秒 KO)
○平塚大士(チームドラゴン)

<オープニングファイト第4試合 Krush −55kg Fight 3分3R>
●作田良典(GET OVER)
(1R 2分22秒 KO)
○磯部心(Splash)

<オープニングファイト第3試合 Krush −70kg Fight 3分3R>
○佐藤篤史(アーネスト・ホーストジムJAPAN)
(判定3−0)
●西内貴洋(チームドラゴン)
※28−27、29−27、29−27

<オープニングファイト第2試合 Krush −63kg Fight 3分3R>
△宮地謙太朗(GET OVER)
(判定0−0)
△?岡誉崇(NEX)
※30−30、29−29、30−30

<オープニングファイト第1試合 Krush −55kg Fight 3分3R>
○大高瑞基(TEN CLOVER GYM)
(判定3−0)
●Shi−mo(KSS健生館)
※30−29、30−29、30−29

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著者プロフィール

福岡県久留米市出身。プロレスファンから格闘技ファンを経て2003年に格闘技WEBマガジンの編集部入りし、2012年からフリーライターに。スポーツナビではその年の青木真也vs.エディ・アルバレスから執筆。格闘技を中心に活動し、専門誌の執筆、技術本の制作、テレビ解説も務める。

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